日経新聞6月8日の経済教室、田中直毅さんの「永田町も『失われた20年』」から。
・・鳩山由紀夫政権は、わずか8か月余りで終わった。その原因は、野党時代の民主党が「鍛えられていなかった」ことにつきる。日本では欧米と異なり、野党の政策提言能力を鍛えることを通じて政府に緊張感を抱かせ、民主主義の政治空間を活性化させるという手法が根付いていなかった。そして鍛えられていない野党が政権を奪取した結果、一国の政権という「重さ」に耐えきれなかったのである・・
・・「野党を鍛える」開かれた言論空間をつくりあげるうえで、学界や政策研究集団に大きな欠陥があったという問題もある。自民党と社会党が日本の政治を代表した、いわいる55年体制においては、政権交代が現実的なテーマではなかった。そのため、野党を鍛える言論空間の意味は乏しかったのかもしれない・・
・・この状況からの脱却には、学界にも言論界にも、相応の責任があるといわねばならない。今後は学界・言論界が野党の議員や政策スタッフも巻き込んで、公共空間を通じた政策形成過程を具体的に提示し続けなければならない・・
「行政」カテゴリーアーカイブ
行政
リスクを取らずに成果を得る?
佐々木先生・ポスト資本主義社会
続・若者の自立支援
先日、若者サポートステーションが増えていることを紹介しました。昨日は、NHKニュースが引きこもり家庭の苦しみを、取り上げていました。今日は、この問題の取り扱った資料を紹介します。
フリーターとニートについては、「青少年白書」が、まとめています。それによると、10代の雇用者は7割が非正規雇用です。就職後3年のうちに、中学校卒業者では就職者全体の3人に2人が、高等学校卒業者では半数が、大学卒業者では3人に1人が離職しています。フリーターは170万人、ニートは64万人います(概要版第3章)。
引きこもりについては、内閣府が行った公開講座「ひきこもりを考える」の資料が、役に立ちます。推計では25万人程度です。
まだ、政府や自治体の取り組みは始まったばかりです。政治家や国民にも、十分に理解されていません。しかし、これら社会関係問題は、今後、自治体の大きな仕事になるでしょう。そしてこれらの課題は、お金を配ったりコンクリートがあれば解決できる問題ではないので、行政にとって難しい課題です。
地方自治体での犯罪被害者対策
内閣府が、犯罪被害者等施策に関する調査報告書を公表しました。今回は、地方公共団体での取り組みについての調査です。犯罪被害者等基本法は、2004年にできました。そこでは、国とともに地方自治体にも、相談、医療や福祉サービスの提供、安全と居住の確保などの責務が、書かれています。被害者への支えは、国ではできないのです。
その結果は本文を見ていただくとして、概要は本文「4」に載っています。担当窓口は、県や政令市では置かれていますが、その他の市町村ではまだです。条例を制定しているのは18県、135市区町村にとどまっています。
私はこの施策を、社会の新しいリスクであり、行政の新しい課題であると位置付けています。しかし、まだ、自治体や住民には認知されていないようです。