今朝の新聞各紙が、大学卒業生の就職率を伝えていました。この春の大学卒業者数は、54万人。うち、就職した人は33万人で、61%です。進学も就職もしなかった人は8.7万人、16%です。大学院などの進学者は7.3万人、13%。アルバイトなど一時的な仕事に就いた人は1.9万人、4%です。
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職場のうつ病
少し古くなりましたが、7月27日の朝日新聞オピニオン欄が、うつ病対策を特集していました。多くの職場で、うつ病は最も大きな問題の一つになっている、のではないでしょうか。私も職場で、部下や同僚がなった経験があります。対処方法は大学では教えてもらわなかったので、人事担当者、先輩、専門家のアドバイスをもらいました。
消防大学校の幹部科には、職場のメンタルヘルスという講義を取り入れ、専門家に講義してもらっています。管理職には、必要不可欠な知識になりました。かつて「心の風邪だ」と聞きましたが、風邪のようには簡単に治らない場合も多いです。
記事によると、うつ病で医療機関に通う人は、躁うつ病なども含めると100万人を超え、ここ10年で倍増しました。病気だという世間の認識が拡がり、治らない患者も増えているからだそうです。生涯で15人に1人がなり、若者の発症割合は12人に1人と高齢者より高いのです。社会的損失は年間2兆円を超えるという試算もあります。しかし、まだ精神科医も少なく、診断基準や治療法も十分でないようです。
うつ病患者が出やすい職場は、あいさつがない、隣同士でもメールでやりとりする、職場を離れた付き合いがないなど、人間関係が疎遠なようです。雰囲気が明るく結束の強い職場ではうつ病になりにくく、業績も上がる傾向にあるとのことです。
自己責任か社会の責任か
田端博邦著『幸せになる資本主義』(2010年、朝日新聞出版)を読みました。この表題だけではわからないのですが、内容は、市場と社会(公共や政府)の関係を論じたものです。それを、自己責任と社会の責任という観点から、分析しています。市場原理を重視すると、自己責任の領域が増えます。しかし、それでは人は生きていけない、幸せになれないことから、公共や政府の役割が重要になります。
市場原理では、失業は個人の責任です。よりよい収入や職業を目指して、各人が努力する。それが、市場を活性化し発展させます。努力しない人は、職につけません。しかし、一定の失業率が発生するなら、全員が努力しても、必ずや失業者が出ます。それは個人の責任とは言えません。マクロ的には、完全雇用を目指して経済政策がとられます。ケインズ政策です。他方、個人に着目すると、失業手当や再就職支援を行います。
それは、所得を十分に得ることができない人たちに対する生活保障(高齢者、障害者)、医療、教育、住宅などの公的保障に広がっています。個人責任だとして放置せず、社会の責任として引き受けるのです。
近代市民社会憲法は、個人の自由・個人の責任という原理から出発しましたが、自由だけでは、実質的な生存の自由を保障できないことがわかったのです。この観点から見ると、近代の歴史は、市場に対し政府が介入を進める過程であり、自立できない個人を国家が救う歴史であり、自己責任から社会の責任へ転換していく歴史です。
近年のネオ・リベラリズムとそれに対する批判、経済の自由主義的改革やグローバル化と金融危機・金融規制は、そのせめぎ合いが現れている局面です。
刑務所出所者の社会復帰
29日の読売新聞に、福島自立更生促進センターが、8月から入所者を受け入れるという記事が載っていました。自立更生促進センターは、刑務所を出所する人たちの社会復帰を支援するための施設です。法務省のホームページには、次のように書かれています。
・・犯罪をして刑務所に入った人も,刑期が終われば必ず社会に帰ってきます。こうした人たちが,二度と犯罪をすることなく,確実に更生することは,社会の安全にとても重要なことです。
ところで,刑務所を出ても,頼るべき親族や知人がなく,仕事もない中で,すぐに自分一人の力で生活しながら更生することは,決して容易なことではありません。こうした人たちを確実に更生できるようにするためには,刑務所からの釈放と同時に国が手を離し,いきなり一人で社会に戻すのではなく,出所後も一定期間,国の専門機関の監督下に置き,犯罪とは縁のない健全な社会生活を送れるよう,指導や援助をしていくことが必要です・・
そして、身元の引き受け手がない仮出所者を受け入れ、就労支援をするのが、この自立促進センターです。再チャレンジ型の社会にするためには、重要な施設です。しかし、施設周辺住民の反対などもあり、なかなか難しいのです。
児童虐待
厚生労働省が、児童虐待の件数などを発表しました。昨年度、全国の児童相談所が対応をした児童虐待の件数は、4万4千件と過去最多になりました。この件数は、10年ほど前から急増し、児童虐待防止法が施行された平成12年度のおよそ2.5倍に増加しました。虐待を受けて死亡した子どもは64件で67人です。何とも、痛ましいことです。