カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

大震災から引き継ぐもの

2019年3月26日   岡本全勝

今年も3.11の前後は、様々な行事や報道がされました。
ある記者によると「去年より多かったのではないですか」とのこと。指摘されると、そのような気もします。
8年という区切りに、例年と違う要素はないのでしょうが。一つには、平成という時代がまもなく終わることについて、平成を振り返る企画が多いことも、関係しているのかもしれません。

さて、復興状況は紹介したので、少し長い視野で考えてみます。
この大震災の経験から、後世に引き継ぐものは何か。次の3つがあると思います。

1 大震災へ対応する「機能」
阪神・淡路大震災では、政府の初動対応のまずさが、批判されました。その経験から、官邸の危機管理体制、自衛隊をはじめとする緊急出動などが強化されました。東日本大震災では、その訓練が生かされました。
そして今回は、広域の支援、プッシュ型の支援などのほか、借り上げ仮設住宅の活用、全国に避難した人たちへの支援、孤立防止、新しいまちづくり、産業再開支援など、これまでにない暮らしの再建に向けた対応が取られました。NPOや企業による支援もです。
この「機能」を、次の災害に活用するべきです。すでに、熊本地震などでは、活用されています。

2 防災・減災「意識」
国民の防災、減災意識も、重要です。
まずは、逃げる。防潮堤は、すべての津波を防いでくれるわけではありません。
どこに逃げるか、事前考え、訓練しておくこと。数日は生き延びることができるように、生活物資を備蓄しておくことです。
我が身は、自分で守らなければなりません。
この意識を、伝えなければなりません。

3 大震災の「記憶」
災害遺構や、アーカイブ、書物などによって、この災害を語り継いでいかなければなりません。
この地域は、かつて大きな津波災害に遭っています。しかし、時代が経つとともに、忘れ去られていたのです。

災害遺構を残し、この災害を後世に語り継ぐことも重要ですが、私は、上の1と2が重要だと考えています。

復興住宅での介助・共助

2019年3月19日   岡本全勝

日経新聞が、「復興の実像」を連載しています。3月16日は「東北3県、復興住宅の高齢化率42.9% 介助・共助、需要高まる」でした。

住宅が再建されただけでは、暮らしは戻りません。孤立を防ぐために、つながりを取り戻さなければならないのです。
集会所などを作りましたが、それで、つながりが戻ったり、できたりするものではないのです。催し物をしても、参加してもらえないと、効果がありません。

生活支援員の助けを借りて、見回りをしてもらっています。
このような「支援」は、被災地で顕著になりました。しかし、被災地に限らず、多くの地域、特に都会の集合住宅で必要です。

福島県内市町村の復興状況

2019年3月19日   岡本全勝

3月12日の朝日新聞福島県版に、県内被災15市町村長のアンケートが載っていました。15市町村には、津波被災地と原発事故被災地が含まれています。復興完了を100点とした場合の点数が、出ています。

80点が、新地町長、相馬市長、広野町長
70点が、飯舘村長、田村市長、川内村長、
60点が、川俣町長、葛尾村長、楢葉町長
50点が、浪江町長、大熊町長、
30点が、双葉町長、
点数をつけられないが、南相馬市長、富岡町長、いわき市長

復興の進捗状況と、市町村長の思いが表れています。

被災市町村長の復興見通し

2019年3月17日   岡本全勝

3月10日の読売新聞に、被災地42市町村長のアンケートが載っていました。
それによると、岩手、宮城両県では、完了したが2人、1年以内に完了するが4人、2年以内に完了するが15人です。ほとんどの市町村で、あと2年で完了します。3年以内に完了するが2人、それ以上かかるが、宮古市、陸前高田市、石巻市でした。
福島県では、新地町といわき市が2年以内に完了、川内村と広野町が5年以内に完了するでした。その他の原発被災市町村は、5年以上か見通せないでした。

大震災、心の相談

2019年3月16日   岡本全勝

3月9日の読売新聞夕刊「震災8年」に、「心の相談なお2万件」が載っていました。
大災害では、被害の衝撃、肉親の死亡、さらには孤立、孤独など、心の悩みが多くなることが予想されました。そこで、3県に相談窓口「心のケアセンター」を作ってもらいました。国費で支援しています。

記事は、それを紹介するとともに、毎年2万件もの相談が寄せられることが書かれています。岩手、宮城、福島3県の心のケアセンターの相談件数の、グラフがついています。件数が多いこととともに、悩みへの対応が難しいこともあります。相談員の役割が大きいのです。
大震災への対応は、インフラや商店の復興とともに、このような困っている人たちへの対応も重要です。

また、このような被災地だけでなく、社会一般に悩んでいる人がいることから、心の健康相談電話などの役割も大きくなっています。