組織の能力、3。「武器」としての商品、予算と権限

組織の能力のうち、前回書いた「仕事の仕方」は、私のライフワークです。古いところでは『明るい係長講座』で、その後も、このホームページで「仕事の仕方」シリーズを書き続けています。
第1回に書いた「職員集め」と「組織編成論」は、被災者生活支援本部復興本部で、実践することができました。そして今の復興庁で、実践中です。
ところで、復興庁は、まさに新しくできた官庁です。それは、次のような意味です。過去にも、いくつか新しい官庁ができましたが、それらは設立母体がありました。消費者庁(内閣府国民生活局)、金融庁(大蔵省銀行局、証券局)、環境庁(厚生省公害部、国立公園部)などです。( )内が、母体となった組織です。もちろん、他の省庁からも参加しましたが、核となる組織がありました。
ところが、被災者支援本部や復興庁は、まさに寄せ集め所帯で出発しました。これは、珍しいケースでしょう。

さて、組織の能力が、極めて明瞭にわかるものがあります。軍隊です。戦争すると、直ちに結果が出ます。相手より強くなければ、負けます。
その差は、兵員の数、訓練による兵士の質、指揮官の指揮能力などです。そして、持っている武器の性能と数も、大きな要素です。
企業なら、武器(道具、手段)に当たるのは、安くて良い商品とサービスでしょうか。行政の場合は、予算や法律などでしょう。
すると、任務にふさわしいだけの、予算や権限が必要になります。責任者としては、それをそろえる必要があります。