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一橋大学政策大学院の授業

2006年6月22日   岡本全勝
今日は、大学院の講義第7回でした。全体で14回の予定なので、折り返しまで来ました。だいたい予定通りです。もっとも、私の意図が受講生に伝わっているかどうかが問題ですよね。あさっての3日は、丹波市議会に呼ばれています。土曜の夜に集まってくださるそうです。(6月1日)
一橋大学政策大学院の授業は、第4章官僚制の問題に入りました。(6月8日)
一橋での授業は10回目になりました。概ね順調に進み、一部順調に遅れて、第5章に入りました。現在の行政を対象にしているので、資料や実例が次々と変わります。資料を最新のものにするのが大変です。

法律ができるまで13

2006年6月21日   岡本全勝

今日は、衆議院総務委員会で、総務省所管独立行政法人2つの改正法の採決、引き続いてNHK予算の審議採決が行われました。NHK予算の審議は、NHKの幹部を呼んでの審議です。その模様は、録画で放送されます。
総務委員会は、3月末までに成立させたい日切れ法案を6つ抱えていて、その日程調整が大変です。まず、予算委員会や本会議にへの大臣出席が、優先されます。その次に、衆議院と参議院で大臣の出席の時間を調整しなければなりません。政府としては、ひたすら国会にお願いするしかないのですが。(3月17日)

20日は、国会は「休戦」でした。今日は、参議院総務委員会で、予算の委嘱審査が行われました。これは参議院独自の制度です。一方、衆議院では、予算の分科会というのが行われます。今日は、本会議で義務教育国庫負担法趣旨説明質疑もありました。明日も、衆議院総務委員会で公務員災害補償法の質疑、本会議で行政改革推進法の質疑、参議院総務委員会で総務省所管独立行政法人法の質疑、予算委員会で一般質問と、目白押しです。(3月22日)

23日は、衆議院総務委員会で公務員災害補償法の質疑、本会議で行政改革推進法の質疑、参議院総務委員会で総務省所管独立行政法人法の質疑、予算委員会で一般質問が行われました。24日は、衆議院本会議で公務員災害補償法が可決されました。これで3月末までの日切れ法案は、衆議院を通過しました。来週に、参議院を通過できるように、お願いしています。(3月25日)
27日は、参議院予算委員会で予算を可決、総務委員会で地方税法・交付税法を可決、そしてそれぞれ本会議で成立しました。あと残っている日切れは、公務災害補償法とNHK予算です。28日から、順次審議していただく予定です。(3月27日)

今日29日は、参議院総務委員会で、公務災害補償法が審議採決されました。明日は総務委員会で、NHK予算が審議される予定です。その模様は、夜11時からNHKで録画(編集なし)で放送されます。国会審議がどのようなものか、関心のある方はご覧ください。深夜ですし、全てをご覧になると早朝までかかるので、録画されるのが良いですかね。でも、予算委員会以外でそのまま放映されることって、そうないですから、勉強になると思います。
先日、書くのを忘れましたが、27日に国の予算と一緒に、地方税法・地方交付税法・所得税法改正が成立しました。これで、三位一体改革は、ほぼ法制的に出そろいました。いくつか補助金関係法律が、まだですが。19年度の税源移譲も含めて、制度は準備できました。
一つの区切りがつきました。新聞や関係者はあまり書きませんが、私は大きな区切りだと思います。昔の私の田舎の飛鳥なら、赤飯を炊いて、まんじゅうを配るほどのことですがね。(3月29日)

今日31日に、参議院本会議で公務災害補償法とNHK予算が、可決されました。これで、日切れ法案は、7本全て成立しました。短い期間に、また予算委員会が開かれている間に、これだけの法案を通すことは大変なことなんですよ。関係者のご理解のおかげです。ありがとうございました。残る法案は、9本です。(3月31日)

