才能があり意欲があって、常に上のポストを狙う人にとっては、アメリカ型の雇用制度が良いでしょう。しかし、そうでない普通の人にとっては、日本型雇用制度が安心できます。
ところで日本型では、労働者は職場で、仕事に関する知識と技能を身につけます。会社の方も、将来を見越して、若い職員に技能を身につけさせ、先輩や上司も指導します。大部屋で、皆と一緒に仕事をすることで、学びます。私も、そうして経験と技能を、身につけてきました。正直言って、職場外での研修より、職場での見よう見まねの方が、有用でした。
アメリカ型では、どのようにして、労働者は技能を身につけるのでしょうか。同僚や上司は、最も重要な技能は他人や部下には教えない、教えるとライバルになるから、と聞いたことがあります。すると、自ら技能を磨き、新しいポストに挑戦しない限り、ずーっと同じポストで仕事内容も給料も変わらず、昇進しないことになります。
それに比べると、日本型は、多くの労働者にとって、ありがたい仕組みです。職場で仕事を教えてもらって、技能を身につけ、昇進させてもらえるのですから。