オランダの歴史

桜田美津夫著『物語オランダの歴史』(2017年、中公新書)を読みました。偉大な小国の500年の歴史が、コンパクトにまとめられています。随所にそうだったんだと、いろんなことを教えられます。
ところで、オランダの歴史と言えば、岡崎久彦著『繁栄と衰退と―オランダ史に日本が見える』(1991年、文藝春秋。文春文庫に収録)が出版されたときに、興味深く読みました。

桜田さんの本も、新書版に良くまとめてあるのですが、欲を言えば、オランダの盛衰をもう少し書いて欲しいです。17世紀に、小さな国土で先進国、大国だったのが、その後追い抜かれて、トップの座から転落しました。その要因を知りたいのです。
その際には、オランダだけでなくイギリスやフランスなど他国や新大陸、植民地についても書かなければならないでしょう。しかし、一国の歴史を、その国内のことだけで記述するには限界があります。「物語オランダの歴史」の限界でしょうか。