年別アーカイブ:2017年

連載を振り返って10

2017年12月2日   岡本全勝

千里の道も一歩から
初級編が35回、中級編が42回。2年間にわたる連載でした。こんなに続くとは、思っていませんでした。

毎週締めきりが来るのは、けっこうな負担でした。鞄に書きかけの原稿を入れておき、新幹線の中や仕事の合間に、思いついたことを書き、書いた文章に手を入れました。土曜日曜には、朝起きて机に向かい、文章を練りました。
水前寺清子さんの「365歩のマーチ」でいえば、「一日一歩、三日で三歩」です。書いている途中で気が変わり、大幅に書き換えることも度々ありました。すると、「三歩進んで、二歩下がる」でした。

参考になるお手本がないことは、しんどかったです。「経験者なら分かっていることばかりだ」と言われれば、その通りです。でも、それを整理し活字にすることが、難しかったのです。いろんな本を読みましたが、それらをお手本にせず、一から書き下ろしました。

さて、これで初級編(一般職員向け)と中級編(課長向け)が、ひとまず完結しました。もちろん、私の書いたことが必要な知識のすべてではなく、また私とは違った考え方もあるでしょう。私の文章を基に、付け加えてもらえればうれしいです。

単行本『明るい公務員講座』に続き、本になっていない分を単行本にするべく、作業をしています。出版のめどが立ったら、お知らせします。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第9回目

2017年12月1日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第9回目でした。
地方交付税の果たしている機能について、説明しました。あわせて、戦後日本の発展について、政府の政策と効果についても。
1950年代以降、工業化の進展と経済成長にしたがって、太平洋ベルト地帯への人口集中が進み、過疎と過密が進みました。また、商工業と農業との所得格差も。
政府は、産業政策(米の買い支え、工場再配置)と、公共政策(公共事業、国庫補助金、地方交付税による均霑化)を行いました。これによって、地方でも働く場を確保することとともに、全国各地で一定水準のインフラと公共サービスを提供しました。しかし、過疎と過密を解消することはできませんでした。

もっとも、交付税による財源保障と財政調整がなければ、豊かな地域と貧しい地域で、もっと大きな差がついていたでしょう。
中国やアジアの国の政府関係者が、日本の交付税制度の勉強に来られ、説明したことを思い出します。彼らにとっても、切実な課題だったのです。「これらの政策で、どの程度成功したのか」とか「日本は、このほかに人口移動を制限していないのか」という質問もありました。

その後、国際化でこのような産業政策は無理になり、財政の逼迫で公共事業も削減が始まりました。
バブル崩壊とアジアの追い上げで、日本は、産業・経済・社会で新しい局面に入りました。その転機が、1990年~2000年代でした。社会の変化や国際化が、経済と財政に影響を及ぼすこと、そして行政の役割が変わることも、話しました。
教科書に書かれていない話、視野の広い話なので、学生からは「おもしろかった」との評価をもらいました。

長い残業、格好悪い

2017年11月30日   岡本全勝

11月30日の日経新聞、生産性革命の特集記事。 岡藤正広・伊藤忠商事社長 の「長い残業、格好悪い」から。
・・・ただ実際は日本の1人当たり国内総生産(GDP)は世界で20位前後。欧米に比べ低い。IT(情報技術)や人工知能(AI)が進化して生産性は当然上がってよいはずなのに日本の1人当たりGDPはここ20年ほど増えてない。日本人は効率良く働いているわけではない・・・

・・・労働時間を減らすことが働き方改革の目的ではない。効率と生産性を高めた結果、給与が増え労働時間も減る。短い時間の中で効率や生産性を高めることが重要だ。かつては残業が多いほど仕事をしているといった評価が一般的だった。今は「あんなに残業をするのは格好悪い」という風土や企業文化を作っていかなければならない。
間違ってはならないのは、単に楽をするわけではないということだ。「がむしゃらではなく余裕を持って働きたい」「働く時間を減らして給料をもらう」という考えでは会社がつぶれる。どこでも経営者やトップの人間は他人の何倍も働いている。ただ皆がそういうわけにはいかないから、短い労働時間で生産性を上げる以外に道が無い・・・

原文をお読みください。

復興状況、国会報告

2017年11月29日   岡本全勝

東日本大震災からの復興の状況を取りまとめ、国会に報告しました。年に一度、報告しているものです。
概要を見ていただくと、状況が簡潔に分かるようになっています。