国際社会での位置と自覚

この1年間、いろいろなことを、考えることができました。あまりに幅広くだったので、うまく整理できていません。それは、世界の中の日本、これからの日本の在り方、政府と社会の関係、政府と市場の関わり方などです。どのような切り口で、分類するのがよいのか。少しずつ書くことで、整理したいと思います。
日本が、世界第2位の経済大国になったのは、1968年(昭和43年)でした。西ドイツを抜いて、アメリカに次ぐ規模になったのです。もっとも、東側ではソ連がいたので、西側で第2位と言った方が正確でしょう。
今年で41年。半世紀とは言いませんが、結構な長さです。この事実を、改めて考えさせられました。
その間、日本人は、世界第2位の経済大国であるということを、自覚していたでしょうか。もちろん、経済の規模で国のありようが決まる。そのようなものでは、ありません。しかし、各国が集まって構成している国際社会では、その「からだ」の大きさにふさわしい立ち居振る舞いが、期待されるのでしょう。
「国際連合への負担金を、たくさん納めていればよい」というものでは、ありません。私が言いたいのは、国際社会での議論、ルールづくり、秩序維持にどれだけ貢献したかです。
日本は、自国の経済発展にのみ専念し、世界への貢献を怠っていたのではないでしょうか。家庭にたとえると、町内会費を納めるが、会合では発言しない、共同作業には出ていかない、といったところでしょうか。少し極端な言い方をしています(この項、続く)。
なお、連載していた「行政構造改革」では、第3章三2「日本の政治は何をしたか、何をしなかったか」(2)「決断する」(2008年10月号)で、国際貢献を取り上げました。今日の議論は、その延長になります。