小説は、めったに読みません。というより、そんな時間がないのです。時間があれば、ほかのことに使いたい。それに、小説より現実の方がもっと複雑で、奇々怪々で、奥深いのです。小説のように、単純明快には行かないのです。登場人物も、もっと多いです。困ったことも多いです。
といいつつ、エリス・ピーターズの推理小説「修道士カドフェル」シリーズを、4冊ほど読みました。あるところで紹介されていたのと、中世イングランドが舞台なので、興味を持ちました。読み始めると、結構引き込まれますね。推理小説なので筋書きが重要ですが、修道院の情景や夕方の空の描写、若い二人の心の表現など、著者の繊細さも魅力です。もっとも、私はそのようなところはほとんど読み飛ばして、先を追ってしまいます。まだまだ続編を読みたいのですが、ほかの本を読めないので、ひとまず中断します。
1冊目は買ったのですが、2冊目からは図書館で借りました。文庫本なので安いのですが、書斎の本をこれ以上増やしたくないので。「本は図書館で借りて読む」という友人が何人かいます。それぞれけっこうな読書家なのですが、置く場所がないというのが理由です。
別の友人は、退職を機に、本と資料を職場から引き取るため、家の近くにアパートを借りたそうです。うらやましいと思いつつ、我が身を振り返ると、「たぶんその本と資料は、2度と目を通さないだろうなあ」と冷静に想像しました(失礼)。それら資料を基に原稿を書くなら、使うのでしょうが。お互い本好き、捨てられない性分の短所です。
年別アーカイブ:2016年
忙しいことは良いことだ
今週も、忙しい1週間が終わりました。4日しかなかったのに、へとへとです。ところで、昼も忙しいのですが、夜がいけません。さまざまなお誘いの上に、かつての同僚や部下が、「慰労会をしましょう」と声をかけてくれます。「当分埋まっているから駄目や」と返事したら、ある元部下から、次のような返事が来ました。
「了解いたしました。お忙しそうで、安心いたしました。笑」と。私が暇にしている姿を、想像できないそうです。「こら!」
慶應大学、復興5年を振り返るシンポジウム
今日は、慶應大学での「復興リーダー会議シンポジウム」で、話してきました。グローバルセキュリティ研究所は、復興リーダー会議を主催し、国や自治体、企業、大学、NPO等いろいろな組織の人と、勉強や意見交換をしてきました。このような異なるセクターを横断したつながりを、継続的に持つことは、大学ならではの機能です。ありがとうございます。
参加者は、社会を変えたいという意欲に燃えた人たちなので、私も、この5年間何を変えたかったか、何が変わったか、そしてこれから何を期待しているかを中心に話してきました。
職員管理、部下の不祥事
読売新聞7月20日の解説欄「スポーツ選手の賭博 問題点は」、小林至・元福岡ソフトバンクホークス取締役の発言から。
・・・プロ野球選手は球団の従業員ではなく、あくまで個人事業主だ。球団と選手の関係は、雇用契約ではなく請負契約になる。一般企業ですら従業員の私生活に口出ししにくくなっている昨今、球団が選手の生活態度を指導するのは相当難しい・・・
・・・巨人は今年3月、一連の責任を取ってオーナーらが辞任した。多くの人は「当然」と受け止めただろうが、球団と選手の関係を考えると、率直なところ、「そこまでする必要はなかったのではないか」という感想を持っている。
逆に、契約に厳密な米国であれば球団が選手に対して損害賠償を請求してもおかしくない。賭博行為が発覚して出場停止処分を受けたアメリカンフットボール選手に対し、チームが報酬の返還を求めた事例もある・・・
日本航空の副操縦士が泥酔して、飛行機が欠航した事件がありました。これも考えさせられる事案です。
機長と副操縦士が、乗務終了後に飲食店で飲酒し、副操縦士が機長を殴るなどの暴行を加えました。副操縦士が、職務質問中に警察官を平手で殴ったため、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕されました。代わりの人員を手配できなかったため、翌朝の便が欠航になったのです。日本航空は運航規程で、「乗務開始の12時間前以降は飲酒をしてはならない」と定めていて、機長と副操縦士の両方が規程に違反していました。
さらに、問題を起こした副操縦士は、2010年11月にもサンフランシスコで飲酒による問題を起こし、その後「社内管理」及び「断酒」の条件付きで、いわゆる「操縦免許」の一部とも言える航空身体検査証明を受けていました。しかし、その後飲酒を再開し、航空身体検査証明を更新する際も、「断酒を継続している」と、うそをついていたとのことです。
この場合、職員管理に落ち度があり、欠航した会社がお詫びし責任を取るとして、会社はこの副操縦士に対し、損害賠償を求めることはできるのでしょうか。会社は、この副操縦士にだまされていたのですから。
職員が犯罪や不祥事を起こした場合、組織はどこまで責任を負うのか。難しいですよね。「二度とこのようなことを起こさないように、指導して参ります」と、記者会見でお詫びします。努力はしなければならないのですが、根絶は難しいです。大手企業の会社員や公務員だけでなく、人を教える教員も、違法行為を取り締まる警察官も、事件を起こします。このような事件を報道する報道機関の職員も、事件を起こします。
それぞれの組織は、かなりの研修をしています。そして、事件を起こす人も、立派な大人です。どこまでが、組織の責任なのでしょうか。
サイバー消防隊
「CSIRT(シーサート)」って、ご存じですか。別名、サイバー消防隊、コンピュータがサイバー攻撃に遭った際に、被害を食い止める組織です。サイバー攻撃を火災(放火)とみて、それに対する消防隊です。読売新聞7月20日、「被害拡大防止に必要なサイバー消防隊」をお読みください。
標的型サイバー攻撃が、ひどくなっています。大会社も官庁も被害に遭い、大量の情報が流出する事件が起きています。感染を100%防ぐのは、不可能とみられています。次々と新手のウイルスが出てくるのです。すると、放火されたら、なるべく早く消し止め、「延焼」を食い止めることが重要です。公共の消防隊のほか、各事務所も自衛消防隊が必要です。幹部だけでも、職員だけでも、うまくいかなかった例が紹介されています。組織管理者には、必読です。