愛国心、いびつな言説はメディアにも責任、3

「相当な覚悟としたたかさが必要ですね。日本にできますか」という問に。
・・もちろんできます。ここでも現代日本を過小評価してきたメディアの責任は大きい。日本のメディアはあまりに悲観的です。世の中には楽観的な事実も悲観的な事実も無数にある。そこから何を選び、どんな論調をつくるかは、ジャーナリズムの責任です。ひたすら悲観的な論調で日本の世論を暗くし、イメージを傷つけるべきではありません。
社会が暗くなると人々に自虐的な思考が広がる一方、不満をためた人たちは過去の栄光にすがる。日本の良いところをきちんと評価し、健全なプライドをメディアが意識して育てないと、人々はゆがんだプライドを求めるようになります。それが「大東亜戦争」を肯定したり、慰安婦問題で居直ったりという行動につながってしまうのです・・
「しかし現状を肯定するばかりでは、メディアの責任を果たすことはできません」との、記者の反論に対して。
・・権力監視や現状の批判は必要ですが、現在のあまりに硬直的な悲観主義や否定・他罰的傾向を見直してはどうかと言っているのです。それは政府や社会に対してだけでなく、メディア相互の関係でも言えることでしょう。例えば朝日新聞と読売新聞の論調は互いに批判しあう関係ですが、むしろ両者が共有できる部分を大事にするべきでしょう・・
「日本人は健全な愛国心を持てますか」
・・戦後日本の歩みは世界で類をみないほどの成功物語でした。日本にはそれだけの力がある。どんな人間だって「誇り」という形で自分の存在理由を見つけたい。メディアがそれを示し、バランスのとれた議論を展開すれば、日本社会は必ず健全さを取り戻すと信じています・・