国会は、衆議院特別委員会で、行政改革関連法案の審議が始まりました。今日は全大臣出席、NHKテレビ入りでした。(4月3日)
6日は、参議院総務委員会で消防組織法改正のお経、衆議院総務委員会で電気通信基盤法改正のお経を読みました。行政改革特別委員会が続いているので、お昼休みにです。(4月6日)
今日は、衆議院行革特別委員会と本会議の合間を縫って、参議院総務委員会で「消防組織法改正」を審議採決してもらいました。消防の広域化を進めるものです。明日は、衆議院総務委員会で「電気通信基盤法延長」を審議していただく予定です。(4月11日)

昨日は、衆議院総務委員会で「電気通信基盤法延長」を審議採決してもらいました。今日は、参議院本会議で、住民基本台帳法の改正が審議されました。閲覧制度を悪用する人がいるので、それを防止するための改正です。このいきさつと意味については、【社会の変化と行政】に書いたとおりです。(4月14日)

今日は、参議院総務委員会で、留学費用償還法が審議採決されました。(4月18日)
衆議院の特別委員会で、行革推進法案が可決されました。明日の本会議で、衆議院を通過する予定です。
明日は、参議院総務委員会では、住民基本台帳法改正のお経読みをした後、現地視察として三鷹市役所を訪問します。また、衆議院では、総務委員会で電子署名認証法改正が審議され、政治倫理と選挙特別委員会で公職選挙法改正のお経を読みます。後者は、去年秋に最高裁判所で違憲判決が出た在外投票についての改正です。法案の概要は、総務省HPをご覧ください。(4月19日)

21日には、衆議院政治倫理と選挙特別委員会で、公職選挙法改正(去年秋に最高裁判所で違憲判決が出た在外投票についての改正)が審議採決されました。(4月22日)
今日は、参議院本会議で行政改革推進法の審議があり、その後、決算委員会と行政監視員会の審議がありました。大臣と副大臣とに手分けして、答弁していただきました。(4月24日)

今日は、衆議院総務委員会(地方自治法改正審議)・決算委員会、参議院総務委員会(住民基本台帳法改正審議)が開かれました。衆議院本会議では、電子認証法改正と公選法改正が可決されました。これだけ審議があって、自治行政局は大変です。もっとも、総務課は毎日、全部局の日程調整、質問取り・割り振り、大臣・副大臣・政務官・局長の出席割り振りを調整しています。これだけの法案と幅広い審議を抱えているのは、全省庁の中で、総務省が一番だと思います。(4月25日)

今日は、参議院特別委員会で、行革推進法が審議に入りました。全大臣出席、NHKの中継付きでした。(4月26日)
今日は、参議院総務委員会で、住民基本台帳法改正が審議可決されました。明日の本会議で、採決される予定です。(4月27日)
今日は、衆議院総務委員会で、地方自治法改正が審議採決されました。収入役廃止やクレジットカードで市役所への支払いができるようにするものです。参議院総務委員会では、電気通信基盤法のお経を読みました。(5月9日)
今日は、参議院総務委員会で電気通信基盤法の質疑採決、衆議院総務委員会で地方公務員共済法の質疑採決がありました。国会の会期も、あと1か月余りです。明日は、参議院本会議で、地方自治法の趣旨説明と質疑があります。(5月16日)
今日は、参議院総務委員会で、公的個人認証法が審議採決されました。衆議院総務委員会は、昨日の医療法の強行採決のあおりで、開かれませんでした。18日の日経新聞夕刊「永田町インサイド」は、「あの法案はいま」として、日の目を見ない法案と、法律が成立するまでの過程を解説していました。(5月18日)

