今日は、日本大学大学院で講義。市役所の組織管理から範囲を広げて、地域の経営さらには社会の経営という視点が必要なことを、論じています。このホームページでも2007年頃書きため、その一部は連載「行政構造改革」に書きました。また、藤田宙靖先生の「近代ドイツ国家学における国家観と、アメリカ社会的考え方の違い」(2010年6月29日の記事)なども。いろんなところで、いろんなことを書いていたので、それらの集大成です。
ところで、授業はあと2回になりました。時間が経つのは、早いですね。
カテゴリー別アーカイブ: 講義など
講義など
地方財政講義補足
学生さんたちへ、授業の補足です。
8日の授業で、地方3公社を簡単に説明しました。9日の朝日新聞1面トップは、「地方公社借金7.6兆円。自治体負担の恐れ」でした。土地開発公社、住宅供給公社、道路公社の抱えている借金と経営の悪化、解散についての記事です。読みましたか。
ただし、公社や会社は借金をして事業を行い、収入でその借金を返済します。借金自体は、悪いことではありません。授業でも説明したように、判断基準は、毎年の経営がうまくいっているか(損益計算書、フロー)、仮に清算するとしたら負債が残るかどうか(貸借対照表、ストック)です。そして経営が悪化した場合、設立母体の自治体が債務保証や損失補償をしていると、自治体に負担が及びます。
2010.12.08
今日は、慶応大学法学部で地方財政の講義。残っていた、地方交付税や地方財政の機能とその成果をお話しし、次に第8章に入って公営企業と第3セクターを説明しました。制度を説明しただけでは、わかりにくでしょうから、地下鉄やバス、上下水道など、具体事例でお話ししました。複式簿記も簡単に説明しました。いろんなサービスを提供していること、そして一般行政部門との違いを理解してもらえれば、成功です。
また、前々回に、国の予算と地方財政計画を講義しましたが、ちょうど今、税制や予算が決まりつつあります。その実況中継と解説をしました。新聞記事を、どう読むかです。
2010.12.04
今日は、日本大学大学院での講義。順調に進んで、第3章「市役所の経営」に入りました。狭い意味での行政経営論です。まず第5章は、「組織管理論から経営論へ」です。従来の「行政管理」から、近年は「行政経営」と、範囲も言葉も拡大しています。たくさんの書物が、出版されています。それらは、各自で読んでもらうとして、私の講義は、それらを全体としてどう位置づけるかです。
民間企業のコーポレート・ガバナンスとの対比、マネージメントとアドミニストレーション、ガバナンスの違い。住民に対する成果と、住民に対する説明責任。明治憲法下での統治と、昭和憲法下でのガバナンスとの違いなど。さらに、市役所の経営だけでなく、地域の経営という視点まで、広げるべきことを論じました。
院生諸氏からも、次々と鋭い見方が指摘され、充実した講義でした。いずれ、この講義も、活字にしなければなりませんね。ところが、講義が順調に進むと、講義ノートと配付資料の準備分がどんどん少なくなり、自転車操業が苦しくなります。将来の話でなく、まずは来週を、乗り切らなければなりません。
2010.12.01
今日は、慶応大学で講義。今回は、地方交付税の機能と仕組みです。私の専門分野です。「資料なし、目をつむってもしゃべれます」といったら、言いすぎですかね(笑い)。30年近く携わっていると、かなり要領よくわかりやすく、お話しできるようになりました。と、本人は思っています。話している途中で、いろんなことを思い出し、脱線したくなるのですが、それは最小限に抑えて。
あることに詳しくなるには、いくつかの段階がありますね。まずは、理解する、解説できるようになる。次に、全体像と細部の両方がわかる、仕組みだけでなく機能を理解する、一般の方にわかりやすく話せるようになる。さらに、限られた時間で解説できる、といったところでしょうか。結論からお話しすることが、短い時間で理解してもらう、一つのコツですね。
今週は、2度も慶応大学に行きました。