カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

読売新聞社説、復興庁延長

2019年12月31日   岡本全勝

12月31日の読売新聞社説は「復興庁延長 被災地支える体制確保したい」です。

・・・東日本大震災からの復興は進んだとはいえ、まだ途上である。被災地を支えていく体制の確保が欠かせない。
震災後10年の期間限定で創設された復興庁を、2021年3月以降もさらに10年間存続させる方針が閣議決定された。福島県の支援を主な目的としている。原発事故の被災地の再生に、国が前面に立つのは理解できる。

12年に設置された復興庁は、首相の直轄組織で、各省庁からの出向者ら約500人で構成される。復興政策の立案や関連予算の一括要求を行ってきた。
様々な相談を1か所で受け付ける「ワンストップサービス」は、自治体から評価が高い。被災地の要望をくみ取る機能を果たしてきたと言えよう。
復興庁には、省庁の縦割りの弊害を排し、被災地復興の司令塔としての役割を、引き続きしっかり担ってもらいたい。・・・

・・・近年、全国で地震のほか、台風や豪雨の災害が続いている。復興庁の経験を、様々な被災地の再生に生かすことが求められる。
現在、災害に対する国の政策は、復興庁のほか、内閣府が担当している。内閣府の90人余りの担当者は、南海トラフ地震や首都直下地震などの被害想定や、防災計画の策定を手がけている。
与党内には、東日本大震災に特化した復興庁の延長ではなく、自然災害全般に対応する「防災・復興庁」の創設案もあった・・・
・・・延長5年目の25年度には、政府内で復興庁の組織の在り方が改めて検討される見通しだ。東北3県を中心とする被災地の復興状況を踏まえながら、支援の規模に見合った組織となるよう、適切に見直すことが大切である・・・

令和元年の回顧1、復興

2019年12月28日   岡本全勝

年末になったので、今年も回顧を始めましょう。まず、第1回は、復興についてです。
引き続き、内閣官房参与、福島復興再生総局事務局長として、大震災からの復興に関与しています。

発災から、8年9か月が経ちました。津波被災地では、復興が着実に進んでいます。ほとんどの町で、工事は完了しました。「復興の状況」。避難者の数は、発災直後の47万人(推計)から、4万9千人にまで減りました。そのうち、応急仮設住宅にいる人は、7千人です。「避難者数の推移

原発被災地では、大熊町の一部で避難指示が解除されました。また、双葉町でも3月に一部が解除されます。これで、全町が避難指示区域の町はなくなりました。もっとも、大熊町も双葉町も一部で、多くの区域は立ち入り禁止のままです。双葉町は、まだ住民が住むことは予定されていません。
JR常磐線が、3月に全通します。東京オリンピックの聖火が、Jビレッジから出発します。復興が始まっていることを、全国の人に見ていただきたいです。それがまた、関係者の元気につながります。

先日、「復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針」を決定しました。2021年3月で10年を迎えるので、その次の10年の方針です。
津波被災地は、次の5年間で、残った復興事業が完成します。しかし、原子力被災地は、復興はこれからです。当面、次の10年間、復興を進めます。5年後に状況を見て、事業の見直しを行います。

これまでに、避難指示解除ができるところは、ほぼ解除できました。帰還困難区域の一部に、復興拠点をつくっています。しかし、帰らないと決めている人も多く、これからは、帰還する人の支援とともに、新しい人の呼び込みが必要です。
その2へ続く。

原発処理水、安全と安心と

2019年12月27日   岡本全勝

12月23日に、経産省の委員会が、第一原発で発生し続けている、トリチウム水の処理について、処分方法を2つに絞って提案しました。

事故を起こした第一原発では、地下水が原子炉建屋内に入って、放射能に汚染されます。これが汚染水です。それを機械で処理して、放射性物質を取り除きます。これには成功しているのですが、トリチウムだけが取り除くことができません。
ただし、トリチウム事態は放射能が弱く、環境に大きな影響は与えません。
発生し続けているトリチウムを含んだ処理水は、敷地内のタンクにためています。そのために、タンクを建て増していますが、これも限界が近づきつつあります。
健全な原発でも発生するので、それは海洋に流しています。「わかりやすい解説

この処理水も、科学的な知見では、健全な原発が流している基準、あるいはそれを下回る基準で海に流せば、問題はありません。
しかし、現在議論になっているのは、科学的安全ではなく、社会的安心です。海に流すことで、漁業に風評被害が起きるのではないかというのが、一番の論点です。
繰り返しますが、科学的に安全なのと、社会的に安心なのとは違います。福島産の農産物にも、ごく一部ですが、まだ風評が残っています。丁寧に説明することが必要です。

12月27日の朝日新聞社説「福島の処理水 地元との対話を重ねよ

「新しい東北」復興・創生顕彰

2019年12月26日   岡本全勝

「新しい東北」復興・創生顕彰の選定結果が、発表されました。どのような活動が選ばれているかは、資料を見ていただくとして。
地元では、こんな活動があるのだと、勉強になります。

半島移住女子 ペンターン女子」は、気仙沼市唐桑半島に移住した女性たちの活動です。ペンターンは、ペニンシュラにIターンしたという、造語だそうです。若い女性が増えて、その後続いて男性が来てくれると、うれしいのですが。この発想は、邪道でしょうか。
一般社団法人 ISHINOMAKI 2.0 」は、石巻市を舞台に、さまざまな人たちをつなげ、町を活性化しようとする活動です。一言で、何をやっているか説明しにくいです。

いろんな新しい挑戦がされています。

被災地での手仕事

2019年12月22日   岡本全勝

12月17日の朝日新聞第2東京面に、「被災地の手仕事、どう継続 復興支援の機運薄れ岐路」が載っていました。
・・・東日本大震災の被災地では、住まいや仕事場を失った人々が外からの支援を受けて手がける「手仕事」が生まれた。新たな名産として定着したものもあるが、時とともに「復興支援」の機運が薄れる中で同事業を続けていくか、支援者たちは模索している・・・

小物つくりや、刺繍、セーターの編み物などです。
当初は、仮設住宅で、することがない被災者が、集まって話をする、手を動かすために始まりました。心の支援という意味があったのです。
事業として黒字にならなかったものも多いようです。しかし、心の支援、孤立防止としては、大きな意味がありました。
漁業が復活して、手仕事をしていた人たちが本来の漁業に戻って、手仕事が終わったという例もあります。
事業として継続が困難な場合、どのように続けるかは、難しい問題です。