大震災による企業倒産、今回の災害の特徴

10月29日に、帝国データバンク(民間調査会社)が、東日本大震災の影響を受けた企業倒産件数を発表しました。先日、各紙が伝えています。
1年7か月で、1,000件に達し、阪神大震災の同時期(291件)と比べて、約3.4倍の早さになっています。規模がはるかに違うのです。
地域別では、関東が約5割です。また、中部や九州でも件数が多く、大震災が消費や物流に与えた影響がわかります。
直接被害は、85件で約1割です。社屋の倒壊や津波の浸水被害です。残りの9割は間接被害で、買い控えや自粛による売り上げ低下(小売り・サービス業)、物流網の混乱による調達難(建設・製造業)、得意先が被災したことなどです。ここでも、消費や物流(サプライチェーン)への影響が大きいです。今回の災害の特徴が、現れています。
業種別では、旅館・ホテルが最も多いです。これは、観光客、それも全国的な外国人観光客の現象の影響でしょう。次いで内装工事、土木工事、貨物自動車運送が多くなっています。
倒産企業の従業員数は、正規雇用で1.6万人です。非正規を含めると、2.4万人と推計しています。
原発関連倒産は、90件あります。野積みしていた商品が放射能汚染を受けて輸出が減ったこと、停電によって温度管理ができず培養していたキノコの品質が悪化した例もあります。