今日、行革推進法が参議院特別委員会で可決されました。衆議院総務委員会は、地方行財政について参考人質疑が行われました。大臣が一日中特別委員会に出席でしたので、他の委員会では大臣を呼んでの法案質疑ができませんでした。(5月25日)
今日は、衆議院総務委員会で官民交流法改正の審議採決、参議院総務委員会で地方自治法改正の審議採決が行われました。(5月30日)
今日は、衆議院総務委員会で消防組織法改正が審議可決されました。(6月1日)
今日は、参議院特別委員会で公職選挙法改正が審議可決されました。これで残る総務省提出法案は、衆議院で2本、参議院で2本です。(6月2日)
今日は、衆議院総務委員会で留学費用返還法が、参議院総務委員会では地方公務員共済法改正が、それぞれ審議採決されました。これで、総務省提出法案は、あと1本ずつです。明日は、衆議院総務委員会が、住民基本台帳法改正に関して、熱海市を視察に行きます。(6月6日)
今日は、衆議院総務委員会で、住民基本台帳法改正が審議可決されました。明日は、参考人質疑とNHK決算が審議されます。(6月8日)

今日、参議院総務委員会で、官民交流法改正が審議可決されました。これで、総務省提出法案はすべて審議が終了しました。明日の本会議で成立する見込みです。明日は、衆議院総務委員会で一般質疑、あさっては参議院総務委員会でNHK決算審議がある予定です。(6月13日)
今朝は8時30分から、参議院総務委員会でNHK決算審議が行われました。衆議院総務委員会は閉会中審査の手続などを行い、これで総務省関係の委員会審議は終了です。(6月15日)

(国会終了)
今日、参議院と衆議院で本会議が開かれ、閉会の手続(閉会中の審査手続など)が行われました。会期は18日までありますが、これで事実上の閉会です。総務省は、提出した15法案とNHK予算などそのほか審査案件のすべてを、処理してもらいました。関係の議員のおかげです。
今日は一日かかって、その先生方にお礼の挨拶に回りました。人数が多いので、結構大変です。議事堂本館や議員会館でお会いするのですが、「まあ、座っていけや」「お茶を飲んでいけ」「今回は・・」「交付税は・・」などなど。ご挨拶だけ、とはいかないのです。うーん、何杯お茶とコーヒーをいただいたか。
夕方、職場でささやかな打ち上げをしました。国会中は徹夜も多く、職員には大変な苦労をさせています。これが150日間続くのです。今朝も、質問趣意書の割り振りで徹夜した職員もいて、打ち上げの途中で「轟沈」(いびきをかいて爆睡)がでました。本当に申し訳ないです。
(変則的勤務時間の職場)
質問通告が遅かったりして、人数を増やしても解決できない、私の側では解決できない部分もあるのです。質問割り振り(どの課が答弁を書くかもめる)でムダな時間を費やすことは、かなり減りました。
割り振りが決まらない質問は、私が書くことにしています。総務課の所掌事務でないことも書くので、岡本課長が勝手なことをすると「困ります」と苦言を呈する部下もいます。が、誰でも書けるような答弁なら早く書いて、職員を一時間でも早く帰宅させてやりたいのです。私は、間違っていないと思うのですが。「次の課長はどうするのですか」との質問があるので、「当分の間、私が総務課長を続けるのだ」と宣言しています(笑い)。
閉会中の審査もありますが、次の国会は9月末からでしょう。明日から、職員にはゆっくりと休みを取ってもらいます。「明日から2日間休むぞ」と宣言した職員もいました(今日は金曜日。笑えない笑いです)。(6月16日)

20日の夜には、各省国会担当者打ち上げ会が開かれました。総理も出席され、ねぎらいの言葉をいただきました。担当者たちは、国会の延長がないことがうれしいです。(2006年6月21日)

