カテゴリーアーカイブ:行政

国家警察

2021年7月12日   岡本全勝

6月25日の朝日新聞に「警察庁、対サイバー体制強化 局新設方針 自ら捜査へ直轄隊」が載っていました。
・・・警察庁は24日、サイバー攻撃やサイバー犯罪に対処する体制を強化するため、関係の部門を集約した「サイバー局」を新たに設ける組織改編の構想をまとめた。警察庁が直接捜査する「サイバー直轄隊」も設置する方針で、捜査権限は都道府県警が持つという従来の警察のあり方から踏みだすことになる・・・

日本の国家警察(国家公安員会、警察庁)は、実働(捜査や逮捕をする)部隊を持たない警察です。警察活動の権限は都道府県警が持ち、警察庁は都道府県警を指揮監督するとされています。皇宮警察は例外です。
戦前は、警察は内務省の組織で、国家警察でした。戦後の改革で、市町村警察になり、その後に都道府県警察になりました。国には国家公安員会とその特別の機関である警察庁がありますが、部隊を持っていません。

戦前の反省で、国家警察が実働部隊を持たないようにしたのでしょうが、欠点もあります。総理や大臣の警護を、東京都の公安委員会(警視庁)が行っています。東京都の外に出ても、警視庁の警護官が同行し、現地の警察と協働で警護するのです。国外に行くときも同行します。
各県警の幹部は国家公務員で、その多くは警察庁からの出向です。自治体の幹部が国家公務員というのは、現在の国と地方の役割分担(分権)の中で、たぶん唯一だと思います。

都道府県をまたがるような犯罪は、各県警が連携を取れば対応できます。しかし、サイバー犯罪のように、犯人の場所が特定しにくい犯罪、国外からの犯罪には、各県警では限界があります。あの連邦制のアメリカでも、連邦捜査局FBIがあります。イギリス警察も、近年改革があったようです。

 

ふくしま12市町村移住支援センター

2021年7月11日   岡本全勝

福島県12市町村への移住・定住を促進するため、福島県は、ふくしま12市町村移住支援センターを設置しました。開所式
センター長には、藤沢烈さんが就任しました。よい人事ですね。行政と非営利団体(関係者)とが、協働する時代が来ました。

藤沢烈さんの「あいさつ」から。
・・・東日本大震災から10年が経ちました。原発事故からの避難地域12市町村では、少しずつ帰還が進んでいます。復興に向けた最大の課題の1つが、「地域の担い手」にこの地域に来て頂くことです。12市町村による移住の取組を支え、全国の皆さまに移住の情報を伝えることを目指し、「ふくしま12市町村移住支援センター」を開設しました。

移住を考える皆様には、「仕事」「生活」「制度」の三つの情報をお伝えしていきます。福島復興にむけて多様な仕事が生まれており、移住者の皆様への住宅と生活サービスも整いつつあります。こうした情報をお伝えするウェブサイトと相談窓口を運営していきます。

12市町村での復興と移住が進むためには、何より地域の皆さまの支えが欠かせません。帰還された方、そうでない方、先に移住された方が力を合わせて復興に取り組まれてきており、皆さまの支えによって移住者が地域の担い手になることができます。センターは、福島に関わる全ての皆さまに感謝の念をもち、12市町村の魅力を伝えていきます・・・

廃炉法制定を

2021年7月8日   岡本全勝

7月8日の日経新聞「私見卓見」に、尾松亮・東洋大学国際共生社会研究センター客員研究員が「福島第1原発に「廃炉法」制定を」書いておられました。

・・・東京電力福島第1原子力発電所の廃炉には「30~40年かかる」といわれ、東電と政府の工程表は2051年までの終了を目指している。しかし「どんな状態を達成したら廃炉が完了なのか」を定めた法律がなければ、住民の安全は担保できない。福島第1原発の廃炉にかかわる立法措置を訴えたい。
日本には事故を起こした原発について廃炉の完了要件を定めた法律がない。つまり政府・東電は51年になれば、福島第1原発の状態にかかわらず廃炉の終了宣言を出すことができる。さらに廃炉工程の安全性を定めた法律もないため、危険な作業の強行も可能だ。
1979年に事故を起こした米スリーマイル島原発や86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発では、廃炉完了にの要件を法律や規則で定めていることを知ってほしい・・・

