神野試案概要

「三位一体改革の検討試案」の概要
1 基本的シナリオ
○ 地方自治体が財政を自己決定できるように、地方税源を充実強化する改革が三位一体改革の軸となるべき。
○ 地域住民の自己決定を強化するという観点から、市町村ベースで人口の50%程度が不交付団体に居住することを目標に税源移譲を実施(現状20%弱)。
2 地方税源充実のための税源配分の抜本的な見直し
○ 地方税は応益原則に基づく租税を中心に構成。
○ 税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系を構築。地方税の課税ベースに相応しいが偏在が大きい租税は、次善の策として地方交付税の対象税目に。
○ 基幹的税目の再配分を基本に地方税源を充実。課税自主権は補助的役割。
○ 個人住民税を比例税率とし、所得税から個人住民税への税源移譲。
国と地方の個人所得課税の配分割合は少なくとも5対5に。
○ 消費税も行政任務に対応し、消費税:地方消費税は少なくとも5対5に。
○ 個別間接税、相続税の税源移譲、地方環境課税の導入を検討。
3 地方交付税制度の改革
○ 地方交付税が地方共同税であることを法律上明確化し、交付税原資を特別会計に直入するとともに、地方交付税の配分に関して地方自治体の意志を反映させる仕組みを強化。
 (実質的な水平的財政調整制度であることを明確化)
○ 課税ベースとしては地方税源に相応しいが、税源の偏在が大きい租税を交付税対象税目に。
○ 交付税財源は国の特定税目との関係で、地方共同税として明示的なルールによって決定される仕組みが基本。あわせて地方税、地方交付税等が地方の行政任務に見合った水準にあることを客観的に確認できる仕組みが必要。
○ 国は地方自治体が標準的な行政水準を確保するための財源保障を行う中央責任を負う。
○ 自主的・主体的な財政運営を促す方向で、交付税の算定方法を見直し。
  (事業費補正、段階補正、課税努力インセンティブの強化)
4 国庫補助負担金制度の見直し
○ 国の関与を廃止・縮減し、歳入・歳出両面で地方自治体の自由度を高める観点。
○ シャウプ勧告の考え方に戻り、国庫負担金を削減の検討対象とする。
○ 義務教育、保育所保育費等の対人社会サービスに係るものは時期を明示して一般財源化。
○ 公共事業関係については、国庫補助負担金及び直轄負担金を原則廃止し、純粋の直轄事業と単独事業に明確に切り分け。
○ 国庫補助負担金の廃止・縮減の基準と各省庁ごとの数値目標を定め、抜本的見直しを図るための具体的計画を策定。