地方案の実現度

2006年6月19日   岡本全勝
(平成16年)
平成16年8月に、地方6団体が、政府の依頼により国庫補助負担金の廃止案を提出しました。それに対する各省の対応(回答)と、政府決定を表にしました。この表を見ると、改めて各省の「不熱心さ」、首相指示への抵抗がよく見えますね。
表中「16年度決定分」とは16年中の経過を書いたもので、政府与党合意は17年度と18年度に実行されます。
(平成17年)
また、17年春には、政府は未達成の6,000億円分の案の作成を、再度依頼しました。地方団体は、約1兆円の案をもって、答えました。17年11月の決着は、表の通りです。
なお、17年度決定の各省回答額は、次のような経過をたどりました。
官房長官からの指示に対し、各省の回答(10月17日)はゼロでした。次に、官房長官から各省に割り当て(合計6,300億円)が行われましたが、それに対しては11月14日に289億円の回答、再度の要請に対して11月21日に269億円、25日に620億円の回答がありました。これらの合計は1,178億円ですが、この中には地方案になかった166億円が含まれており、それを除くと地方案に対しては1,012億円の回答となります。
地方6団体は、当初提案した改革案3兆2,282億円に対し、達成したものは3,893億円で12.1%、義務教育を含めると1兆2,393億円で38.4%と計算しています。
表1 補助金の性質別             (単位億円)
平成16年度決定分
平成17年度決定分
 合計   
 地方案 
各省回答
  成果  
 地方案 
各省回答
  成果   
補助金(経常)
5,742
229
980
2,185
421
421
負担金(経常)
6,437
581
1,232
2,584
591
591
施設整備
5,712
0
0
5,203
0
670
公共事業
5,889
0
0
0
0
0
義務教育
8,504
0
8,500
0
0
0
小計
32,284
810
10,711
9,973
1,012
1,682
12,393
国民健康保険
-
-
6,851
平成16年度分
7,093
児童手当など
166
4,862
合計
32,284
810
24,655
9,973
1,178
6,544
31,199
表2 補助金の省庁別
平成16年度決定分
平成17年度決定分
合計
地方案
各省回答
 成果 
地方案
割り当て
各省回答
成果 
内閣府
11
0
0
0
0
総務省
95
95
87
0
10以上
(10)
0
文部科学省
11,458
0
8,707
1,427
170以上
0
170
厚生労働省
9,454
713
876
4,762
5,040以上
109
609
農林水産省
3,089
0
247
359
340以上
(118) 222
222
経済産業省
281
3
126
101
70以上
59
59
国土交通省
6,598
0
641
2,448
620以上
620
620
環境省
1,298
0
27
876
50以上
(38) 2
2
小計
32,284
810
10,711
9,973
6,300以上
1,012
1,682
12,393
国民健康保険
-
-
6,851
平成16年度分
-
-
7,093
介護その他
166
1,479
児童扶養手当
1,805
児童手当
1,578
合計
32,284
810
24,655
9,973
1,178
6,544
31,199
( )書きは、各省回答のうち地方案にないもの。166の内訳。
2006年6月19日訂正
(協力 小椋純一郎事務官、鈴木雄介事務官)

