年別アーカイブ:2022年

大阪でのひったくり件数が100分の1に

2022年11月5日   岡本全勝

朝日新聞ウエッブニュース「ひったくりは「大阪名物」、ベテラン警部の悔しさ 捜査のいまは」(10月30日)から。
・・・2000年には大阪府内で1万973件を数え、全国最悪だったひったくりが、20年は100件と、100分の1以下になった。ここまで減らせた背景に何があったのか。大阪府警のベテラン捜査官に聞いた。
「常習犯を繰り返し検挙したことで、『ひったくりをすると捕まる』というふうに加害者側の意識が変わってきた」
ひったくりなどの窃盗事件を専門とする府警捜査3課の橋本一範警部は言う・・・

・・・ひったくり減少の要因として、橋本さんが挙げるのは、「防犯カメラと科学捜査技術の進歩」だ。
ひったくりは路上で短時間に起きることが多く、指紋などの証拠が残りにくいのが特色だ。
かつては、犯行時間帯や区域、被害者の性別や年齢などを過去の記録と照らし合わせることで、「常習犯」を絞り込む「手口捜査」が主流だった。府警捜査3課も専門の「分析班」を置いた。
「犯行が繰り返されると出てくる容疑者の癖を見抜き、割り出していった」と橋本さんは説明する。

近年の防犯カメラの普及が、そんな捜査手法を大きく変えた。
初期の防犯カメラは画質が悪かったり、記録容量が小さかったりして、犯行前後の一部しか映っていないことが多かったが、最近はカメラの性能が劇的に向上し、犯行の一部始終を鮮明にとらえていることが増えた。
各地に設置されているカメラの数も増えた。事件前後、周辺のカメラの情報をたどり、記録されている容疑者の足取りをつなげて追っていくことで、事件後、どちらへ逃げたかを絞り込めるようになった。
18年5月、大阪市などで連続ひったくり事件が起きた。容疑者の男が大阪市内で単車を乗り捨てて徒歩で駅に向かい、京都市内の自宅付近まで戻る様子が、防犯カメラ映像の「リレー」で浮かび上がり、検挙につながったという・・・

講演の準備2

2022年11月4日   岡本全勝

講演の準備1」の続きです。
講演の前日に、骨子と投影資料を広げて、予行演習をします。時間配分を間違わないように、骨子に時間配分も書き込んでおきます。

講演では、内容を理解してもらうこと、そもそも興味を持って聞いてもらうこと、そしてそれぞれの立場で考えてもらうことが重要です。
格好良く理論的なことも話したいのですが、興味を持ってもらえるのは、実例と私の経験談です。そこで、骨子には少々理論的なこと、項目だけを書き並べ、それを説明する際に私の体験を入れます。体験談だけだと、漫談になります。

問題は時間配分です。何度話しても、うまくいきません。実体験を入れると聴衆はよく聞いてくれるのですが、それに時間をかけると、当初予定していた時間配分が超過するのです。

時間が超過する原因には、内容を詰め込みすぎることもあります。どうしても、これも話したい、あれも話したいとなって、盛りだくさんになるのです。それでは、かえって要点がぼけ、消化不良にもなるのです。
話している途中で時計を確認し、骨子に書いた事項をいくつか省略することにします。常に反省です。
講義は難しい

叱られない職場、若手社員の不満

2022年11月4日   岡本全勝

10月25日の読売新聞連載「コロナ警告 きしむ社会」は、「ゆるい職場 離れる若手」でした。部下職員をやさしく扱うことと、指導しないこととは別です。

・・・東京都内の大手通信会社に勤める入社3年目の男性(24)は、職場に不満をためている。優しい上司は、そのことにおそらく気づいていない。「叱られたことがない」というのが不満の理由だからだ。
2020年4月の入社直後からコロナ禍でリモートワークとなった。上司はパソコンの画面越しに「いいよ、大丈夫だよ」というだけで厳しい指導を受けたことがない。「このままでは自分はダメになる」。男性は転職を心に決めた。
「ゆるい職場」に危機感を抱いた若手社員たちが今、職場を去り始めている・・・