私も、その趣旨を含んだ提案をしています。「提言、原発事故復興基本法案

報道機関に少ない女性

2021年7月6日   岡本全勝

7月2日の朝日新聞文化欄に、「メディア、まだまだ少ない女性 編集トップ、海外22%・日本0%」という記事が載っていました。表もついています

・・・日本民間放送労働組合連合会(民放労連)が5月に発表した調査では、全国の民放127社の役員1797人のうち、女性は40人(2・2%)。91社は全員男性だった。民放労連の50代男性は「視聴者の半分は女性なのにバランスを欠いている」と語る。
朝日新聞が在京民放キー局5局とNHKに取材したところ、4月時点の各局の全社員・職員のうち女性は21~27%。だが6月末時点の役員(NHKは理事以上)で、女性が1割を超えたのは2社だった。

全国紙5社は全社員のうち女性は18~27%なのに対し、役員は3社がゼロだった。
役員に占める女性の割合は放送局では5・7%、全国紙5社では4・9%。上場企業の平均6・2%(東洋経済新報社・役員四季報データベース、2020年7月時点)を下回る。

また、テレビでは制作局長や報道局長、新聞では全社的な編集局長やゼネラルエディターといった、番組や報道、編集全体を統括する全社的な責任者は、テレビ・新聞とも全員男性だった。英国の研究機関、ロイター・インスティチュートが今年3月に発表した報告でも、日本を含む主要12カ国・地域のメディア(ラジオやオンラインも含む)240媒体の編集トップ180人の女性率は22%だった一方、日本は0%。海外と比べても日本の少なさが目立つ・・・

出口を考える総理と政治家

2021年7月6日   岡本全勝

朝日新聞ウエッブニュース、アナザーノート、「麻生太郎が頼ったあの男 コロナ対策と出口戦略」(7月4日掲載)

・・・13年前の12月、麻生政権を党側から支えていた園田さんの地元に、麻生首相が足を運びました。現職首相として、極めて異例の訪問です。市内のホテルで予定の日程をこなす合間、麻生首相は一室に園田さんを招き入れます。そそくさと後を追おうとする秘書官を追い払い、政治家同士だけの場を作る首相。私はその瞬間を目撃し、一体何が起きているのだろうと思いました。

のちに園田さん本人から聞いてわかったのですが、ここで麻生首相は、雇用対策を含む緊急経済対策をとりまとめるよう指示したのです。リーマン直後に首相の座に就いた麻生さんにとって、この経済対策の成否は政権の命運を左右しかねないものでした。
ただ、園田さんは党幹部とはいえ、いわゆる三役の一人である政調会長ではありません。格下の部下の地元までわざわざ行って指示を出す。そんな麻生首相の熱意に奮起した園田さんは早速、盟友の与謝野馨経済財政相(のち財務相も兼務)と連携し、「タマ込め」を始めます。そして翌年、巨額の新規国債発行を含む大型補正などの経済対策へとつながりました・・・

・・・実は麻生、園田コンビの政策づくりの話は、これだけで終わりませんでした。この年の12月、もうひとつ山場がありました。社会保障政策の財源をめぐる自民党と公明党のつばぜり合いです。当時、社会保障と税財政改革の全体像を示す「中期プログラム」の閣議決定を、政府・与党はめざしていました。少子高齢化が進んで社会保障政策にかかる経費は増大し、財源をどうするかは今も頭の痛い問題です。
麻生内閣は中期プログラムで、消費税を含む税制の抜本改革を11年度から実施できるよう取り組むと明記。衆院議員の任期が1年を切るなか、消費増税時期を明記するのに難色を示した公明を、麻生首相の意向で押し切り、「増税感」を強くにじませました。これは公明との交渉の前面に立った園田さんが、着地点を探った結果でもありました。
私は当時、園田さんに尋ねました。「リーマン・ショックで財政出動が必要なのに、増税の道筋も示したらブレーキを踏むことになりませんか」。園田さんはこう答えました。「馬鹿だなあ。出口を考えるのが政治ってもんだ」・・・

ぜひ原文を全てお読みください。ところで、ここに出てくる秘書官は、私でしょうね。