2月10日の政務三役の発令手続は、参考になると思うので、紹介しておきます。
朝の閣議後、平野復興担当・防災大臣に、総理から復興大臣の補職辞令が渡されました。平野大臣は既に大臣になる際に、陛下から「大臣」としての認証を受けているので、認証式は不要です。担当が変わる辞令をもらいます。他方、中川大臣(防災担当)は、宮中で認証式を経なければ大臣にならないので、夕刻それを経た後、官邸で総理から補職辞令をもらいました。
同じく朝の閣議後、3人の政務官に、総理から復興大臣政務官の併任発令がされました。復興庁には専任の政務官がいないので、他の省の政務官に兼務してもらいます。その後、復興大臣から、それぞれの政務官に「岩手復興局担当」などの指示書が渡されました。
復興副大臣には、松下経産副大臣と末松総理補佐官が就任しました。松下副大臣は既に副大臣ですが、副大臣の場合は、認証の内容が「××副大臣」となっているので、横滑りの場合も、認証式が必要です。その代わり、総理からの補職辞令が不要です。
また、新内閣が発足したり、内閣改造がされる場合は、官邸の階段でそろって記念撮影がありますが、少人数の場合は総理との写真撮影になります。
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政権交代のルールづくり
2月11日の朝日新聞政治欄に、「2008年度決算やっと議決」という記事が載っていました。
・・国会の混乱でたなざらしだった2008年度決算が、14日の参院決算委員会でやっと議決される・・2008年度決算は福田、麻生両政権で予算編成・執行され、政権交代後の2009年11月、鳩山政権で国会に提出された。
2010年の通常国会で審議し、議決されるはずだったが、鳩山前首相が辞任し、審議は打ち切り。昨秋の臨時国会でも閣僚の問責決議が可決され、審議が止まった。民主が「自公政権の予算に反対したから、決算も反対」との姿勢だったことも影響した。
そこで与野党の理事が海外の事例を取り寄せ、対応を検討。自民は「政権交代のたびに同じ問題が起きる。前例をつくろう」と主張。民主も将来の政権交代を見据え、「予算の執行が適法なら決算を認める」と合意した・・
こんなところでも、政権交代による民主主義の成熟が進んだのですね。
アンケートの成果
内閣支持率や政党支持率の世論調査から始まって、行政機関の施策やサービスに関するアンケート、さらには商品の評価まで、アンケートや世論調査は大はやりです。関係者はその結果に一喜一憂し、さらに評論家はその結果にいろいろな理由と予測を述べます。もちろん、国民や市民また顧客の評価を調べることは、重要なことです。ところが、時々「???」と思うこともあります。
一つは、ある施策やサービスについて問う場合に、その調査結果をどのように使うかです。調査結果が次の改善に結びつかないと、調査のしっぱなしでは意味がありません。100%良い評価がでているのなら、改善しなくて良いのでしょうが、そのような結果が出るのは珍しいでしょう。
より良いサービスを目指して利用者や顧客の意見を聞くのなら、どの点がどのように悪いかを聞かなければなりません。また、次の改善につながるような質問と回答にしておかないと、単に「ダメ」といった回答では、次の改善に反映できません。
「利用料はもっと安い方が良いですか」と聞き、別に「サービスはもっとたくさんして欲しいですか」と聞いていては、利用者は両方に「ハイ」と答えるでしょう。でも、予算が限られている時に、それでは次にどうしたらよいかわかりません。
もう一つは、政党支持率などの世論調査結果の意味づけです。仮にA党の支持率も大きく過半数を下回り、B党の支持率も同程度、そのほかの党はもっと低いというような結果が出たとします。最近のマスメディアの調査結果は、このようなものが多いですが。
ある人が、これについて、次のように指摘していました。「それは調査結果として事実だけど、じゃあどうするの?」「このような調査は好き嫌いを聞いているのと同じであって、日本の政治をどうしようという、建設的な問ではないね」「これもダメ、あれもダメと言っていては、前に進まない。代案のあるような調査にしないと、批判だけだと進歩はないよ」と。
生涯を通じた切れ目のない安心保障
連載『社会のリスクの変化と行政の役割』では、災害や事故だけでなく、暮らしのリスクや社会とのつながりのリスクも取り上げています。24日の菅総理大臣の施政方針演説で、1年半前の「安心社会実現会議」に言及されていました。安心社会実現会議は、麻生政権の時に作られた会議で、「安心と活力の日本へ」という報告書をまとめました。委員には、宮本太郎北大教授らが入っておられました。
報告のポイントは、安心の中心には雇用があり、その回りに、子育て、教育、健康、老後があるというものです。そして、安心社会の実現のためには、高齢者支援を引き続き重視しつつも、若者・現役世代支援も併せて強化しながら、全生涯、全世代を通じての「切れ目のない安心保障」を構築することが求められる、と提言しています。
市民の協力によるコスト削減
大学院の公共経営論で、「大きな政府・小さな政府」を話しました。論点はいくつもあるのですが、今日紹介するのは、市役所の窓口サービスについてです。これまで私たちは、より手厚いサービスを、そして最近ではより安いコストで提供することを目指してきました。
数年前、ある議員にお叱りを受けました。次のような話しです。
議員:岡本さん、市役所に行ったら、朝の忙しい時間だったけど、待たずに窓口で対応してもらったよ。
全:それは、サービスが良かったですね。褒めてやってください。
議員:違う。あれではダメだよ。
全:???
議員:今どき、銀行でも番号札を取って待つ。待たなくても良い窓口は、職員が多すぎるということだ。少しくらい待ってもらって、良いじゃないか。
全:おっしゃる通りです。
このような意識が広がってくれると、行政もやり易く、コスト削減もできます。市民が行政コストを意識し、それは自分の税金で行われているのだと考えてくれれば。
市民による行政への協力の例に、ごみ出しがあります。毎日、分別せずにごみを出すと、便利でしょう。しかし、毎日集めるコストや、集めてから分別するコストを考えると、市民の協力は大きな費用削減になっています。一方で、急ぎでないのに、救急車を呼ぶ人がいます。それは、市民の負担になっています。余計な負担をさせられる人からは、批判が出るでしょう。
道路を清掃したり、花壇を手入れする例を取り上げましょう。市役所が直営する場合、民間委託をして経費削減する場合。さらに、町内会にお願いする場合、住民がそれぞれ家の前をきれいにする場合があります。不満を言っておればよい立場から、自ら汗を流す立場へです。