・・・職場に不満を募らせる男性会社員(24)が、大手通信会社からの転職を考えるようになったのは、社外の刺激がきっかけだった。
入社3年目に入った今年度、打ち合わせの場で取引先で働く同年代の男性社員の知識と提案の質の高さに目を見張った。1年目は何の発言もしなかったのに、いつの間にか成長し、差をつけられていた。上司や先輩から丁寧な指導を受けている印象を持った。
自分の職場はリモート勤務が中心で、上司と対面で会った回数は数えるほど。販売促進の業務などに携わってきたが、叱られた経験がなく、力量に自信が持てないでいる・・・

・・・関西在住の男性会社員(23)は21年春、第1志望だった大手旅行会社に就職した。しかし、コロナ禍で業界の業績は低迷。「終身雇用はあてにならない」と痛感した。
会社は従前の対面の窓口販売にこだわり、デジタル化に消極的に見える。社会で通用するスキルが身につかないと焦り、6月から転職活動を始めた。「自分が成長できるなら、今度は小さな会社でもいい」と思う。
古屋さんは「若者にとっての安定の定義は、大企業に勤めることから、どんな状況でも渡り歩けるよう経験やスキルを蓄積することに変わった」と指摘する。

求める働き方が、世代によって二分されている傾向もみえてきた。
プロバイダー大手のビッグローブ(東京)による今年3月の調査では、20歳代の6割が新年度から出社頻度を「増やしたい」と回答したのに対し、30~50歳代は逆に7割が「増やしたくない」と回答。仕事に慣れたミドル世代は子育てや介護、副業などに充てる時間が確保できるリモート勤務を好む傾向も浮かぶ・・・

昇進すると見えてくるもの

2022年11月3日   岡本全勝

10月27日日経新聞夕刊「私のリーダー論」、村木厚子・元厚生労働事務次官の「リーダーに求められる「聞く力・伝える力」」から。

「私も自分はポストに追いついていないと感じていました。係長になったときは今ならいい係員になれる、課長補佐に昇進したときは今だったらいい係長になれるのにと思いました。ポストによって、見えてくるものが違うからです。昇進は階段を上るのに似ています。下にいたら背伸びしたり、ジャンプしたりしないと見えないものが自然と見えてくるようになるのです」

「少し力が足りないと思っても、そのポストに就いたからこそ力がつくことがある。私は他人と競うのは得意でないのですが、自分の成長という物差しであれば、それを励みに頑張れると思いました。そうして手応えをつかみ、ようやく自信がついてきたのは40代になってからでした」

睡眠不足が生産性を下げる

2022年11月3日   岡本全勝

10月24日の日経新聞に「眠れない日本、生産性低く」が載っていました。
・・・日本の睡眠不足が国力をむしばんでいる。社員の睡眠時間の多寡で、企業の利益率に2ポイントの差が生じるという研究結果が出た。睡眠時間が米欧中など主要国平均より1時間近く短いことや、睡眠の「質」の低さがパワハラやミスの温床との指摘もある。睡眠不足を個人の問題と捉えず、欧米のように社会全体の課題として解決する必要がある・・・

欧米各国との比較が図になってついています。それらの国の睡眠時間が7時間から7時間半に対し、日本だけが6時間22分です。そして一人あたり生産性は、それらの国の10万ドルから14万ドルに対して、日本は8万ドルです。日本の生産性の低さは、このホームページでも、しばしば取り上げています。
生産性は、睡眠時間だけが要因ではないでしょうが。日本は、夜更かしをしていて(場合によっては長時間残業をしていて)、生産性が低いのです。

私は、日本の職場に原因があると考えています。一つは、だらだとした仕事ぶりです。成果で測らず、長く職場にいることを善しとする風潮です。「定時に退社すると批判された。変えてやる
もう一つは、仕事への愛着度です。日本の従業員は「働き蜂」とよばれながら、実際は会社への愛着や仕事への意欲が低いのです。「働きがい、仕事への意欲
その根本にあるのは、一括採用、年功序列、終身雇用という日本型雇用慣行と、各人の任務を明確にしない大部屋主義、前例主義です。