1997年11月26日の取り付け騒ぎ

11月26日の朝日新聞経済面、原真人・編集委員の「あの日恐慌寸前だった」から。
・・・戦後日本で最も経済破綻が近かった日をあげるなら、ちょうど20年前の1997年11月26日である。多くの銀行で深刻な取りつけ騒ぎが起き、金融恐慌寸前となった。報じられなかった事実もふくめ、当事者たちの記憶をたどって改めて歴史に刻みたい。これからの私たちのために・・・

・・・「日本経済はこのまま破綻してしまうのだろうか」。30年の記者生活で、そんなことを考えたのは後にも先にもあの日だけだ。
そのまま取り付け騒ぎを記事にしたら預金者に不安が広がり、全国の金融機関に連鎖する可能性が高いと考えられた。朝日新聞は、現場の写真も含め、記事にするのを見合わせた。報道協定はなかったが、結果的にほぼすべてのマスメディアが同じ判断をした。
いま同じ騒ぎが起きたらどうか。インターネット社会では誰もがツイッターやユーチューブで情報発信ができる。取り付け情報の拡散は止めようがない。マスメディアの配慮などまったく役に立たないだろう。その結果何が起きるのか、私たちにもまだわからない・・・

事実の回顧とともに、マスコミの役割についても、考えさせられます。
原文をお読みください。