集中力、その3。選択と持続

集中力の続きです。
考えてみるに、集中力には2つのものがあるようです。
一つは、頭に浮かぶいろんな考え事の中で、あることに集中することです。もう一つは、そのことに集中し続けることです。前者を選択(散漫の反対)と呼び、後者を持続と呼びましょう。
もちろん、集中力が続かないのは、他のことを考えたり他のことに手を出すからで、持続と選択は盾の両面です。でも、なかなか一つのことに集中できないのは、前者の選択の問題であり、一つのことに集中しているのにそれが続かないのは後者の持続の問題です。

集中力が続かない。これは困りものです。いくつかの場面が考えられます。他の案件が頭にちらつく(前回に述べたアブハチ)、考え事が行きなずんで止まってしまう、じっと座って考え事をするのがつらいなどなど・・。
試験の前になると、放ってあった小説を読みたくなるとか・・・。嫌々やっていることは、集中力は続きませんね。

では、逆に集中力が続くのは、どのような場面か。面白い本を読んでいたり、ドラマを見ている、ゲームにのめり込んでいると(私はしませんが)、時間が経つのを忘れるます。
他方、締めきり間近になると、集中してなんとかやり遂げるという場合もあります。追い込まれると、仕方なくやり続けます。

現時点での結論。なぜ集中力が続かないのか、よくわかりません。
しばらく、考え続けましょう。

被災地での人とのつながり

2月23日の日経新聞読書欄、土居丈朗・慶応義塾大学教授の「経済論壇から」に、『週刊東洋経済』2月2日号の、庄司 匡宏・成城大学経済学部准教授の「自然災害が教える「コミュニティー」の大切さ 結束が強い地域では復興が迅速に進む傾向も」が紹介されていました。詳しくは、原文をお読みいただくとして。

被災地でのコミュニティー崩壊が、被災者の社会的孤立を引き起こすこと、それは若者、内向的な性格の人、そして男性が多いことが報告されています。
東日本大震災では、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、仮設住宅での孤立防止のための見まわり、各種の行事の企画などを行いました。
この記事にも、交流が活発になったことが書かれています。もっとも、すべてうまく行ったかというと、そうではありません。

友達を作る、地域の人と交際する、企画に参加するは、それぞれ個人の自由です。強制することはできません。機会がない方には、それを提供することができますが。
行政にも経験が少ないです。国や県には担当する部署がありません。東日本大震災では、復興庁がそれに乗り出しました。
NPOの方々の知恵や技術をいただいて、財政支援とそこで得た方法を関係自治体やNPO、町内会に広めることです。仮設住宅だけでなく、そこから引っ越した公営住宅でも行っています。

やる気のない社員

2月21日の日経新聞1面連載「働き方進化論」は、「脱せるか「やる気後進国」」でした。このホームページでも紹介したことがある、国別の従業員のやる気度調査が載っています。

・・・終身雇用が社員の安心感を生み、組織に貢献しようと勤勉に働くー。日本に関するそんな定説は過去の話だ。
米ギャラップ社が従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)を調査したところ「熱意あふれる社員」の割合は、米国が32%なのに対し、日本はわずか6%にすぎなかった。
調査した139カ国中132位と最下位級だ。しかも日本は「周囲に不満をまき散らかしている無気力な社員」の割合が24%、「やる気のない社員」が70%に達した・・・

集団への帰属意識が、構成員に安心感をもたらします。これは、個人にとっても社会にとっても、安定をもたらす良いことです。ところが、その反面、依存心が強くなることがあります。
「私が頑張らなくても、大丈夫」との思いが蔓延すると、その組織は活力を失います。かつての共産主義国家はその例です。
他方で、個人が競争する社会は、それぞれが頑張りますが、不安や不安定がつきまといます。
競争と安住、個人の自立と集団への帰属。その兼ね合いが、難しいところです。

『明るい公務員講座』第3巻、校正中

『明るい公務員講座』第3巻のゲラができたので、校正しています。
あれだけ時間をかけて作った原稿なのですが。改めて読むと、いろいろ悩むか所が出てきます。
内容は、付け加えることはないのですが。ここに句読点を打つか、ここで改行すべきか・・・
「僧は推す月下の門」か「僧は敲く月下の門」(推敲の語源)状態です。
どこかで、踏ん切りをつけなければいけません。

3月末に本屋に並ぶように、頑張りますわ。乞うご期待。

集中力、その2。本人側の邪魔する要素

集中力の続きです。
集中できるかどうか要素、環境(外部からの邪魔)の次は、本人の要素です。この場合も、邪魔するものから考えましょう。

集中すべき事柄以外に、悩み事があると、集中できませんよね。それは、他の仕事であったり、健康や私生活での悩みです。これが頭にちらつくと、あるいは頭の大きな部分を占めると、やるべき仕事や読書に集中できません。
体調も、重要です。睡眠不足、二日酔いでは、集中できません。もちろん、風邪を引いているとか病気の場合も。

仕事の場合は、いくつものことを抱えていることが、選択を妨げます。これを防ぐには、時間割や仕事の順番を決めて、ある時間には一つのことに集中することです。虻蜂(アブハチ)取らずにならないように。ひとまず、虻に集中します。その間に、蜂(別の案件)が頭に浮かんでも追い払いましょう。
このように、まずは邪魔を取り除くことで、集中できる条件をそろえましょう。
この項続く