三位一体改革72

2006年6月10日   岡本全勝
23日の日経新聞夕刊「ニュースの理由」では、谷隆徳編集委員が、地方6団体の交付税改革案を解説していました。交付税削減の声に対抗して、改革案を提示しているという点です。(5月23日)
(マスコミ)
昨日、朝日新聞社説「交付税改革、分権進めて『共有税』に」を紹介しました。今日、HPの読者から、お便りをいただきました。「昨日の朝日新聞社説は、地方寄りだけれど、制度の中身を理解したうえでの社説のように感じました。それに比べ、今日23日の読売新聞社説は、制度理解がないまま、財務省の話をそのまま載せたように感じます」。読者にこう読まれるようでは、Y社の社説も・・・。また、振り付けた××省も・・・ですね。新聞がどのようなもであるかといったことが、国民に理解されることは重要なことだと思います。そういえば、Y社は、一昨年昨年に、教育関係者による「国庫負担金がなければ教育が守れない」という趣旨の全面広告を載せた新聞でした。 (5月23日)
24日の読売新聞では、青山彰久記者が「地方が意見提出権行使へ。国の制度改革に参加」を書いておられました。提出権は、地方6団体が、地方自治に影響を及ぼす法律などについて、内閣や国会に意見を提出することができるというものです。12年前に一度使われ、それが前回の分権改革につながりました。(5月24日)
26日に竹中大臣の「地方分権21世紀ビジョン懇談会」が、最終報告書案をまとめたそうです。27日朝の日経新聞は、大きく伝えていました。ただし、日経新聞p3の解説では、交付税の総額は2006年度で14.6兆円、最も多い時期で17兆円余りと書いてあります。????。地方団体に配分される交付税総額は、2006年度は15.9兆円です。最も多かったのは、2000年度の21兆円です。たぶん、日経新聞の記事は、国の予算、しかも一般会計の歳出予算額ではないでしょうか。少なくとも、総務省詰めの記者、地方交付税を知っている記者が書いたようではないようです。あるいは、単純な間違いかもしれません。私が間違っていたら、ごめんなさい。地方財政関係者は、私が指摘なくてもおわかりでしょうが、念のため書いておきます。(5月27日)
28日の日経新聞社説は、「地方の自立につながる行財政改革を」でした。(5月28日)
(進まない改革)
31日の日経新聞地域面に、「知事会議、交付税に沸騰」が載っていました。30日に開かれた全国知事会議で、「知事らが政府主導で進む地方交付税改革論議に対する不満を相次いで表明した」とのことです。何人かの知事の発言内容も、紹介されていました。
(三位一体改革第2期はどうなった)
昨年までの3年間、知事会議は三位一体改革に期待をかけ、攻勢に出ていました。政府からの「補助金廃止案をまとめよ」との試験にも、答えました。それに比べると、今年は全く様変わりです。三位一体改革第2期の見通しも立ちません。なぜ、こうなったのでしょうか。
(地方の意向は)
また、地方交付税は、「地方団体固有の共通財源」とされています。交付税のあり方を議論する際に、地方の意向が反映されてしかるべきです。配分を受ける立場としても、地方団体の意向を聞くべきでしょう。さらに、国と地方は対等の立場になったのです。最近の議論の進み方は、この点から問題があるように思います。(5月31日)
2日の読売新聞「論点」は、麻生全国知事会長の「地方分権改革の行方、安定した交付税に再構築」でした。「地方分権改革はどこへいってしまうのか。政府の経済財政諮問会議で進んでいる『骨太の方針2006』の議論には危機感を抱く。基礎的財政収支を黒字化するための方策、財政の帳尻合わせの議論しか聞こえてこない。分権改革とは、無縁のものになっている」
諮問会議は、平成13年に国の財政再建の議論から始まりました。最初から、国の財政再建のために、公共事業・社会福祉とともに、地方財政・交付税が削減の対象になったのです。それを、補助金改革・税源移譲と「心中」させたのが、片山大臣の「三位一体改革」提案だったのです。この経緯は、「進む三位一体改革ーその評価と課題」をご覧ください。
諮問会議に分権を期待しても、無理があります。地方が圧力をかけない限り、国は動きません。先日も書きましたが、このままでは、三位一体改革は、2006年度は「一休み」になってしまいます。(6月2日)
4日の産経新聞「紙面批評」では、五十嵐敬喜さんが「自治体の多様な事情に視点を」として、「骨太の方針2006」に向けての交付税圧縮議論についての各紙の主張を批評していました。「産経や読売が強調するように、職員厚遇や無駄な公共事業など地方が抱える問題も少なくないが、地方交付税の削減で国が財政再建を果たしたとしても、その結果税収が少ない自治体と財政力のある自治体の格差が広がるのであれば社会は、むしろ不安定になる。地方経費の膨張の背景に、地方団体が国の政策の実行機関として位置づけられてきた構造的な要因があることを踏まえると、国の関与を減らす仕組みづくりが税財政改革の重要な視点だ」
