美術館のはしご

今日の東京は雨、しかもかなりきつい雨風でした。各地で被害が出ないことを、祈っています。
しかし、行けるときに行っておかないと決心して、上野の博物館へ。傘を差していても、ズボンと靴はズクズクになりました。観客は比較的すいていましたが。
最初は、東京都美術館のターナー展に。光と大気を描いたと言われる、あの霧のかかったような、そして光の魔術というべき表現は独特ですね。当時の美術界から批判を受けたことがわかります。
続いて、国立博物館へ。まず「京都展」で、洛中洛外図屏風を見ました。かつて、岡山の林原美術館でも、いくつか見たのですが。今回は、前期と後期の両方を見ると、現存する洛中洛外図屏風を総べてみることができます。東博も力が入っていますね。
大スクリーンで拡大した説明が、わかりやすかったです。これを見てから実物を見ると、なるほどそうなのかと理解できます。建物がどこを表しているのかだけでなく、描かれた人物が何をしているのかまで。逆に、この説明がないと、「金の雲の間に、お寺と家が並んでいるなあ」くらいしかわかりませんね。しかも実物に書かれた人物は小さくて、よくわからないのです。ビデオの拡大は、威力があります。
黒田日出男さんや今谷明さんの謎解き本を読んで、「そう推理するのか」と感動したことを覚えています。
もう一つの見所は、竜安寺石庭の四季を写したビデオ(リンク先のページの真ん中くらいに出てきます)です。早送りで1年を見せてくれます。雪景色、春の桜、夏の青葉、秋の紅葉。これは感動ものです。単なる早送りでなく、それぞれは現実の早さなのですが、それをつなぎ合わせてあります。でも、それが上手につないであって、不自然ではないのです。「このビデオは販売していますか」と職員に聞いたら、「売っていません」とのこと。売れば、ヒットしますよ。四季を4枚にした絵はがきは売ってましたが。
続いて、東洋館での「上海博物館 中国絵画の至宝」へ。これまた、なかなか見ることのできない超絶技法を見せてもらいました。