通説による思いこみ

15日の諮問会議、民間ベストプラクティスでの「結果重視」「目標による管理」をめぐっての記者さんとの会話。
全:霞ヶ関に100ほど局があるんだけど、そのうちいくつが予算の獲得と執行を主たる仕事にしているかなあ。
記:予算が主な仕事は、公共事業の国交省と農水省、社会保障の厚労省が代表ですね。それに対し、外務省(ODAを除く)、法務省、経産省だって中小企業庁以外は、アイデアで勝負ですよね。案外少ないのではないですか。
全:そうだよね。総務省の多くの局や内閣府も、予算なんてほとんどない。
記:政・官・業の関係を指して、「鉄のトライアングル」と言いますよね。政が官をして補助金や事業を出させ、受け取り手である業界が政に票と政治献金を出す。でも、そうしてみると、このトライアングルって、霞ヶ関の一部かも知れません。
全:そうだよね。補助金や事業だけでなく、規制という手段もあるけど。鉄のトライアングルは正しい指摘だけど、それがすべての霞ヶ関ではない。しかし、ある部分に貼ったラベルが独り歩きして、僕らもマスコミも、全体がそうだと思いこんでいるのかも知れない。
記:4月4日に発表された「成長力強化への早期実施策」も、予算や金目が主な内容ではなく、もっとソフトな政策や制度などでした。私たち記者も、予算が行政のすべてだと、思いこんでいるのですね。その頭で記事を書いてしまうから。
全:国会の予算委員会って、ほとんど予算は議論していないよ。外交、安全保障、政治のあり方が主だものね。僕の持論だけど、予算が行政だという発想は、発展途上国の思想だね。