「地方の歳出削減への取り組みぶりに加え、『貧しい地方』が全国水準の行政サービスを維持できなくなっている事例はないのかという点にも留意して改革の現場に関する記事をさらに充実させてほしい」(6月5日)
読売新聞7日夕刊は、次のように伝えています。
「地方6団体代表は7日昼、総務省で竹中総務相と会い、『国と地方の協議の場』の法定化などを求めた『地方分権の推進に関する意見書』を提出した。同日午後、河野衆院議長と扇参院議長にも提出する。内閣と国会に対する意見提出を認めた地方自治法の規定に基づくもので、地方6団体がこの意見提出権を行使したのは、12年ぶり2度目」
この4年間、このような意見書を出さなかったのに、三位一体改革は進みました。なぜ、今、このような行動になるのか。今執筆中の「続・進む三位一体改革」続編(月刊「地方財務」6月末発行号に載る予定)では、なぜ改革は進んだか、なぜ進まないかを解説する予定です。(6月7日)
8日の読売新聞は「分権改革停滞に危機感。地方6団体、12年ぶりに意見書」を大きく伝えていました。「分権改革では、昨年まで政府と地方6団体が進めてきた三位一体改革の後の道筋が定まっていない。一方で、政府・与党が進める歳出・歳入一体改革では、地方財政の歳出削減が大きな焦点となり、国税の一部を地方交付税として地方に配分する割合である『法定率』の引き下げも取りざたされている。地方には『分権改革は置き去りにし、歳出削減を押しつけようとしている』という反発が強い」「6団体は7日、以前から求めていた政府の経済財政諮問会議への出席をようやく実現させた」「日ごろは足並みをそろえる地方6団体と総務省の呼吸も、最近は微妙にズレている」(6月8日)
経済財政諮問会議での地方6団体の主張は、次の通りです。
1 “国から地方へ”の改革に終わりはなく、平成19年度以降もさらなる地方分権改革を行う必要がある。地方六団体は、分権型社会のビジョンとして7つの提言をまとめ、地方自治法に基づき、内閣と国会に対し意見書として提出した。以下のような改革を、パッケージとして実施すべきである。
・「新地方分権推進法」を制定すること
・「国と地方の協議の場」の法定化し、「地方行財政会議」を設置すること
・地方が担う事務と責任に見合う国と地方の税源配分とし、地方税の充実強化により地方の自立を図ること
・ 地方交付税が、地方の固有財源であることを明確にするため「地方共有税」とすること
・地方の改革案を実現し、国庫補助負担金の総件数を半減(一般財源化)すること
2 地方の歳出の大半は、国が法令等によりその実施を義務付けたり、配置基準を設定しているもの、あるいは国庫補助負担金に伴い支出するものである。さらなる歳出削減を進める場合は、国による関与、義務付けの廃止・縮小、国庫補助負担金の廃止、国と地方の二重行政の排除などを推進し、国・地方が一体となって削減努力を行っていくべきである。
3 公営企業金融公庫改革について
公営企業金融公庫の廃止後については“国から地方へ”の流れに沿って、地方自らが主体となる全国ベースの共同法人を設立し、個々の地方団体の資金調達の補完を自律的に行っていきたい。
4 “骨太の方針”の取りまとめに際しては、以上のような地方財政の自立に繋がる改革を盛り込むべきである。平成19年度以降の地方分権改革を進めるため「国と地方の協議の場」を早期に再開することを求める。
(6月9日)
地方6団体から、自治法に基づく国への意見書の提出、経済財政諮問会議への出席と、国と地方の関係を変える動きが続いています。これに関連して、地方自治法の改正を紹介しておきます。
先日成立した地方自治法改正には、国から地方6団体への報提供制度が創設されました。すなわち、国が新たに地方団体に事務や負担を義務づける施策を立案する際には、事前に地方六団体に内容を知らせなければならないことになったのです。これまでも、各省は総務省に協議しなければなりませんでした。また、地方団体には、各省から事前にお知らせすることはありましたが、今回はそれが義務づけられたのです。施行はまだですが、これも一つの前進でしょう。(6月10日)

「テキストブック地方自治」

2006年6月2日   岡本全勝

大阪市立大学の北村亘先生たちが、「テキストブック地方自治」(村松岐夫編、東洋経済新報社)を出版されました。はしがきには、「本書は、地方分権改革以後の地方自治の教科書である。・・この間、地方自治の教科書は、内容を大きく変える必要に迫られていた。しかし、地方分権改革以後、政治、法律、財政をはじめ、多少の個別分野を内容に含んだ地方自治の教科書はない」とあります。どうぞご覧ください。