今日は、復興推進委員会のお供をして、福島県の調査に行ってきました。推進委員会は、外部有識者の方からなり、復興の現状を調査して、問題点や課題を指摘してもらうこととしています。今日はまず、福島県庁で、県の取組を聞き、警戒区域が解除された南相馬市、そして飯舘村仮役場に行ってきました。
4月はこれで、合計6日、福島に出張しました。
年別アーカイブ:2012年
災害関連死
男性に多い孤独死
今日4月25日の東京新聞に、「男性に多い孤立、どう防ぐ?」という記事が載っていました。港区政策創造研究所が行った調査(区内の独り暮らしの全男女5,656人を対象)では、急病などの緊急時に支援者がいないのは、女性では15%、男性では29%です。東日本大震災の際に連絡を取り合った相手を訪ねたところ、男性の17%が誰とも連絡を取り合わなかったとのことです。ちなみに女性は3%です、家族や親族との行き来がないは、男性が29%、女性が10%です。近所づきあいが全くないは、男性が13%、女性が5%です。これでは、死んでいても、誰も気づきませんね。
高齢夫婦の場合、夫が死んでも妻は長生きするが、妻が死んだ場合夫とは1年以内に多くが妻を追いかける、と聞いたことがあります。男は弱いですね。
復旧の理想と、現場での突破
今日は、有識者から、復興の進め方について、辛口の提言を頂きました。いくつも有意義な指摘はあったのですが、特に頭に残ったのは、次のようなことです。
・全ての被災地域を同等に進めるより、できるところ・進んだ地区に力を入れて、良い見本をつくってはどうか。すると、他の地域もまねをすることで、全体が進む。
・学者や外部の人が言う「理想的な街作り」は、時に「有害」な場合もある。多くの被災地は、そんな余裕はない。人口減少地域で、役場に余裕の能力がないときに、新しいことは考えるな。「町の未来像」を議論するのはよいが、まずは、復旧だ。
・できるところから働く場を再開せよ。三陸沿岸では、漁業の復旧を優先するべし。水産加工施設とか事業所をかさ上げして、事業を再開せよ。
納得する点が多いです。
スーパーマーケットで考えるマイケル・サンデル
食品の安全を確保するため、食品中の放射性物質の基準が、4月1日から改められました。簡単に言うと、これまで1キログラム当たり500ベクレル以下であったものを、100ベクレル以下にと厳しくしました。すなわち、200ベクレルの魚は、売ってはいけなくなりました。
ところが、より高い安全を売り物にする商店にあっては、国の基準よりさらに厳しい基準で品揃えをしています。たとえば「我が店では、国の基準の半分である50ベクレル以下の商品しか扱いません」と宣伝するのです。
これは、より安心を求める消費者の求めに応じようとするものです。
排気ガスの少ない自動車や消費電力の少ないテレビが、消費者に喜ばれるのと同じです。これはよいことですよね。
ところが、農水産物の場合は、少し事情が異なります。水揚げされた80ベクレルの魚は、スーパーに引き取ってもらえなくなります。水産業としては困るのです。
さて、ここからがマイケル・サンデル教授の出番です。
あなたが、スーパーの店長だとします。あなたの弟が被災地で漁師をしていて、「兄貴、80ベクレルの魚を買ってくれ」と売り込んできたらどうしますか。もちろん、原発事故以前は、その魚を買い付けていました。
さらに、隣のライバル商店が、「国の基準より厳しい自主基準」を売りにしている場合は、どうですか。
(注)大手スーパーのイオンでは、主な食品を50ベクレルとしています。農林水産省では、業者が自主検査する場合も、国の基準に従うことを求めています(平成24年4月20日通知)。