年別アーカイブ:2021年

建て替えられる建物、2

2021年5月1日   岡本全勝

建て替えられる建物」、第2回は学んだ学校です。

明日香村立の高市幼稚園と高市小学校は、木造平屋建てでした。その後早い時期に統合され、建物も壊されました。石舞台古墳の隣にあったのですが、跡地は広場と駐車場になっています。
6年生の6月から、橿原市立晩成小学校に通いました。木造2階建てでしたが、これも建て替えられています。
中学は、近鉄八木駅となりにあった、橿原市立八木中学校です。これも木造2階建てでした。移転新築されました。跡地は、近鉄デパートになっています。

高校は、国立奈良女子大附属高校です。1年生の1学期に鉄筋コンクリート3階建ての新校舎が完成し、生徒が旧校舎から自分の机を運びました。この建物は健在です。

大学は、まずは東大教養学部(駒場)です。多くの教室は現役のようです。東大法学部(本郷)も、建物は変わっていないようです。この項続く

人の反応を羅針盤とする不安

2021年5月1日   岡本全勝

4月24日の朝日新聞オピニオン欄「私、傷つきやすい人?」、土井隆義・筑波大学教授の発言から。

・・・「繊細さん」現象は、かつての「コミュ障」に似ています。人をさげすむために使われる言葉だったのが、「私はコミュ障だから」と自分に対しても使うようになった。他人とのコミュニケーションがうまくいかない時、「コミュ障なので許して」と、対人関係上の潤滑油や免罪符として使われるようになりました・・・
・・・こうした現象の裏には、「自分は他人にどう思われているか?」と常に考えざるをえない社会があると思います。1990年代前半まで右肩上がりだった日本のGDPの伸び(経済成長率)は、90年代後半からほぼ頭打ちとなります。この時期を境に日本社会は大きく変わりました。
2000年以降の調査では、「努力しても報われない」と考える人が増え、「生きていれば良いことがある」と考える人が減っています。この傾向は若い人に顕著で、「いい学校、いい会社へ入ればOK」といった人生目標は持ちづらくなりました。歩むべき方向が不透明になったぶん、他人の視線を強く気にするようになったのです。

かつては、たとえば「スポーツの試合で勝つため」「音楽コンクールで優勝するため」などと明確な目標がまずあり、人間関係はその目標を実現する手段でした。しかし価値観が多様化した今、人間関係それ自体が自己目的化しています。自分の内部に羅針盤を持ちにくくなり、他人の反応が羅針盤の役割を担うようになりました。
学校で「自由化」「個性化」が叫ばれるようになったのも同じ時期です。たとえば、以前なら出席番号順などで強制的に分けていたクラスの班分けも、「好きなように作ってよい」となった。自主性という名のもとで、「自己責任」化が起きました。それまでは、気の合わない人とも班を組まざるをえないという「不満」がありましたが、「自分はどの班に入れてもらえるのか?」という「不安」が勝るようになりました・・・

・・・人間関係に心をすり減らさない処方箋の一つは、「自分の居場所」を閉じずに複数作ることだと思います。子どもなら、学校の外に作ることです。異世代の集まるダンスグループでも、地域社会などでお年寄りの話し相手をするのでもいい。一つの人間関係に依存するから、「繊細」にならざるを得ないのです・・・

連載「公共を創る」で、成熟社会になり、自由が不安を連れてきたことを論じています。まさに、ここで述べられていることです。

おいしいけど悲しい食事

2021年4月30日   岡本全勝

4月25日から適用された3度目の緊急事態宣言。東京では、飲食店でお酒が提供されなくなりました。
先日の昼間、キョーコさんと昼食に出かけました。「久しぶりにあの店に行こう」と出かけたのですが、コロナで休業でした。その近くのイタリア料理店が開いていたので、そこに変更。
料理を注文して、飲み物一覧の中から、白ワインを選びました。お店の人が一喝、「お酒は出せません」。そうか、昼でもダメなのか。

