古語解説「気配り」

「気配り」とは、かつて日本にあったとされる慣習。
周囲の人が困らないように、あるいは行動しやすいように、自ら行動すること。相手の行動を予測し「気を配ること」から来た語。例えば通路で並ぶ場合は、端に立って他の人が通りやすくすること。
スマートフォンの普及によって、公共の場でもスマホに熱中し、周囲に気を配らない人が増えて、この言葉はほぼ死語となった。先の例で言えば、電車の扉近くに陣取りスマホに熱中し、他人の通行の邪魔になっても気づかない。通路でもスマホを見ながら歩き、他の人とぶつかるなど。

「気配りはやめよう」と、政府が推奨したり法律で禁止しても、ここまで徹底できなかったでしょう。
スマートフォンが普及して、まだ20年も経ちません。この短期間に、何百年も続いていたと思われる「気配り」の習慣が「絶滅危惧種」になるとは、スマホの威力はすごいです。その分野にノーベル賞やギネスブック認定があれば、第一位になるでしょう。

追記
読者から、次のような指摘がありました。
「気配り」は「仲間内ですること」としては生きているので。古語ではなく意味がずれた言葉(古今異義)なのでしょう。