3日の日経新聞経済教室「07年参院選、何を残したか」は、飯尾潤教授の「政権選択可能な環境作れ」でした。
・・次の総選挙までに解決すべき問題が、少なくとも二つある。一つは、自民党と民主党の双方が、政権公約(マニフェスト)を改善することである・・もう一つの課題は、参院の役割の見直しである。採決になれば多数党の法案がそのまま成立することを前提に審議日程を窮屈にするとか、審議拒否をめぐる駆け引きを繰り広げる「国会日程」と呼ばれる従来型の国会運営では、物事は何も決まらない。多数決だけでなく、話し合いによる妥協といった要素を加味しなければ、衆参ねじれ時代に立法はできない・・
7月30日の東京新聞夕刊文化面は、山口二郎教授の「参院選を読む。シンボルから生活への回帰」でした。
・・今回の選挙は、自民党が陥っている深い矛盾を浮き彫りにした点でも、印象深い。一方で人々は古い自民党を解体してほしいという欲求を持っている。他方で、農家、地方の中小企業主など長年自民党を支えた人々は、地域社会や人間を顧みる温かい政治を取り戻して欲しいと願っている・・
自民党が危機を乗り越えて政権を持続するのか、それとも民主党が政権交代を実現するのかは、現在の自民党が陥っている矛盾を打開する政策を作り出せるかどうかにかかっている。透明性が高く、公正な政治手法を確立しつつ、政策内容としては地方や弱者に適切に配慮するという課題への答えを先に見いだすのはどの党であろうか。