数字で見える都市の活力

3月31日の日経新聞特集「グローバルデータマップ」に、世界各都市の空港について、国際線の利用状況比較が載っていました。国際線が飛んでいる先の都市の数、国際旅客者数、総発着回数です。その都市のビジネスや観光の活発さがわかる指標です。
ロンドンは、351都市と結ばれ、年間1億2千万人が利用し、発着回数は110万回です。パリが、255都市、7,100万人、75万回。ニューヨークが、132都市、3,600万人、118万回(ロンドンと発着回数は変わらないのに、なぜか利用者は3分の1以下です)。
それに対し、東京は88都市、3,300万人、56万回です。香港が、138都市、5,300万人、34万回。ソウルが、143都市、3,800万人、37万回。シンガポールが、134都市、4,700万人、31万回です。
もちろん、地理的条件などの要素もあって(ヨーロッパは近くに外国が多い)、それだけで単純に「都市の活発さ」にはなりませんが。東京がアジアのより小さな都市に負けているのは、気になります。
人の動きが、都市の活力や豊かさの指標とは言い切れませんが、重要な指標の一つであることは、間違いありません。国内で言えば、新幹線の通っているところが、経済的豊かさとほぼ重なります。もっとも、新幹線ができたから経済が活性化したという、ニワトリと卵の議論はあります。
しかし、地元の大金持ちが1人や2人いて大散財するのと、域外から観光客やビジネスマンが来て、一晩に2~3万円(宿泊費と飲食費。このほかにお土産)を使ってくれるとしたら、100万人来ることの効果ははるかに大きいです。
そして、もう一つ。域外からの人が来ることは、都市に変化をもたらします。地域が活力を持ち続けるには、カネを生み出すこと、カネを呼び込むことといった経済力と、発展を続けるという革新性、更新力が必要です。