国際課税の基準を作る。浅川君の活躍

毎日新聞1月29日オピニオン欄に、浅川雅嗣・OECD租税委員会議長が出ていました。「多国籍企業の租税回避」。
浅川氏は、財務省の総括審議官で、OECD租税委員会議長を兼ねています。OECD租税委員会は、国際課税の基準を作る会議です。彼は、初めての日本人議長です。年に何回かパリで会合を開き、英語で取り仕切っているとのことです。麻生総理に一緒に仕えた、秘書官仲間です。別の秘書官仲間から、「格好良い写真と一緒に出ているよ」と教えてもらいました。
・・OECDが 1961年に発足した当時、企業の所得に対し本国(居住地国)と進出先の国(源泉地国)の二つの政府が課税する二重課税が大きな問題となっていました。OECDはこれまで二重課税の防止を主な目的に掲げ、源泉地国での課税を抑制するルール作りを進めてきました。
しかし、グローバル化の進展により国際課税ルールと企業の経済活動との間でミスマッチが生じています。いずれの国でも課税されずタックスヘイブン(租税回避地)で所得を留保する二重非課税のケースや、税金を支払ってはいても、必ずしも経済活動が行われている国に適正な額を納めていないなどのケースが増えてきたのです・・
・・国際課税ルールは欧米主導で始まり、議長はずっと欧米人でした。今やグローバルな視点が不可欠になっています。例えば、中国やインドというアジアの新興国を排除してOECDだけで議論を進めても物事が進まないので、日本に橋渡しをしてほしいという期待が寄せられていることもあると思います。逆に、新興国にとっても、居住地国か源泉地国かに関わらず、経済活動が行われている国での適切な課税を追求するBEPSの取り組みは、関心が高いのです。
本来課税権は国家主権の基本の一つです。他方で個人・法人の経済活動は国家主権を意識せずボーダーレスな広がりを見せています。この二つのギャップをいかに埋めるか。OECDの本プロジェクトは、グローバルな課税権の調整という大きな課題に向けた、始まりの一歩になるかもしれません・・