年別アーカイブ:2022年

角川書店ソフィア文庫、日中古典地図

2022年3月27日   岡本全勝

角川書店のソフィア文庫が、日中古典地図を作って配っています。本屋でもらえるそうですが、二枚ともホームページから印刷できます。

日本と中国の古典を取り上げ、分野別に時代別に並べて、そのつながりを図示したものです。これは優れものです。ある本がどのような位置にあるか分かると、読む際に参考になります。中学生や高校生には、役に立つと思います。私も、もっと早くにほしかった。

欲を言えば、中国古典地図には、通俗小説(西遊記、三国志演義、水滸伝、金瓶梅など)が入っていないのです。
哲学や経済学、政治学でも、このような地図がほしいです。

外国人児童生徒の進学

2022年3月27日   岡本全勝

3月22日の日経新聞教育欄、石塚達郎・日立財団理事長の「外国人生徒らの高校進学 学びの機会拡充、公民連携で」から。
・・・日本の高校進学率は98.9%(21年度)。つながる子ども(「外国につながる子ども」すなわち外国籍だったり、日本国籍でも日本語が不自由だったりして、就学・進学に困難を抱えている子ども)の進学率のデータはまだないが、外国人登録者数と高校在籍者数から試算すると約37%にとどまる。外国人の場合、小中学生世代の就学率も7割程度と見られるが、低い高校進学率の問題はより大きい。
18年の文部科学省調査では、日本語指導が必要な生徒らの大学などへの進学率は42.2%(公立高校生全体は71.1%)。高校段階の単年度中退率は9.6%(同1.3%)で、高校卒業までの3年間に入学者の約3割が中退する計算だ。

非正規就職率は40.0%(同4.3%)、進学も就職もしていない者の割合は18.2%(同6.7%)。つながる子どもが成長し社会で活躍する機会は日本人生徒に比べあまりに少なく、本人・家族だけでなく社会的にも大きな損失だ。

次に注意を促したいのが、親に帯同されて来日し「家族滞在」の在留資格で暮らす子どもの存在だ。高校生世代の外国籍者約4万人のうち約15%、6千人が該当する。彼らは日本学生支援機構の奨学金受給資格がない。就職する場合の労働時間は週28時間以内に制限され、正規就労は難しい。ただ現行制度では義務教育修了と高校卒業で「定住者」、高卒と就職内定で「特別活動」の在留資格が得られ、労働時間の制約がなくなる。彼らにとって高卒資格の価値は格別に大きい・・・

西尾勝先生ご逝去

2022年3月26日   岡本全勝

西尾勝先生が、お亡くなりになりました。83歳でした。ご冥福をお祈りします。新聞にも書かれているように、行政学の第一人者、そして地方分権を進めた方です。先生がおられなかったら、地方分権改革は進まなかったでしょう、あるいは違った結果になっていたでしょう。情報公開制度や市民参加にも、力を入れられました。「西尾勝先生の時代の証言者

私は東大法学部で、西尾勝先生に行政学を、塩野宏先生に行政法を学びました。当時20歳だった私は先生方を見て、「遠くの山」「とても登ることのできない、絶壁の高山」と思いました。当時、西尾先生は37歳、塩野先生は44歳でした。「西尾勝先生、分権改革の整理

西尾勝先生から「必要があって、岡本君が書いた『進む三位一体改革』を読んだけど、やたらと長かったね」との「おしかり」をいただきました。たぶん、先生が『地方分権改革』(2007年、東大出版会)を書かれる際のことだと思います。私は「先生、すみません。あれは、関係者向けの実況中継だったんです。一冊の本にまとめるときは、そぎ落とそうと考えていたんですが、時機を失してしまいました」とお詫びしました。そんな思い出もあります。「続・進む三位一体改革

受験生、ネット社会での不安

2022年3月26日   岡本全勝

3月16日の朝日新聞「専門誌に聞け」「螢雪時代」巻田裕孝編集長の発言から。

・・・受験生には時代を超えても変わらない部分、逆に様変わりしている部分があると思います。
私は日頃、数多くの受験生や元読者の学生に取材しますが、接して感じるのは、自分の人生を切り開くため、性格はひたむきで素直なこと。必ずしもガツガツしているわけではなく、上をめざして懸命に頑張る子が多い。これは、昔とあまり変わらない受験生像かもしれません。

逆に変わった点はスマホやSNSの登場という環境の激変と関係しています。多くの受験生は、ネット社会ゆえの不安、人間関係上のストレスという問題と向き合っていると感じます。
こんな例があります。周囲の友だちはみなSNSをしている。しかし、自分は第1志望校をめざすため、SNSをやめたほうがいいかもしれない、と思う。ただ、やめると友だち関係が断ち切られるのでは……という不安。人間関係に鋭敏、過敏になっているな、と思います。
私たち編集部から高校生に、どんな特集をしてほしいか尋ねる機会もあるのですが、最近は「メンタル克服術」「ストレス解消法」「息抜きの仕方」といったリクエストも多いんです。これも、今の受験生の胸の内を反映しているかもしれません・・・

日本語ワードプロセッサ「一太郎」

2022年3月25日   岡本全勝

日経新聞「私の履歴書」3月は、コンピューターソフト会社、MetaMoJi(メタモジ)社長の浮川和宣さん。ワープロソフト「一太郎」を生んだ、ジャストシステムの創業者です。

私は「一太郎」派です。日本語を書くには、一太郎の方が「ワード」より圧倒的に使いやすいです。縦書きの日本語を使う人が作ったソフトと、横書きのアメリカでできたソフトを日本用に改造したものとの違いです。さらに、ワードは余計なことをしてくれて、困ったものです。

一太郎は1990年代まで、圧倒的に受け入れられていました。その後、マイクロソフトの抱き合わせ販売戦略に負けてしまいました。独禁法違反ではないかと、私は思いました。24日の記事で、浮川社長も「アンフェアな商法だと」憤っておられます。
それでも、日本語で文章を書く人たちが、ウインドウズを買ったときに一緒についてくるワードを使わず、一太郎を別に買って使っていました。

マイクロソフトが、個別ソフトで勝負せず、ウインドウズをプラットフォームにして他のソフトと協業する戦略をとっていたら、違った世界ができたでしょう。
近年は、ワードしか受け付けてくれない会社が多く、一太郎で書いて、ワードに変換して送っています。「文房具へのこだわり」「日本語は縦書き