年別アーカイブ:2020年

仕事人。輸入した外車を運ぶ

2020年10月8日   岡本全勝

9月28日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、小田巻幸子さんの「整備工場まで運んだ新車、約37万台」です。
輸入した外車を、陸揚げした港の埠頭から、整備工場まで一台一台、運転して運ぶのが仕事です。それだけ聞くと簡単なようですが、そうではないのです。何が大変か。記事をお読みください。

さらに、次のような工夫もしておられます。さすが仕事人。
「新車を傷つけないよう、外側にファスナーの金具やボタンがない制服を着用している。面ファスナーで止めたり、生地の中にボタンをしまったりしている。夜間の事故防止のため、反射材も縫い付けてある」

内閣官房の肥大化

2020年10月7日   岡本全勝

9月29日の朝日新聞に、「内閣官房「分室」、安倍政権で40に膨張」が載っていました。
・・・安倍政権で目玉政策が打ち出されるたびに、省庁横断的に対応するため内閣官房に設けられてきた「分室」が過去最多の40にまで膨れあがっている
・・・分室は、法律や閣議決定などに伴い、特別職の官房副長官補がトップを務める内閣官房副長官補室(通称・補室〈ホシツ〉)の下に置かれる。内閣官房に与えられている総合調整の機能を使い、複数の省庁にまたがる重要政策に対応しやすくするのが役割だ。
内閣官房によると、分室は、中央省庁再編時の2001年には5室あった。その後、増えたり減ったりした。7年8カ月余り続いた安倍政権では、31室が役割を終えて廃止されたが、それを大きく上回る48室が新たに作られ、今では40室までに膨らんだ。各省庁から1~2年程度出向している職員を中心に、官房に約800人が常駐しているという・・・

・・・新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、対策強化のために3月下旬にできた「推進室」は多忙を極める。その一方で、安倍政権が選挙などのたびに打ち出したスローガン、「働き方改革」「1億総活躍」「人生100年時代」などを冠した分室は、4月1日時点で常駐の職員がいない。複数の分室の役職を兼務する職員も少なくない。ある官邸幹部は「中には何を今しているのか分からないものもある」と認める。
ただ、議員が主導した法律に伴い設置された分室もあり、「廃止や移管すると、『政府の意識が低い』と映ってしまう恐れがあり、なかなか簡単に減らせない」(官邸幹部)といった事情も、分室が減らないことの背景にある・・・

どのような室があるか、記事を見てください。
このような内閣官房をはじめ総理官邸を支える仕組み、そして各省など国家行政機構についての解説書って、ないのですよね。地方行政・地方自治は、大学に講座があり、研究者がいて、マスコミにも専門家がいて、学会もあります。本屋に行くとたくさん関係書が並んでいます。ところが、国家行政・中央政府の研究って、組織だって行われていないのです。「市場」が成り立たないからでしょうが。

幸い、私は総理官邸や内閣府などに勤め、霞が関全体を見るという経験をしました。もちろん、各省の細部までは知りませんが。時間ができたら(現在の連載が終わったら)、次の取り組みとして、国家行政を分析したいと考えています。いつのことやら・・・。

消費税増税1年

2020年10月7日   岡本全勝

先日、訪ねてきた新聞記者と、次のようなやりとりをしました。

全:10月1日で、消費税が10%に引き上げられてから、1年が経つけど、記事になったかな?
記者:そう言われれば、そうですね。すっかり忘れていました。
全:報道の悪い癖やね。毎日のニュースは、つまらないことでも載せる。政府や会社の発表なら、その広報組織と化して、宣伝に努める。でも、それがどのような結果になったか、どのような成果を生んだかは、検証しないよね。
消費税増税の際には、あれだけ大騒ぎをしたのに、1年経ったら忘れている。安倍総理が、2度も消費税増税を延期したけど、このような状態がわかっていたら、延期しなくてもよかったね。

いくつかの新聞記事はありますが、各紙とも熱心ではないようです。10月5日読売新聞「消費税増税1年 軽減税率定着」。

償いの主体

2020年10月6日   岡本全勝

「原子力災害伝承館が伝えることと残っていること」その2「失敗した際の償い」の続き3です。
9月30日に、原発事故を巡り、福島県内の避難者らが国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の判決が仙台高裁で出ました。判決では、国と東電の責任を認め賠償を命じました。この判決の当否については、ここでは触れません。

ここで取り上げるのは、その判決への政府の対応です。報道によると、官房長官が記者会見で答え、原子力規制委員会委員長も答えています。もっとも、原子力規制委員会は、委員長が答えているように、この事故を受けてつくられた組織で、将来の事故を防ぐための組織です。東電福島第一原発事故について、責任を問われる組織ではありません。
「受け止めですけれども、改めて、原子力規制委員会というのは、東京電力、福島第一原子力発電所の事故に対する反省やほとんど怒りと言っていいようなものに基づいて、設置された組織ですので、今回も、今日も改めて引き締めていきたいというのは、今後とも我々というのは、原子力発電所をはじめとする原子力施設の規制を、厳正な規制を進めていくというのは、第一の所感につきます。」

日本の国家行政組織は、分担管理という原則があります。ある案件はどこかの府省に割り当てられます。どこの府省にも割り当てられず、内閣・内閣官房が所管する事務もありますが。
経済産業省原子力安全・保安院が担っていた事務で、他省に引き継がれなかった事務は、経産省に残っていると考えられます。ここで取り上げている「償い」は、まさにそれです。国が被告の裁判の判決が出た際に、国としての考えを述べるのは、経産省でしょう。
しかし、経産省は何も表明していないようです。このあと、国会で質問が出たら、答えるのは経産大臣だと思うのですが。

連載「公共を創る」執筆状況

2020年10月6日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」、定例の執筆状況報告です。
苦労の
末、第3章1(2)その3の1を完成させて、編集長に提出しました。毎週連載には、夏休みがないことを思い知りました。反省。

「その3」は、成熟社会の問題のうち、私生活の変化を取り上げます。一気に書き上げることはできず、その3分の1をまず仕上げました。「家族の形の変化」です。単身世帯の増加、結婚しない人の増加、子どもの減少、夫婦の関係の変化など。平成の間に、大きく変わりました。
関係する書物や新聞報道はたくさんあり、毎日目にしていることです。しかし、それを成熟社会の問題として整理しようとすると、苦労しました。毎度のことです。編集長と相談して、4回分に分割しました。これで、10月が乗り切れます。

目次を見たら、「日本は大転換期」が長々と続いています。こんな予定ではなかったんですが。目次の付け方を、まちがったかな。

先日、ある町長から「楽しみに読んでますよ。時代の変化を知らない職員たちに読ませています」と、応援をいただきました。「早く本にしてくださいよ」とも。
ありがとうございます。若い人たちからは、「なに、古いこと言っているの」と言われそうですが。