美術館のはしご

今日の東京は雨、しかもかなりきつい雨風でした。各地で被害が出ないことを、祈っています。
しかし、行けるときに行っておかないと決心して、上野の博物館へ。傘を差していても、ズボンと靴はズクズクになりました。観客は比較的すいていましたが。
最初は、東京都美術館のターナー展に。光と大気を描いたと言われる、あの霧のかかったような、そして光の魔術というべき表現は独特ですね。当時の美術界から批判を受けたことがわかります。
続いて、国立博物館へ。まず「京都展」で、洛中洛外図屏風を見ました。かつて、岡山の林原美術館でも、いくつか見たのですが。今回は、前期と後期の両方を見ると、現存する洛中洛外図屏風を総べてみることができます。東博も力が入っていますね。
大スクリーンで拡大した説明が、わかりやすかったです。これを見てから実物を見ると、なるほどそうなのかと理解できます。建物がどこを表しているのかだけでなく、描かれた人物が何をしているのかまで。逆に、この説明がないと、「金の雲の間に、お寺と家が並んでいるなあ」くらいしかわかりませんね。しかも実物に書かれた人物は小さくて、よくわからないのです。ビデオの拡大は、威力があります。
黒田日出男さんや今谷明さんの謎解き本を読んで、「そう推理するのか」と感動したことを覚えています。
もう一つの見所は、竜安寺石庭の四季を写したビデオ(リンク先のページの真ん中くらいに出てきます)です。早送りで1年を見せてくれます。雪景色、春の桜、夏の青葉、秋の紅葉。これは感動ものです。単なる早送りでなく、それぞれは現実の早さなのですが、それをつなぎ合わせてあります。でも、それが上手につないであって、不自然ではないのです。「このビデオは販売していますか」と職員に聞いたら、「売っていません」とのこと。売れば、ヒットしますよ。四季を4枚にした絵はがきは売ってましたが。
続いて、東洋館での「上海博物館 中国絵画の至宝」へ。これまた、なかなか見ることのできない超絶技法を見せてもらいました。

アラビア語通訳のいない日本

10月11日朝日新聞オピニオン欄、水谷周さんの「外国人をもてなす、アラビア語の需要に備えよ」から。
・・アラビア語は日本では、特殊語とみなされる。ところが広く国際社会を見渡すと、多くの人が使用する広域言語なのである・・
・・アラブ人でなくてもイスラム教徒(ムスリム)となれば通常、聖典コーランを読むためにアラビア語を習得する。ムスリムはアジアやアフリカ、欧米も含め、世界人口の4分の1になりつつある。英語と匹敵する存在とも言え、国連の6公用語の中でもフランス語やスペイン語などとは比較にならない・・
・・このようなアラビア語の隆盛を前提としたとき、相変わらず特殊語扱いする日本の取り組みの貧弱さが目立つ。アラビア語の授業を行っている大学は40以上あるが、実用段階にいたる程度の指導体制を持っているところは5本の指ほどもない。また筆者の知る限り、日本語との十分な同時通訳者は5人といない。首相の出席する会合でさえ、英語を介しての二重通訳という場面も生じるのである・・
そんなに少ないとは、知りませんでした。

民間人の被災地への派遣斡旋

被災地が必要とする人材を、企業等から現地へ派遣することを支援するために、「WORK FOR 東北」(復興人材プラットフォーム構築事業)を始めています。10月21日には企業向けの説明会を、26日には個人向けの説明会を行います。担当者に聞くと、既にそれぞれ数十社、数十人の申し込みがあるそうです。関心が高いと言うことですね。説明会では、受け入れ側の説明の他、既に現地で活躍している人たちの報告もあります。
職業安定所(ハローワーク)でもなく、民間職業紹介会社でもない、仕組みです。政府と企業、政府と個人との関係について、新しい手法を試みています。

俺たちのつくった首相

10月17日の日経新聞「ニュースな人ひと」は、野田毅・自民党税調会長でした。
・・忘れられない場面がある。1980年代、税調のドンといわれた山中貞則氏が鈴木善幸首相の意向に沿った発言を繰り返した。野田氏が「あなたは首相秘書官か」と反発すると、山中氏は目を見開いて答えた。「お前の言うことは正しい。だがな、これは俺たちのつくった首相の言うことなんだ」。場が静まりかえった。豪快な言動の裏で、山中氏も首相に気を配っていたのだ・・

NPOによる子どもの成長支援

原発事故による長期避難者の方が帰還できるまで待つために、「町外コミュニティ」(公営住宅)の建設を進めています。その際に単に住宅を造るのではなく、入居者が暮らしやすいコミュニティを作る必要があります。復興庁では、関係者の協力を得て、ハード・ソフトの両面でどのようにするかを研究しています(コミュニティ研究会)。
10月15日に開かれた第3回研究会で、避難している子ども達の学びや遊びを支援している活動が、報告されています。
これまでにない、またふだん目に付かない、NPO現場での取り組みです。資料をご覧ください。協力してくださっているNPOの方々に、お礼を申し上げます。