カテゴリーアーカイブ:地方行政

住居表示板の利用

2026年6月9日   岡本全勝

住居表示って、ご存じですよね。土地についている「地番」(不動産の登記)とは違い、建物についてる番号です。例えば「阿佐谷南1丁目15番1号」とです。

1962年に施行された「住居表示に関する法律」で始まりました。それまでは主に地番で、住所を表していました。ところが、土地が分割されると家が番号順に並ばず、一つの土地の上にたくさん住宅が建ったりすると特定できません。困ったのが、郵便配達だったそうです。法律は自治省が作り、現在は総務省が所管しています。
住居表示制度で、便利になりました。街角にある町名の表示板と、各戸につけてある住居番号の表示板で、たどり着くことができます。我が家は、迷惑行為を避けるため表札を出すことをあきらめ、門の郵便受けの横に住居番号板をつけてあります。欧米でも、家に表札はなく、番号がついていますよね。

法律には、住居表示義務の規定があります。
第六条 何人も、住居の表示については、・・・街区符号及び住居番号又は道路の名称及び住居番号を用いるように努めなければならない。

ところが困るのは、住居番号板をつけていない建物があることです。銀座などの繁華街で、指定された飲食店に行く際に、ビルに住居番号板がついていないことがあります。地図を頼りに探すのですが、迷ってしまいます。店の看板は、たくさん大きく出ているのに。
多くの人は、スマートフォンで現在位置と店の位置を表示して、たどり着くのでしょうか。

もう一つ気がついたのは、表示板が日本語表記のみのものが多いことです。銀座などでも、「銀座×丁目」が日本語表記で、その下の「2-2」は数字で表記されている場合があります。これは、外国人は困るでしょうね。
制度をつくったときは、外国人を想定していなかったでしょう。これからは、表示板は日本語と英語の併記が必要です。

地方分権、人口増と減少下での違い

2026年5月27日   岡本全勝

戦後の日本では地方分権が一つの課題でした。それが1990年代に大きく進み、2000年には分権改革一括法が施行されました(第一次分権改革)。国から地方自治体に権限を下ろす、市町村を地域の行政主体とするのです。これは大きな成果でした。他方でその後は、自治体が担いにくい事務について、国が行うこととする「調整」も行われています。大規模災害時での国の役割、災害復旧での国の代行事業など。

ところが、過疎地域での人口減少で、小規模自治体が行政事務を処理できなくなる恐れが出てきました。職員数の減少、定員が充足しないことも、問題を現実化しています。ゴミ処理や消防、介護保険など、市町村が共同で行うことも進んだのですが。新型コロナウイルス対策では、各省から大量の指示・依頼文書が自治体に向けて発出されましたが、小さな自治体ではすべてを処理することは不可能でした。

昭和の市町村合併では、中学校を持つことができるように8千人を目標としました。平成の市町村合併ではそのような人口規模目標を持たなかったので、大きな政令市ができる一方で、小規模自治体が残りました。私は地域の総合行政主体としては、例えば10万人の規模は欲しいと思います。
市町村合併ができないとなると、小規模自治体が処理できない、処理しにくい業務は、近隣の市に委託するか、県が補完するのが代案だと思います。県が補完する案は、第一次分権改革後に、西尾勝先生が私案として出されたのですが、当時は反対論が多かったようです。しかし、人口減少が進み、検討が始まったようです。

祝「自治体のツボ」2500回

2026年5月18日   岡本全勝

このホームページでも、時々紹介している「自治体のツボ」が、2500回を達成したそうです。おめでとうございます。
8年間続いているそうです。表題の通り、毎回、全国の記事をよく調べてあります。かなりの労力が必要だと思います。それだけに、思い入れがあるのでしょう。付録の料理の写真も、興味深いです。カロリー多めと思うのですが。

次の指摘は、同感です。
「最近は残念に思うことが多い。東日本大震災、新型コロナウイルス禍、インフレ増進ときて、地方自治体の自律の動きは鈍くなっている。国との連携・協調、住み分けは大事だが、金も知恵も限られ、地方のお願いモードが目につく。国頼みに屈託がない。」

大阪市の放置自転車・路上喫煙対策

2026年5月14日   岡本全勝

4月25日の日経新聞夕刊に「万博が育むクリーンな大阪 放置自転車・路上喫煙が3割減少」が載っていました。

・・・かつて雑然と街中に自転車が放置され、路上で喫煙する人の姿も珍しくなかった大阪が変わり始めた。契機となったのは2025年の大阪・関西万博。世界を代表するクリーン都市を目指し規制強化に乗り出した官民の取り組みは徐々に実を結びつつあり、開催前後の比較では放置自転車と路上喫煙がいずれも3割減少した・・・

放置自転車については、繁華街での夜間で即時撤去を進めた結果、3割減りました。路上喫煙については、違反した場合の過料を1000円に設定しました。自然体の路上喫煙率が3割低下し、0.15%になったそうです。

ただし、過料の徴収はどの程度行われているのでしょうか。条例で罰則を定めても、実行が伴わないと、無視されてしまいます。
我が家の周辺も路上喫煙禁止区域なのですが(路面に表示があります)、毎日、たばこの吸い殻が捨ててあります。違反を摘発している場面も、見たことがありません。自転車の違反には青切符が着られるようになったとのことです。すると、効き目があるでしょうね。

市道補修を民間に一任

2026年4月17日   岡本全勝

3月31日の日経新聞に「市道補修は民間に「お任せ」新潟県三条市、エリアごとに5年契約」が載っていました。
・・・新潟県三条市は土木部門の人手不足に対処するため、民間への包括委託で発注業務を大幅削減している。簡易な補修などは5年間の長期契約でプロに一任し、市職員の負担軽減とインフラ維持を両立させている。どのように「官民分担」が進んでいるのか、記者が寒さの厳しい同市の現場で探った・・・

通常は、道路など自治体が管理する施設は、自治体職員が現場を確認して、補修工事の範囲などを指示する仕様書を出します。土木業者から見積もりを取って、発注します。
三条市では、市内を4区域に分けインフラの補修や巡回を民間企業に包括委託しています。費用が130万円未満の案件は市が個別に指示せず、受託企業が判断し作業します。背景には、自治体の職員特に技術職員の不足があります。
企業による作業の成果評価をどうするか(作業不足、作業過大など)など課題はあるでしょう。