年別アーカイブ:2021年

地球温暖化のもう一つの理由

2021年6月9日   岡本全勝

6月8日の読売新聞文化欄「令和問答」は、歴史学者の奈良岡聰智さんと地質学者の鎌田浩毅による「災害から学ぶ」でした。
詳しくは記事を読んでいただくとして、対談の最後に、鎌田先生が次のように発言しておられます。なるほど。

・・・まさに「過去は未来を解く鍵」ですからね。地質学者も、地質や古文書にある地震や噴火の記録から未来を予測します。そして「長尺の目」で見ることが大切です。
例えば地球温暖化ですが、20世紀後半以降、噴火が非常に少なかったことが一つの要因なのはご存じでしょうか。18~19世紀のように21世紀に大噴火が頻発すれば、火山灰が太陽光を遮り、温暖化どころか寒冷化する可能性がある。そんな発想も必要です・・・

子ども政策、貧困以外の困難

2021年6月9日   岡本全勝

子ども政策、予算の効果」の続きです。中室牧子・慶応義塾大学教授の「縦割りの排除、自治体でも」には、次のような指摘もあります。

・・・子供政策での行政の縦割りの弊害とはどのようなものか。筆者らの研究グループは認定NPO法人カタリバとともに、コロナ禍の下での経済困窮世帯の子供たちを調査した。経済困窮以外の課題を同時に抱える世帯は、実に全体の40.2%にものぼる。経済困窮に加え、19%が発達障害、7%が身体障害があり、13%が不登校になっている。
このデータを基に、経済困窮のみの世帯の子供と、それ以外の課題も抱える子供の学力や非認知能力を比較した(図参照)。経済困窮以外にも重層的に課題を抱える子供は、問題行動が顕著で、不安感が強く、学力や非認知能力など人的資本の形成でも著しく不利な状況に置かれている。

しかし行政の視点でみると、発達障害や身体障害は健康・保健関連部署、不登校は教育委員会、経済困窮は福祉関連部署の担当だ。行政の縦割りにより、保健・教育・福祉の所管横断的な情報共有が妨げられ、重層的な課題を抱える子供に対する支援が十分になされているとはいえない。
保健・福祉・教育の所管横断的な情報共有は、虐待や自殺など、放置すれば生命の危機に及ぶ異変を速やかに察知するうえでも重要だ。虐待や自殺などのリスクにさらされている子供に対しては、問題が生じた後で「介入」するよりも「予防」する効果の方が大きいことを示す研究は多い・・・
詳しくは原文をお読みください。

360万番達成

2021年6月9日   岡本全勝

今日6月9日朝に、360万番を達成しました。
朝起きて、届いている電子メールの確認、楽天が勝ったどうかの確認(夕べも早く寝たので。久しぶりに、岸投手が勝っていました)をして、私のホームページを見ると、あと50ほどでした。
気持ちよく連載原稿の続きに着手し、しばらく執筆に集中と苦悩。気分転換にホームページを見たら、ちょうど360万番でした。自分で、準キリ番を見ました。8時13分でした。画面を保存するのを忘れました。よって、証拠書類はありません。

350万番が1月5日でしたから、それから約5か月です。
毎日、面白くもない記事を読んでくださって、ありがとうございます。たくさんの人に読んでもらえると、更新するやりがいが出ます。「過去の記録

頭は類推する。カタカナ語批判。1

2021年6月8日   岡本全勝

なぜ、カタカナ語やアルファベット語は、理解しにくく、覚えにくいのか。人は、画像にしろ文言にしろ、連想で認識します。それは、次のようなことです。

まず、目で見る景色から説明しましょう。景色を見る場合、ぼやけた像から、はっきりした像に進みます。遠くから人が近づいてきた場合、最初は人か物なのか判別できません。だんだん近づいてきて、ぼんやりした像を見て、人だろうと判断します。さらに近づいて、服装によって男性か女性かを推測し、体つきから大人か子どもかを判断します。そして顔が見えてくると、知っている人か知らない人かを判断します。
最初から、知人のAさんだとはわかりません。それは、網膜に写った像を、頭の中の記憶にあるよく似た像にあてはめて、正解を探すのです。
テレビ番組に、モザイク画像を見て、何の写真かを当てるクイズがあります。最初は解像度の悪い画像で、何の写真なのかわかりません。だんだん解像度が高くなって、正解がわかります。私たちは、ぼやけた画像でも、記憶の中から似たものを探します。「脳の働きと仕組み、推理の能力

言葉も同じです。耳にした言葉が、はっきりしたものでなくても、よく似た言葉に当てはめます。その単語の発音に似た単語に当てはめます。外国語が聞き取りにくいのは、経験が少なく、頭の中の類似例が出てこないからです。
聞き慣れた日本語を理解する際にも、辞書で単語を引くように、発音の1音目から解読するのではありません。私たちは、耳で聞いた音声を、1音ごとに音声そのもの(発音記号)として認識しているのではありません。ひとかたまりの音声(単語)として聞いて、それを頭の中の類似例に当てはめ、正しい単語を探します。
この項続く

子ども政策、予算の効果

2021年6月8日   岡本全勝

6月1日の日経新聞経済教室「子ども庁、何を優先すべきか」、中室牧子・慶応義塾大学教授の「縦割りの排除、自治体でも」から。

・・・社会保険、教育、職業訓練、現金給付など公共政策は多岐にわたる。だが過去50年の米国の133の公共政策を評価した最新の論文によれば、最も費用対効果が高いのは子供の教育と健康への投資だという。子供の教育や健康に投資した政策の多くは、子供が大人になった後の税収の増加や社会保障費の削減により、初期の支出を回収できていることも示されている。
とりわけ幼少期の教育投資の収益率が高いことを示す研究は多いが、あまり知られていない。英国での研究によると、子供をもつ親は、子供の学齢が高いほど教育の費用対効果は高く、幼少期の投資とその後の投資は補完関係ではなく代替関係だと認識している。
そして驚くべきことに、親だけでなく幼稚園教諭・保育士・小学校教員ですら、幼少期よりももっと学齢の高い教育段階の方が重要だと考えている・・・幼少期の教育投資の効果が特に大きいのは、貧困世帯の子供たちだ。このためノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン米シカゴ大教授は、貧困の世代間連鎖を食い止めるには、所得の再分配よりも、不利な状況にある子供の幼少期の生活を改善する「事前分配」の方が経済効率がよいと主張する・・・
この項続く