カテゴリーアーカイブ:再チャレンジ

働きながら家族の介護をする

2014年4月9日   岡本全勝

4月7日の朝日新聞「報われぬ国」は、「介護で欠勤、雇い止め」でした。親の介護のために、会社勤めを辞めざるを得なくなった人たちが、紹介されています。記事によると、総務省の調査では、介護で離職した人は1年間で10万人もいるそうです。また、介護をしながら働いている人は290万人います。介護休暇制度がありますが、使った人は、介護をしながら働いている人の3%でしかありません。
同じく7日の読売新聞「介護と両立、モデル職場、厚労省100社選定。時短や在宅勤務に報奨金」によると、介護しながら働く人(291万人)は、仕事を持つ人の4.5%になるそうです。
これまでは、介護保険制度を利用しながら、娘や嫁が親の介護をしました。しかし、独身の子どもが増えると、難しいです。介護保険制度だけでは、支えられないでしょう。これから多くの職場で、課題になるでしょう。

若者ホームレス、社会的自立支援の必要

2014年4月6日   岡本全勝

読売新聞夕刊が、4月1日から「若いホームレス」の連載を始めました。
ネットカフェに寝泊まりし、衣類など全財産を詰めたバッグをコインロッカーに預けて、毎朝、出社する40代の男性が紹介されています。本人は、自分自身のことを「隠れホームレス」だと、表現しています。
「ホームレスになるのは就労が難しい高年者」という常識に、異変が起きているのだそうです。ホームレスの自立支援を行うNPOの窓口に、20~30歳代が目立つようになりました。2010年の調査では、若者ホームレス(40歳未満)の50人のうち、路上だけで暮らすのは12人で、多くはネットカフェや終夜営業店と路上を行き来しています。3人に1人は一人親家庭の出身です。国の調査では、2007年時点で、ネットカフェで寝泊まりするホームレスは、5,400人と推計されています。他方、路上などで過ごすホームレスは、自治体の調査で、2013年には8,000人です。
宮本みち子・放送大学教授は「困窮した若者には、失業保険と生活保護しか用意してこなかった」と指摘しています。若者の社会的自立支援は、家族と職場が担ってきたからです。政府は、2009年から新たな支援を始めました。家賃補助は、既に11万人が利用しました。しかし、保証人が無く、アパートを借りることができない例もあります。

加害者治療

2014年3月25日   岡本全勝

3月22日の読売新聞夕刊に、「ストーカー、心を治療」という記事が載っていました。ストーカーの加害者に、精神科医の受診を勧めるという「加害者治療」制度を、警察庁が4月から導入するという内容です。再発を防止するためには、単に罰するだけではだめで、偏った考え方や恨みを解消しようとする試みです。
私が大学の刑法で習ったのは、罪を犯した人を罰するということでした。しかし、それだけでは根本的な解決にならないとわかってきました。高齢者で身寄りがなく、知恵遅れがある人の場合など、刑務所から出ても、また戻ってくることが多いのです。
そこで、近年では、さまざまな試みがなされています。刑務所から出所する人に、社会生活に復帰するための訓練。他方、被害を受けた人への補償やケアなどが進められています。犯罪対策の考え方が、大きく変わってきているようです。

振り込め詐欺。「自分はだまされない」

2014年2月6日   岡本全勝

2月6日のNHKニュースによると、去年1年間に都内で発生した振り込め詐欺の被害額は87億円余りで、前年を6億円も、上回っています。金融機関の職員が詐欺だと見抜いて声をかけることで、被害を防いだ例が話題になりますが、他方で、思いとどまらないまま、現金をだまし取られている実態がなまなましく伝えられています。
・・調布市に住む70代の女性は、去年3月、おいをかたる男から「かばんをなくし、現金が必要になった」とオレオレ詐欺の電話を受け、現金400万円をだまし取られました。現金を引き出しに訪れた銀行の窓口では、顔見知りの行員が繰り返し現金の使いみちを確認してきたということです。
女性は、行員がオレオレ詐欺の可能性を疑っていると感じ、とっさに「おいのため」という使いみちを隠し、「一緒に暮らす孫のために家を改修する」とうそをついて現金を引き出したということです。
女性は「振り込め詐欺の手口はよく知っていたし、自分は絶対にだまされないと思っていました。現金を下ろしたときも、まさか自分がだまされているとは思わず、止められないようにと、必死で演技をしていました」と話しています・・

暴力団排除が生む新しい危険

2014年1月29日   岡本全勝

朝日新聞1月29日オピニオン欄、柳原三佳さん(ノンフィクション作家)の発言「車の保険、組員排除は危険」から。
・・自動車保険の約款に、暴力団員と契約しないという条項を加える損保会社が増えています。任意保険に入らないままハンドルを握る組員に事故を起こされたらどうなるのか。被害者救済という観点から、多くの問題があると言わざるを得ません・・
例えば信号待ちで停車中、無保険の組員に追突されてしまったとします・・このケースでは、被害者が直接、保険を使えず自腹を切ることになる組員と交渉することになりますが、それがいかに困難であるかは明白です・・
損保会社が、暴力団による保険金詐欺を防ぎたいという事情も、悪質な運転で事故を引き起こすような組員に保険金を支払いたくないという気持ちも理解できますが、被害者救済のためにも、対人・対物といった賠償保険だけは引き受けるべきです。保険から暴力団を徹底的に排除するのであれば、その前に、組員に免許を与えない、車を売らない、車検も通さないという取り組みをすべきでしょう。順序が逆です・・