カテゴリーアーカイブ:行政

IMF、所得税減税の効果疑問視

2024年2月24日   岡本全勝

2月10日の日経新聞が「IMF対日経済審査、所得税減税の効果疑問視」を伝えていました。

・・・国際通貨基金(IMF)は9日、日本政府が6月に実施する所得税と住民税の定額減税について「成長に及ぼす影響は限定的と予想される」との見解を表明した。物価上昇率が日銀目標の2%程度に落ち着くと見込み、大規模な金融緩和を終わらせ、段階的な利上げに踏み切るよう促した。
年に1度の対日経済審査を終え、声明を公表した。
日本の財政政策に関して、厳しい見方を示した。経済が引き続き回復していることから、歳出抑制など引き締め策に軸足を移すべきだと提起した。
なかでも、岸田文雄首相が打ち出した所得税減税は債務状況を悪化させると指摘・・・
このほかにも、補正予算を毎年編成する慣行も、改めるべきだと訴えています。

至極まっとうな議論と思うのですが。
日本人、特に日本の報道機関などは、世界からの評価を気にするのに、このようなことは気に掛けないのですかね。自分に都合のよいことだけ、引用するのでしょうか。

障害児の親への支援

2024年2月21日   岡本全勝

2月5日の日経新聞ダイバーシティ欄に「障害児の親への両立支援に光」という記事が載っていました。

・・・世の中には仕事との両立を阻むハードルが多数存在しているが、これまで支援の網から漏れていた課題にようやく光が当たろうとしている。障害児や医療的ケア児を育てる保護者の両立問題だ。一般的な子育てと違って成長とともに親の負担が軽くなるとは限らず、既存の子育て支援では追いつかない。国が育児・介護休業法改正案に支援拡充を盛り込むなど官民が動き始めた・・・

詳しくは本文を読んでいただくとして。障害を持っていて特別支援学校などに通う児童生徒数は約62万人、全体の6.5%になります。その親の多くは、仕事と子どもの世話を両立させる苦労をしています。他方で、多くの企業は特に配慮していません。

健康な人にとっても、障害は他人事ではなく、誰もが持つ可能性のあることです。これまで、見てみないふりをしていたこと、配慮しなければならないことがたくさんあります。

『市政』2月号「地域でこどもを守り育てる」

2024年2月20日   岡本全勝

全国市長会の機関誌『市政』2月号の特集は、「地域でこどもを守り育てる」です。
こども食堂支援で活躍している湯浅誠さんが、「こども食堂から考える こどもの居場所づくりと行政支援の在り方」を寄稿しておられます。

子ども食堂は、家庭の事情で食事が満足に食べられない子どものために開設されていますが、子どもの居場所つくりというより大きな目的があるようです。そして、子どもだけでなく、年齢を問わない居場所を目指しているところも多いようです。
この特集にもあるように、子どもを孤立させない対策が広まっています。

現代社会の大きな問題である孤独・孤立対策のために、子どもだけでなくすべての世代に対して開かれた居場所が求められています。
そして、居場所という概念にとらわれず、地域のつながりという機能を強くする必要があります。これが、地域の安心を作る次の課題です。

ひきこもる人の心の中

2024年2月20日   岡本全勝

2月2日の朝日新聞夕刊に、池上正樹さんの「ひきこもる人、その心の声は」が載っていました。ひきこもり状態にある人(15~64歳)はいま、全国に146万人います。

ひきこもる人は、いまだに「家族に甘えている」「働かないで楽をしている」と言われることが多いが、「それは全くの誤解。実態はまるで違います」と強調する。
では、ひきこもりとは何か。「過酷な状況を生き延びるための防御反応であり、そんな状況はいつ誰に訪れてもおかしくありません」と語る。
例えば、学校や職場でのいじめやハラスメントで尊厳を傷つけられる。厳しい労働環境で心身の健康を脅かされる。様々な事情が重なり他人が怖くなると、人との関わりを避けざるを得なくなる。「それでも自死を選ぶのではなく、何とか生きようとしている。それがひきこもっている人の心の内です」
そうした実情を踏まえた上で、ひきこもり状態からの回復には何が必要なのか。まずは、傷ついた心と体をじっくりと癒やすことだが、実際は本人や家族は、社会的なプレッシャーにさらされ続けている。
働かないのはいけないこと、親の収入に依存し迷惑をかけている……。何より本人が「ふがいない自分」を責め、苦しい思いで日々を送る。「これではいつまでも気持ちが休まらず回復は遠のく」と指摘する。

取材を続けてきたこの30年近く、ひきこもる人が増え続ける問題に対応できない福祉行政の姿を目の当たりにしてきた。
ほとんどの福祉窓口の職員は傾聴はしてくれる。だが、何をしたらいいかは教えてくれない。職員たちもどうしたらいいか分からない様子だった。親が相談に行くと「本人を連れてきて」と言われることも多い。それができないから苦しんでいる親子をたくさん見てきた。
厚生労働省は09年から、都道府県と政令指定市に、一次的な相談の窓口となる「ひきこもり地域支援センター」を設けた。22年にはそれを拡充し、市町村単位に窓口を置く「ひきこもり支援ステーション」事業などを始めた。だが、全国1724自治体のうち、新たな事業に手を挙げているのは1割強の210余にとどまる。
根拠となる法律がなく、支援するかどうかは自治体の裁量となる。なかには、独自の施策を打ち出す熱心な自治体もある一方、ほとんど関心を示さないところもあり、地域間で格差が大きいのが実態だ。

急速に変化する日本の労働慣行

2024年2月14日   岡本全勝

篠原俊博さん(元総務省行政局審議官、株式会社SHIFTプリンシパル)が、月刊「地方行政」2月号に、「地方公共団体と民間企業の人事管理の比較・考察」を書いています。数ページ読むことができます。

本人の経験を踏まえた、役所と企業との人事管理の違いを考察しています。両方を経験したので、説得力があります。
転職が容易になり、企業の人事管理が急速にジョブ型に転換しつつあることを指摘し、役所の人事管理も変わらざるを得ないと主張しています。人事院や内閣人事局も改革に取り組んでいますが、世間はもっと先を行っているようです。

今ちょうど連載「公共を創る」で、官僚の育成方法を変える必要があることを書いています。大変参考になりました。