年別アーカイブ:2022年

オンライン授業の大学生の能力への影響

2022年2月27日   岡本全勝

2月16日の朝日新聞夕刊に、「コロナ禍、大学生の能力に影 オンラインで議論減る? 協働力・親和力…」が載っていました。

・・・コロナ禍の影響で、大学生の「協働力」や「親和力」「行動持続力」などが低下している――。大手予備校・河合塾のグループ会社によるテストで、そんな傾向が浮かんだ。いずれも、社会に出て仕事をする際に必要度が高い能力とされる。コロナ禍でオンライン授業が増え、グループで議論して成果を発表する機会が減るなどした影響が出ているようだ。

このテストはピックアンドミックス社(東京)が実施している「PROG(プログ)」。ジェネリックスキルと呼ばれる、社会で求められる一般的な能力を測るもので、同じ学生が1年生の時に1回目を、3年生になった時に2回目を受ける。
21年にテストを受けた3年生2万556人分の結果をみると、目標に向けて協力して仕事を進める協働力、他者と豊かな関係を築く親和力のほか統率力といった能力が、1年生の時より低下していた。これらの力は、他の人と信頼を築きチームとして動くために必要な基礎力とされ、20年の3年生では、1年生の時より伸びていた力だった。

PROGを河合塾とともに開発したリアセック社(東京)の松村直樹・キャリア総合研究所主幹研究員は、低下の原因として、21年にテストを受けた3年生が2年生の冒頭(20年春)からコロナ禍に見舞われ、オンライン授業を長く受けてきた学年であることを挙げ、「授業で数人の学生によるグループワークが減り、力を伸ばす効果がある学生同士の議論や意見発表の機会が減った影響が大きい」とみる。同様に低下した行動持続力については、「コロナ禍で様々な活動が制限され、主体的に行動しづらい影響が出た」と分析する・・・

もうすぐ春か

2022年2月26日   岡本全勝

東京は、まだまだ寒い日が続いています。
皆さんのところは、どうですか。最近では珍しい大雪だ、という地域もあります。ご苦労をお察しします。

わが家の椿は、たくさんの花を咲かせています。メジロがやってきて、蜜を吸い、その際に花びらを傷つけてしまいます。よって、きれいに花びらが開いた花がないのです。仕方ないですね。
プランターのチューリップは、芽を出しました。

プロ野球のオープン戦も始まりました。花粉も飛び始めたようです。
もうすぐ、春でしょうか。お彼岸までは、まだ一月あります。

みんなで議論する国

2022年2月26日   岡本全勝

2月16日の朝日新聞オピニオン欄「国民的議論、できるもの?」、ニールセン北村朋子さんの発言「最上の妥協点、探る国なら」から。
・・・私が住むデンマークでは、一昨年、気候変動に適応しようと、CO2排出を2030年までに1990年比で70%削減する法律を作りました。
再生エネルギーを導入するだけでは達成できません。基幹産業の一つで排出量の多い養豚業を減らそう、そのためには肉を食べる量を減らそうと、農業関係者から消費者まですべての利害関係者が参加して、国民的議論が進んでいるという実感があります。
各地で地域のNPOやNGOが主催する議論が行われています。政府は食べ方を変えるキャンペーンを展開し、大臣が全国の市民集会に出向きました。農業団体は討論会を行い、メディアもインタビュー番組を放送しています・・・

・・・「デンマーク人は議論好き」ということもあるでしょう。人々は本音と建前ではなく、本音と本音で話をします。小さい頃から「言ってはいけない」がなく、自分の意見を言うように育てられます。話しやすいし、空気を読まないし、忖度する必要もありません。子どもや周りの人を見ていてもそう感じます。
この国では「最上の妥協点、着地点」という言葉をよく使います。どこがお互いにセカンドベストなのか、それを探り出せるか。議論はこれを得るためのツール、という考え方です。議論のための議論は少ない。しかも結論が出て終わりではなく、おりを見ては議論を続けます。だから議論が尽きません。決めたら終わり、ではないのです。
全会一致には懐疑的です。それが歴史上間違った方向に行ったことがたくさんあるとみんなが知っています。だから、少数意見だからと無視したり笑ったり取り上げなかったりは、ここではありえません。それも良さの一つです。

日常の中で人々が議論する時間は十分あります。仕事は午後4時には終わりますし、金曜日は半日です。多くの人たちが夜や週末に、地域の会合に参加しています。
大事なことを話し合わないと次世代に責任を持てない。子や孫の未来を奪ってしまう。ここではそんな考え方が根付いています。「話し合う時間や余裕がない」などと言ったら、「なぜ議論しないのか、時間をかけないのか、ほかに大事なことがあるのか」と不思議がられるでしょう・・・

宇宙と時間の不思議

2022年2月25日   岡本全勝

意識はいつ生まれるのか」の延長で、カルロ・ロヴェッリ著『すごい物理学入門』(2020年、河出文庫)、『時間は存在しない』(2019年、NHK出版)、『世界は「関係」でできている』(2021年、NHK出版)を年末から、芋づる式に読みました。

書評などで、読みやすいと書かれていたこともあり。確かに文章は平易で、翻訳も良く、読みやすかったです。では、分かりやすかったかというと、そこまでは行き着きませんでした。
アインシュタインの相対性理論、ハイゼンベルクの量子論。説明を読むとなるほどそうなのかと思うのですが、頭の中には入りません。

場所によって時間の流れが違う?? 光は粒であり、決まった場所がなく確率だ?? 時間は存在しない、あるのは熱の流れ??
特に気になるのは、世界が物ではなく関係でできている、物ではなく出来事でできているという説明です。拙稿「公共を創る」で、公共とは施設や設備、法令や予算ではなく、私たちの意識が作っている、人と人との関係であることを強調しています。その参考にならないかと思って読んだのですが。少し次元が違いました。

いつか、宇宙の成り立ち、素粒子、重力、時間などが解明されるのでしょう。素人がすんなりと分かるようなものであってほしいです。

民主主義を恐れるロシア指導層

2022年2月25日   岡本全勝

2月16日の朝日新聞国際面、オリシア・ルツェビッチ氏(英王立国際問題研究所特別研究員)の「民主主義 恐れるロシア」から。

・・・北大西洋条約機構(NATO)の拡大が問題の発端だというロシアの主張は、国内向けの言説に過ぎない。冷戦時代にソ連国内で反NATOのプロパガンダが盛んに流された結果、「NATOが拡大してくる」と言えば、今でも通用する。
ロシアが本当に恐れるのは「民主主義」。民主主義が欧米からウクライナを通ってロシアに入るのではないか、と懸念している。でも、そうだとは決して認めない。『ウクライナが怖い』などとは、口が裂けても言えない。

プーチン大統領は19世紀の帝国主義的価値観に染まり、国境周辺の土地にも所有権があると信じている。また、巨大なマーケットであるウクライナを支配することで、地域大国以上の力を持とうとしている。ロシアがウクライナなど周辺諸国を支配しようとするのは、ロシア指導層の不安の表れでもある。攻めの姿勢を取り続けないと、ロシアは求心力を失い、将来解体に向かうかも知れないと恐れるからだ。・・・