カテゴリーアーカイブ:社会

一人暮らしの高齢者を支える、フィンランド

2019年6月17日   岡本全勝

高橋絵里香著『ひとりで暮らす、ひとりを支える』(2019年、青土社)が、勉強になりました。文化人類学者による、フィンランドの高齢者ケアの体験と分析です。

欧米は、日本に比べ、家族が一緒に住まない、一人暮らしが多いと聞きます。では、その場合の高齢者介護は、どうしているのか。著者は、ある町を調査対象として、実際に高齢者ケアに参加し、日本との比較をします。

元気なうちは良いのですが、誰しも衰えが来ます。その際に、どのような援助をするか。なるべく本人の意向を実現するようにします。すなわち、高齢夫婦だけの暮らしや一人暮らしを、町が支援するのです。

日本では2000年に介護保険制度を実施し、高齢者への介護サービスは充実してきました。また、予想以上に利用されています。
その次の課題が、最後(死)の迎え方だと思います。この本では、蘇生措置拒否が紹介されています。本人のほか医師も、蘇生措置拒否を決定することができます。
多くの人に、その決定がされているとのことです。体調を崩した場合、拒否していない人は病院に運ばれ、拒否者は緩和ケアになります。
この項続く。

家族の形の多様性

2019年6月12日   岡本全勝

セサミストリートって、ご存じですよね。かつて、NHKでも放送されていました。6月8日の朝日新聞1面に「ひらけ、セサミの多様性 TVの枠超え、学校教育に 番組50年」という記事が載っていました。

ここで紹介したいのは、多様な子供たちが出てくることです。
自閉症、親が離婚・再婚し義理の兄弟がいる子供、父が戦地で負傷し車いす生活になる子、ホームレスの子、生まれたときからHIVに感染している子・・・アメリカ社会の現実を反映しているようです。

理想的な人生や家族を教えることも重要ですが、みんながそうなるわけではありません。現実を教え、その際の対処方法も教えるべきです。

日本の若者「日本は良い国」

2019年6月6日   岡本全勝

日本財団が、18歳の意識調査を続けています。
第14回は「海外と日本について」です。17歳から19歳の男女1000人から、回答がありました。
なお、海外渡航経験は半数の人にあります。もっとも、多くは旅行でしょうから、どのように知識を得ているかはわかりません。それは、多くの大人にとっても同じですが。

日本をよい国だと思う人は77%、思わないは7%です。かなり肯定的です。理由は、平和、治安がよい、安心で住みやすいなどです。
よいと思わない理由は、差別、不平等、働き方、生きにくいです。

日本が世界に誇れるものは、アニメ漫画、和食、景色や自然、治安の良さ、平和です。
他の先進諸国に比べて日本に欠けている点は、男女平等、外交力、経済力、教育水準、政治的影響力です。
戦後日本が達成した、高い経済と教育が低い評価になっています。これは、半分正しいと思います。二つとも世界最高水準を達成しましたが、その後、低下している実態を、若者は感じているのでしょう。

キャッシュレスの便利さと心配

2019年6月4日   岡本全勝

6月1日の読売新聞解説欄で、スウェーデンのキャッシュレス事情を伝えていました。「キャッシュレス 民間が主導」
現金お断りの店や博物館、券売機などが紹介されています。
同じく3日には、各国のキャッシュレス決済比率がグラフになっていました。ドイツが16%、日本が20%、アメリカは46%、スウェーデン52%、中国60%、イギリス69%、韓国は97%です。

確かに、カード払いは便利です。私も、飲食店や本屋ではクレジットカードで、コンビニでの買い物は電子マネー(スイカ)済ませます。電車に乗るのは、スイカで便利になりましたよね。いちいち切符を買わなくてすむし、ほとんどの私鉄でもバスでも使えます。小銭を持ち歩かなくてよい、おつりをもらわなくてもよいので、便利です。現金で払うのは、お医者さんくらいですかね。
海外旅行でも、便利です。ユーロはまだしも、ハンガリーのフォリントや、チェコのコルナに両替して、出国する前に小銭を使い切るのは面倒です。そして、種類が増えると面倒な上に、あちらの貨幣は部厚くて重いです。もっとも、あちらでは無料の公衆トイレは少なく、おばさんが座っているので小銭が必要です。

ということで、私は現金払よりカード払いに賛成なのですが。一つ気になることがあります。子供です。彼らがカードを持って、紙幣や貨幣での買い物をしなくなると、計算が上手にならないのではないかと心配しているのです。
もう一つは、お小遣いや貯金です。もちろん、これらもカードでできないことはありませんが。紙幣や貨幣を見ずに、スマホの上での数字だけで、お金のありがたみが実感できるでしょうか。
電子機器の発達で便利になるのはよいのですが、子供の発達や学習に悪い影響はないでしょうか。いかに機器が発達しても、簡単なお金の計算は、頭でしなければなりません。
もちろん、多額、多数の数字の計算は、電卓やコンピュータに任せると便利です。しかし、日常生活に必要な暗算は、電卓に置き換えるわけにはいかないのです。

クールビス15年

2019年6月3日   岡本全勝

5月31日の朝日新聞オピニオン欄「官製クールビス15年」から。
倉田真由美さん(漫画家)
・・・クールビズは政府が上着なしでいい、ノーネクタイでいいと、かつての常識を破ることを保証しているわけで、強制ではありません。服装は自己表現でもあり、その人がどんな価値観を持っているのかが詰まっていると思います・・・

MBさん(ファッションアドバイザー)
・・・僕は、洋服は他人のために着るものだと思っています。TPO、時と所、場合にふさわしい格好をすること、相手や周りの人たちに対する敬意や気遣いの表明だと考えています。会う相手がしわのないシャツにジャケット姿で来られたら、気を使ってくれているんだなと感じるじゃないですか。
それが、ジャケットやネクタイなしでもいいんですが、ぶかぶかの柄入り半袖シャツやだぼだぼのチノパンだったら、どうでしょう。クールビズ自体が悪いとは思っていませんが、「涼しければいい」ではないだろうと・・・

中野香織さん(服飾史家)
・・・スーツという武器を手放した男性は、おしゃれな人と、ただだらしなくなった人に、残酷に二分されてしまったと思います。一方で、威厳がなくてはいけないという「男らしさ」から解放され、自分なりの美意識を磨く方向に歩き出した男性もいました・・・

過去の記事「クールビズ10年」