料理はおいしかったのですが、ワインのないイタリア料理は、とても不思議でした。私の記憶の中で、最も悲しかった食事でしょう。
お店のイタリア人にそれを伝えると、「そうでしょうね。私もそうです」と。「上着にワインを隠して飲みますか」と笑いながら、しぐさをしてくれました。「やってもよいの?」と聞くと、「ダメです」と叱られました。

お酒を飲まない人からは、「何が問題なの」と言われますが。フランスには、「食事と一緒に水を飲むのは、アメリカ人と蛙だけである」という話があります。
ある人曰く「テーブルの上に、アルコールが置いてあったでしょ」。確かに、消毒用のアルコールが置いてありましたが・・・。

専門家でも難しいオンライン会議接続

2021年4月30日   岡本全勝

4月23日の朝日新聞夕刊に、「あっ「マイクがミュート!」 気候変動サミット、トラブルも」が載っていました。
・・・世界40カ国・地域の首脳らが参加する、気候変動サミットが22日、始まった。会議はコロナ禍のため、オンラインの開催だ。冒頭に行われたあいさつでは、各国・地域の首脳らが画面の切り替えやマイクのオン・オフなど、オンライン会議ならではのトラブルに見舞われる一幕もあった。
サミットは冒頭、ハリス米副大統領のあいさつから始まった。だが、マイクの不調のせいか、音声が二重で聞こえてきた。次いでバイデン米大統領が登壇。音声の不調はあいさつの開始50秒近くまで続いた・・・

・・・ドイツのメルケル首相があいさつをしている際、画面が突如切り替わり、25の小さな画面が表示された。映し出された参加者はメモを取ったり、タブレットを触ったり。マスクはつけている参加者とつけていない参加者に分かれた。空席となっている画面もあった。菅義偉首相はすでにあいさつを終えた後だったからか、日本の画面には別の人物が映っていた。
再度、別の首脳のあいさつの時に複数画面に切り替わると、スマートフォンをいじる人の姿もあった。

画面の切り替えトラブルに見舞われたのは、フランスのマクロン大統領とインドネシアのジョコ大統領、ロシアのプーチン大統領だ。録画してあったマクロン氏のあいさつが流れる途中、突然ジョコ氏が映し出された。その後、画面はマクロン氏に戻ったものの、あいさつ動画は途中で終了。
次いで順番が回ってきたのはプーチン氏だ。司会者の音声がうまく伝わらなかったのか、1分半近く無音で画面に映り続けたが、何事もなかったかのようにあいさつを始めた。
豪州のモリソン首相はマイクのスイッチを切ったまま発言を始めたようだ。主催する米国の担当者とみられる人が「マイク! マイク!」「(マイクが)ミュートになってる!」と焦る音声が漏れ聞こえてきた・・・

政治家の演説

2021年4月29日   岡本全勝

4月25日の朝日新聞、社説余滴は、箱田哲也さんの「日韓を覆う演説不作」でした。

・・・鳴り物入りの訪米を果たした日本のトップは、世界の耳目を集めた共同記者会見でも「メモ読み」を貫いた。機微に触れる質問の回答が漏れたのは、事前通告に慣れすぎたゆえか。
個人の訥弁をあげつらおうというのではない。改めて憂えるのは政治家の言葉の貧弱さである。海の向こうから聞こえるスピーチはまばゆいが、日本政治家の名演説というと、すっかりごぶさたな気がする・・・
・・・政治記者の故・岩見隆夫さんは著書「演説力」で、政治家がテレビ出演や握手の回数を増やす「集票第一主義」に陥ったと指摘。「練り上げた演説文を個性的に工夫されたスタイルでぶち、肉声で訴える」ことを軽視していると嘆いた・・・

・・・韓国には比較的、演説上手が多い印象がある。
古くから武官に比べて文官が優位で、まさに「言葉が命」でしのぎを削ってきた名残だろうと、現地の政治家に聞いたことがある。そんな韓国でも最近は、名演説がすっかり影をひそめているらしい。
日韓の対立をほぐす過程に、政治家の姿が見あたらなくなって久しい。熟慮した言葉で隣国に語りかけるどころか「やりやがったなてめえ」とばかり、息巻く向きが双方に目立つ。
昨今の日韓関係の冷えこみには「演説不作」も影響しているのかもしれない・・・