カテゴリーアーカイブ:行政

福島県川内村

2022年11月21日   岡本全勝

11月20日朝8時からのNHK小さな旅は、福島県川内村でした。
・・・阿武隈山地の森が蓄えた水が流れる福島県川内村。原発事故からもうすぐ12年、一時は全村避難を余儀なくされたが、暮らしを取り戻しつつある・・・

私も何度も訪れましたが、阿武隈高地にある静かできれいな山村です。原発事故による全村避難から帰還して、元の暮らしを取り戻しつつあります。現在行くと、被害があったことはまったく分かりません。このような番組で取り上げてもらうと、よい広報になります。
見逃し配信や再放送(11月24日11:05から)もあります。ご関心ある方はぜひご覧ください。

補正予算額30兆円はトヨタ自動車の売上額と同じ

2022年11月18日   岡本全勝

11月9日の朝日新聞夕刊に、千葉卓朗記者の「補正予算「30兆円超」 政治家の金銭感覚の先に」が載っていました。40歳を過ぎて経済部から政治部に配属された記者の感覚とのことです。「困る政治主導」の続きになります。

・・・だから、消費者物価の上昇率が3%の今の日本で「時給1兆円」というセリフを自民党幹部が口にしたと聞いた時、面食らった。10月下旬、物価高などに対応する政府の総合経済対策の予算規模をめぐり、数時間で4兆円上積みさせた成果を自賛した発言だ・・・
・・・ 30兆円といえば、私が経済部で担当したトヨタ自動車の売上高31兆円(22年3月期)と同じ規模。徹底したコスト削減と地域密着の販売努力を続け、世界中で車を1千万台近く売ってやっと得られる金額だ。従来、経済対策の相場は数兆円とされる中で30兆円を平然と求める感覚は、タガが外れていないだろうか・・・

新設官庁での民間人登用

2022年11月17日   岡本全勝

11月7日の日経新聞「My Purpose 政治を「じぶんごと」に」は、「令和生まれの官庁 新しい課題「解決型」で挑む」でした。
・・・デジタル庁、こども家庭庁、内閣感染症危機管理統括庁(仮称)――。元号が令和になって以降、新しい官庁の発足が相次ぐ。具体的な問題の解決を掲げた「ミッション志向」は、そこに活躍の場を見いだそうとする民間人材を引き寄せている・・・
内閣官房こども家庭庁設立準備室で参事官補佐を務める花房さんは保育大手ポピンズで働いていて、職員公募に手を上げて採用されました。総務省からデジタル庁立ち上げに関わった後、企業に転じた例も取り上げられています。

ここに見ることができるのは、職員の官民交流とともに、新官庁での民間出身者の採用です。デジタル庁、子ども家庭庁などは、明確な任務を持った組織です。そこでは、途中採用の人も明確な役割を与えられ、自分のしたいことやできることが明確でしょう。だから、転職しやすいと思います。
他方で、伝統的官庁での、職員の頻繁な人事異動、専門家を育てず何でもできる幹部を養成する仕組みが、技能を身に付けにくい、働きがいのない職場をつくっています。

そして、このような任務が明確な官庁がつくられることには、従来型の役所の分割が限界に来ているようにも思えます。先に「子ども政策、先行く自治体」で書いたことです。

子ども政策、先行く自治体

2022年11月16日   岡本全勝

11月2日の日経新聞夕刊1面に「子ども政策、先行く自治体」が載っていました。
・・・子ども政策に関わる部署を一元化する自治体が目立ってきた。東京都や大阪府箕面市などが国に先行して着手。子育てや福祉、教育などそれぞれ個別に進めていた支援策の連携を深める。縦割りで分散していたデータを有効活用したり、当事者の子ども自身の声を取り入れたりして、課題の早期把握・解決を目指す・・・

明治以来、日本の行政は、産業振興、公共サービス充実、インフラ整備を主たる任務とし、その際には供給者育成という手法をとりました。企業だけでなく学校も病院もです。それは効率的だったのですが、消費者や生活者からの視点は落ちていました。
サービス充実という任務を達成した時に見えてきたのは、そこから漏れ落ちた人とその人たちからの視点です。それが、縦割り行政とともに、機能不全を生んでいます。私が、「生活者省構想」を主張しているゆえんです。

自治体のこのような試みは、現場での課題に対応する動きであるとともに、国の省庁に従って縦割りになっている(時に、下請けになっている)自治体内の組織と任務を見直す、よいきっかけだと思います。

台湾防衛、日本の役割

2022年11月9日   岡本全勝

10月28日の読売新聞解説欄、ジョセフ・ナイ氏の「台湾防衛 日米の意思示せ」から。

・・・私が日本に来たのは3年ぶりですが、前回は人に会っても台湾が話題に上ることは少なかった。それが今回、誰もがこぞって、台湾について議論していたのが印象的でした。台湾が有事になれば日本も影響を免れない、という認識が広まっているようです。それなら日本も、台湾を守る勢力の一角であることを中国に対して明確にしておくべきです。日台の関係強化が、中国の行動を抑止する一助になると考えるゆえんです。

台湾防衛という場合、中国軍による本格上陸作戦を警戒するだけでは不十分です。本格侵攻が難しいと判断すれば、海上封鎖やミサイル実射演習を繰り返すなどして台湾の貿易活動を妨害することも考えられます。そうした、実戦に至らない「グレーゾーン」の行動も認めない、という意思を中国に伝えることが重要です。例えば、海上封鎖に対抗するため台湾の港湾に艦船を派遣したり、船舶を護衛させたりすることも必要になるかもしれません。

一方で、台湾に対して、「正式な独立に踏み切ることは認めない」というメッセージを送り続けることも重要です。
72年のニクソン米大統領訪中以来続く米国の「一つの中国」政策は、「二重の抑止」とも言えます。中国の台湾武力侵攻は許さないが、台湾の独立宣言は中国をむやみに刺激するものであり、支持しない。バイデン大統領が度々、「中国の侵攻があれば米軍が対応する」と述べているのは前者に力点を置く発言ですが、ホワイトハウスがその都度、「『一つの中国』政策に変更はない」と説明しているのは、「台湾の独立も認めない」というメッセージなのです。台湾の 蔡英文 総統はそれをよく理解し、過去の政権より慎重な態度が続いていると思います・・・