都市の魅力、ニューヨークと東京

12月10日の朝日新聞オピニオン欄、「NYから見る、おもてなし ニューヨーク市観光局CEOに聞く」から。
「ニューヨークには、国外から年1100万人が訪れます。人々が街にもたらすものは何ですか」という問に対して。
・・観光客が市経済に与える影響は巨額です。直接の消費だけで年370億ドル(約3兆8千億円)にもなるし、経済波及効果は550億ドルにもなります。雇用の面では37万人分の職が生み出される。金融産業などと比べると規模は劣りますが、成長スピードは最も速い・・
「東京も日本全体も観光客誘致に力を入れていますが、セールスポイントは何だと思いますか」という問には。
・・私は10回以上、日本を訪れていますが、素晴らしい地域がたくさんある。京都の和風旅館などは、畳の部屋が美しすぎて、快適で外に出たくなくなるほどでした。また東京は信じられないほど活動的でエネルギーに満ちている一方で、その中心に皇居があることに象徴されるように優雅さや美しさも兼ね備えている。まるで二つの世界を持っているようで、非常に興味深い都市です・・
「何度も来るリピーターを作るにはどうしたらいいでしょう」という問には。
・・ニューヨークを例に挙げれば、魅力の一つは、常に変化し続けていることです。美術館は常に新しい展示を試み、ブロードウェーのミュージカルも演目が変わり続ける。レストランやホテルも入れ替わりが激しい。だから、何度もこの街を訪れる多くの人たちがいるのです。
一度は訪れてみたいと思う魅力的な地域は世界各地にある。でも、例えばインドのタージマハルに一度行ったら、頭の中のチェックシートに「済」マークを入れるでしょう。しかし、あなたは決してニューヨークを「済」にはできない・・