カテゴリーアーカイブ:行政

誰でも保育

2023年8月16日   岡本全勝

8月3日の読売新聞都内地域面に「就労問わず定期保育 0~2歳児都が事業 高まるニーズ 受け入れ施設確保課題」が載っていました。

・・・保護者が就労しているかどうかにかかわらず、0~2歳児を保育施設で定期的に預かる都の事業が7月から始まった。保護者や支援団体からは歓迎の声があがるが、就労中の保護者の子どもを優先させたい自治体側の思惑もあり、受け入れ施設の確保が課題になっている。

「1年ぶりに一人でゆっくりとランチができた」。7月中旬、文京区立の認可外保育施設「春日臨時保育所」に次女(1)を預けた育児休業中の女性(41)は、ほっとした表情を見せた。同施設では7月から、1日6人を限度に預かっており、この日は0~1歳児の保護者5人が利用していた。
都が始めた事業は、時間単位で不定期に子どもを預ける一時保育と異なり、曜日を決めて定期的に預けることができる。他の子や保育士ら多くの人と接することで子どもの発育を促しつつ、保護者の負担軽減を図るのが狙いだ。

子育て支援を行う認定NPO法人「フローレンス」(東京)などが昨年3月、全国の未就学児の保護者2000人にアンケートしたところ、子どもを施設に通わせていない保護者の56・4%が定期的な保育サービスの利用を希望したという。

先着順で利用者を募った春日臨時保育所では、受け付け開始10分で最大30人の枠に対して100人以上の申し込みがあり、最終的に179人に達した。文京区の永尾真一・子ども施設担当課長は「潜在的な需要が想定をはるかに上回っていた」と語る。7月上旬に募集を行った中野区でも、2施設計4人の枠に25人の申し込みがあった。
だが、高まる保護者のニーズに、受け入れ側が追いついているとは言いがたい。
都によると、事業を始めた文京、中野区に加え、9区市が都に年度内の事業実施を内々に伝えてきているほか、16区市が導入を検討している。一方、各区市が事業への参加を都に届け出た施設数は、1自治体につき数か所ずつにとどまる・・・

7月16日には「ワンオペ主婦 負担軽減策 モデル事業 「誰でも保育」希望殺到」も載っていました。

孤独感、若い世代で強い

2023年8月15日   岡本全勝

8月2日の日経新聞が「孤独感、30代男性・20代女性で多く 23年厚生労働白書」を伝えていました。

・・・厚生労働省は1日、「つながり・支え合い」をテーマにした2023年の厚生労働白書を公表した。孤独感が「常にある」と評価されたのは30代の男性で10.4%、20代の女性で11.2%で、この年代がそれぞれの性別で最も多かった。60代以降に比べ20〜50代が高く、会社など社会と接点が多いはずの現役世代で孤立感が強くなっている。
調査は「人とのつきあいがないと感じることがありますか」など「孤独」という言葉を用いずに尋ね、点数化した。孤独感が「常にある」「時々ある」との評価になった人は男女ともに20〜50代で5割を超えた。60代以上では30〜40%台にとどまった。

単身世帯の割合は20年に38%と4割に迫る。新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークやオンライン会議などが普及し、対面で接する機会が減少したことも孤独感を増す一因と言えそうだ。
引きこもり状態にある人では約半数が3年以上、20%以上が7年以上、と長期化が深刻になっている。高齢の親と働いていない50代の子が同居し生活困窮に陥るといった「8050問題」も指摘されている。

8050問題のような複数の課題を抱える家族の場合、「生活保護と介護サービス」のように社会保障のいくつかの施策を横断的に講じなければ解決できない。白書ではこれを「制度の狭間にある課題」と指摘し、他にもヤングケアラーやひとり親などを重点支援の対象に挙げた・・・

学力は公立学校でつけるべき

2023年8月13日   岡本全勝

7月29日の朝日新聞オピニオン欄「「公」立て直すには」、小宮位之・NPO法人八王子つばめ塾理事長の発言から。

・・・経済的に厳しい家庭の小学生から高校生に、無料で教える塾を東京都内で開いています。公民館や企業が無償で貸してくれる会議室を借り、講師もボランティアです。
多くの子が塾に行く現状では、塾に行ける経済状態かどうかで格差が生まれます。そのため、行政が企業やNPOに委託して無料塾を手がける取り組みも進んでいます。そうした活動を否定するものではありませんが、僕たちは、行政からの委託や補助は受けず、必要経費は寄付で賄っています。

行政が取り組むべき、もっと優先順位の高い課題があると考えるからです。本来は、公立学校で学力がつくようにするべきで、塾は行きたければ行くというオプションのはずです。行政が無料塾を手がける余裕があるなら、先生やカウンセラーを増やすなど、公立学校の底上げをして欲しい。公立学校を強化すれば、結果的に、塾や私立校に行けない子どもが一番恩恵を受けるでしょう・・・

子どもの時に受けた心の傷

2023年8月10日   岡本全勝

7月28日の朝日新聞夕刊「幼少期のトラウマ、アスリート学生に影 天理大学生相談室・金子栄美さんに聞く」から。これは、運動選手に限ったことではないですよね。

自傷行為に走る、大事な試合で実力が出せない――。そんな状況に陥るスポーツ選手は、子どもの頃に身体的、精神的、性的な暴力を受けたトラウマ体験を抱えていることがあると、研究で指摘されている。アスリート学生の相談を受けてきた天理大学生相談室・金子栄美さんは、その実態を見てきた。アスリートは、暴力や暴言にも耐えるものだという思い込みがあることも感じたという。

カウンセラーで臨床心理士の金子さんのもとには、オーバートレーニング症候群など心身の不調を訴える人から、リラックスしたいという人まで、さまざまな人が訪れる。
相談室を訪れた1人のアスリート学生は、「ベストタイムが切れないんです」。順調に練習を積んでいるにもかかわらず結果が出ない。
カウンセリングをじっくり進めているうちに、小さい頃、親に告げずに外出して、顔を殴られたというトラウマがあることがわかった。本人もこれまで閉じ込めていた記憶だった。このトラウマのケアをしていくと、肩の動きを悪くしていた筋緊張がなくなり、競技でもベストを出すことができたという。

別の学生は、なぜか自分に自信が持てない。周りの人に「それだけ俊敏に動けて、技術もあるのになぜ勝てないのか」といぶかしがられるくらい、あと一歩というところで思い切ったプレーができず勝てなかった。中学生の時、「どうせお前には無理」と指導者に言われ続けたことがトラウマになっていた。
もう1人の学生は、ある時から突然、調子が悪くなり、イライラが募るようになった。家族や周りの人ともちょっとしたことでケンカをするようになった。カウンセリング中に、過去にいじめられたことや指導者の不適切な対応がトラウマ体験となっていたことに気づいた。ケア後、格段に動きが良くなった。急な変化に周りも驚いた。