カテゴリー別アーカイブ: 明るい公務員講座

明るい公務員講座

明るい公務員講座・中級編30

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第30回「組織を動かす(4)働き方改革は仕事の改革」が発行されました。
昔は、お気楽な商売だったサラリーマン。それが、いつの間にか、長時間労働が当たり前の職場になりました。なぜ、それが広がったのか。今回は、その原因を解説しました。
そして、長時間労働削減に成功している会社の例として、三井住友海上火災保険株式会社の取り組みを紹介しました。写真もお借りして、載せました。
この会社の取り組みは、新聞などでもよく取り上げられているので、読まれた方も多いでしょう。始めるまでは「絶対できないと思っていた」女性職員の話も紹介しました。やったら、できたのです。
秘訣は、仕事のやり方を変えること、職場一斉に取り組むことのようです(会社の資料、「19時前退社ルール」「目指す姿、各種の取り組み」「会社概要」)。
役所にも参考になります。「自治体への働き方改革支援メニューの提供」もしています。

今回の内容は、次の通り。
成果で評価するのか投入量で測るのか、メンバーシップ型が加速する長時間労働、民間企業の挑戦、働き方改革は仕事の改革

明るい公務員講座・中級編29

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第29回「組織を動かす(3)変わる働き方」が発行されました。職員の努力が、組織の成果につながっていない。その問題について書きました。
日本人が働き者だということは、定説になっています。長時間労働もです。しかし、その割には、成果が上がっていないのです。先進各国(G7)では、時間当たりの労働生産性は最下位、フランスなどの7割です。これって、屈辱的ですよね。
公務員に限った統計はないのですが、「民間に比べて公務員の生産性は高い」という話は聞きませんから、同じようなものでしょう。

何が問題なのか。それは、働き方、仕事の仕方です。皆さんも、「うちの職場でも、無駄なことをしているなあ」と感じることがあるでしょう。
それを、今回から数回にわたって解説し、処方箋も提示します。読まれたら、きっと「そうだよなあ」とおっしゃると思います。乞うご期待。
今回の内容は、次の通り。
長時間労働の割には成果が出ていない、常態化している残業、問題は仕事の仕方、昔はそんなに働いていなかった、一部の人は猛烈に働いていた、社会が仕事人間の心をくすぐった。

明るい公務員講座・中級編28

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第28回「組織を動かす(2)社風」が発行されました。
前回から、「組織を動かす」に入っています。数人の読者から「中級編ではありませんね。上級編ですよ」と指摘をいただきました。そうですね(苦笑)。でも、このような内容が、活字になったことは少ないでしょう。経験者なら当然のことですが、初心者には迷うことです。そして毎年、管理職の新人が生まれます。その人たちの参考になればと思って、書いています。

同じような組織をつくり、職員を配置しても、有能な組織とそうでない組織ができます。有能な職員が頑張っても、あなたが頑張っても、「組織の壁」にぶつかって、仕事が思うように進まないこともあります。役所の中で、目に見えない抵抗に遭うのです。
それを、仕方ないと思うのか、変えていくのか。ここに、将来、幹部になるあなたの姿勢と力量が問われます。

組織の力を見るとき、分解すると次のような3つの要素があります。一つは、職員一人ひとりの能力です。もう一つは、職員間の意思疎通です。これがうまく行かないと、いくら有能な職員をそろえても、組織としての力が発揮できません。
そしてもう一つが、社風です。新しい仕事に積極的な組織と、慎重な組織、さらには逃げる組織。自由闊達な職場と、上下の決まりが厳しい職場。仕事が終わったら早く帰ることができる職場と、お付き合いで居残らざるをえない職場。このようなそれぞれの組織が持つ癖や伝統が、有能な組織とそうでない組織をつくります。
この社風は、知事や市長が号令をかけただけでは、できませんし、変わりません。
今回の内容は次の通り。
組織の壁、社風という要素、家風・社風・お国柄、復興庁で社風をつくる、意思決定方法の定例化。

『明るい公務員講座』4刷り

明るい公務員講座』の4刷りが出ました。6月30日付けです。引き続き売れているようです。ありがとうございます。内容は変わっていません。
若い人とともに、若い人を指導する立場の人が、読んでくれているようです。
本にも書いたように、珍しいことやびっくりするようなことは、書いていません。多くの職場で、多くの人が、実践していることです。
しかし、若手職員は、きちんと教えてもらっていない。指導する立場の人も、系統だって指導を受けていない。よって、この本を読んで、「そうか、こうすれば良いのか」とか、「私のやり方が正しかったんだ」と安心するのです。

「中級編は、まだ単行本にならないのですか」との問い合わせが、たくさんあります。はい、検討はしているのですが、今は中級編の連載に追われていて、それどころではないのです。しかも、この本が出たのが2月下旬。まだ、半年も経っていないのですよ。焦らないでください(苦笑)。
もっとも、ある読者曰く「全勝さん、最近の連載は中級編を通り越して、上級編になっていませんか」と。そうですね。あれも書きたい、これも書きたいと思って、次々と発展しています。単行本にする際には、組み立てを考えなければなりません。

明るい公務員講座・中級編27

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第27回「組織を動かす(1)組織の編成」が発行されました。今回から、第4節「組織を動かす」に入ります。
これまで、良い上司になる方法を、2つに分けて説明してきました。仕事の管理と、職員の指導です。これで良い課長になることができるのですが、もう一つ上を目指してもらいたいのです。それが、あなたの課をうまく動かすことと、課を超えて役所全体を動かすことです。

優秀な選手をそろえた野球チームが勝つとは限りません。徳川家康は、河原で子供たちの石合戦を見て、少人数の組が勝つことを予測しました。そこには、仕事と職員に分解できない「組織の力」があるのです。
どうしたらそれをつくることができるか。私は、管理職になって以来、ずっとこのことを考えてきました。「明るくやろう」も、組織を強くする要素です。乞うご期待。
今回の内容は、次の通り。
組織の力、組織の編成、組織は目標達成のための手段、復興庁で組織をつくる。

ところで、ここまで話が進むと、「中級編」ではなく「上級編」ですね(苦笑)。