カテゴリーアーカイブ:著作と講演

総務省で講演

2024年6月26日   岡本全勝

今日26日は、総務省に呼ばれて、地方へ赴任する若手職員に話をしてきました。
彼ら彼女たちとは、40歳以上年が離れています。彼らからすると、私が新採当時に感じた「幹部は年を取っているなあ」どころか、もっと年上の退職者です。主催者と相談して、内容は「岡本が最初に赴任した先での経験、それが後にどのように役に立ったか」「若手職員に臨むこと」にしました。これなら、自慢話ばかりになりませんよね。

私も46年前は、彼らと同じ状態でした。当時聞いた先輩談は、社会人になった私にとって、目新しいことばかりでした。「そんなことがあるんだ」と。
そして、最初に赴任した徳島県庁で、仕事の仕方や人間関係の重要性を学びました。私の職業人生の出発点であり、基礎を作ってもらった2年間でした。その頃の「大きな希望と少しの不安」を思い出しながら、話をしました。

総務省でも早期退職が問題になっています。どのような心構えで仕事をすれば、楽しく過ごすことができて、そして技能が身につくかをお話ししました。
彼ら彼女らが、早く仕事を覚え、困難を乗り越えていく経験を積んでくれることを祈っています。参考書はもちろん『明るい公務員講座』です。

市町村アカデミーで講義

2024年6月25日   岡本全勝

今日6月25日は、市町村アカデミー「自治体の働き方改革」で、「働き方の変化と課題(体験談を基に)」を講義しました。

働き方改革は、自治体でも大きな課題となっていますが、さらに新しい状況になったようです。人手不足で官民で従業員の奪い合いが出てきました。途中退職、中途採用も増えて、「新卒一括採用、人事課による配属、年功序列、終身雇用」が崩れ始めました。
すると、職員を育成する前に、採用し、中途退職されないように、職場を改革する必要が出てきたのです。働きやすい職場、セクハラやパワハラのない職場も重要です。そして、やりがいです。

担当教授から与えられた私の役割は、昭和の古い働き方と現在の違い、改革はどの程度進んでいるかを話すことです。振り返ると、大きく変わった部分と、まだ十分でない部分があります。
連載「公共を創る」で述べているように、働き方改革は職場にとどまらず、日本社会の革命なのです。男性が私生活を省みず職場に尽くす慣行、夫は仕事に妻は家庭にという社会、女性は補助業務であり幹部は男性という職場、仕事の目標と成果が不明確で前年どおりの仕事を続けていることなどなど。

受講生の関心も高く、質疑も現場での悩みが中心でした。私が答えられる問と、たぶん誰もが悩んでいて簡単な回答がない問もあります。まさに今、役所と企業を問わずほとんどの職場で試行錯誤中なのです。
カリキュラムを見ていただくと、多様な講義、そして具体的で活用できる内容だと思います。来年度も開講すると思いますので、市町村の人事担当者の参加をお待ちしています。

連載「公共を創る」第189回

2024年6月20日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第189回「政府の役割の再定義ー原発事故への対応と復興庁の発足」が、発行されました。
前回から、東日本大震災での経験のうち、原発事故への対応の難しさについてお話ししています。天災では政府は被災者を支援する立場ですが、原発事故にあっては被災者に対し責任を果たす立場になりました。

事故の責任をどのように果たすのか。しばしば「責任を取ること」が求められますが、被災者にとっては「責任を果たすこと」が重要です。関係者が処分を受けるだけではすみません。
政府と官僚に対する国民の信頼を事故によって失いました。それを、どのようにして取り戻すのか。当時考えたことを整理して書いてみました。官僚がこのようなことを振り返ることは、最近は見ません。それも、問題なのでしょう。

連載「公共を創る」第188回

2024年6月13日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第188回「政府の役割の再定義ー重ねた被災地訪問と信頼関係の醸成」が、発行されました。前回に引き続き、東日本大震災対応の経験をお話しします。

大きな仕事を進めるために、与党提言を活用し、安倍首相にも動いてもらいました。
私が意を用いたことに、職員に現場を見てもらうことと、被災自治体との信頼関係を作ることがありました。
霞が関の官僚には、現場を見る経験がない、少ない職員もいました。しかし災害復旧、しかも新しい政策を作らなければならないときに、現場を見ずしてよい案を作ることはできません。
復興庁は、当初は被災自治体からよい評価をもらうことができませんでした。その後、評価が上がりました。現場で復旧工事が進んでいないのにもかかわらずです。それは、復興庁職員が現地に出向いて要望を聞き、できることとできないことを整理して、できることから取り組んだからだと思います。

もう一つ難しかったのは、原発事故対応です。
原発事故は、政府が政策の誤りで特定地域に多大な被害を与えた事例なのです。その点では、太平洋戦争での沖縄戦と比較することができるでしょう。被害者である福島県と市町村、その住民が、方針や対応において判断を誤った政府に対して怒りを持つことは当然です。
原発事故被災者の政府に対する怒りには、2つの原因があります。一つは、政府が安全だと言っていた原発が爆発を起こしたこと、政府が十分な安全策をとっていなかったことです。もう一つは、原発事故が起きた後に、正確な情報が伝えられず、住民の避難誘導も十分でなかったことです。
事故後の現地では、原子力被災者支援チームの職員たち、主に経済産業省の職員が、被災者や自治体との対応に当たりました。自治体と住民の間に政府への不信感が強くありました。支援チームの職員たちが事故を起こしたわけではありません。しかし、政府としての責めや省としての批判を一身に背負って現場に入り、頭を下げ、厳しい言葉を浴びながら、要望を聞き、失われた信頼を再建する作業をしたのです。彼らの努力と苦労には頭が下がります。「角野然生著『経営の力と伴走支援』

人事院初任研修2

2024年5月29日   岡本全勝

5月13日に基調講義をした人事院初任研修講師、今日は、その際に与えた課題の発表です。115人の研修生たちが16班に別れて、与えられた課題を議論し、発表します。
指導教官は私のほかに、被災者支援本部で一緒に苦労してくれた、辻恭介君にお願いしました。それぞれ8班ずつ担当します。

各班ともよく調べてあります。論点の整理、資料の作成、発表も良くできていました。採用されてまだ2か月ですが、しっかりしています。慣れているのですかね。
これまでにない事態にどのように対処するか。その場合は、想像力の勝負になります。各課題とも正解のない問題です。

他方で、他省庁の職員と集まって議論をして、一定の結論を出す。それがこの研修の狙いです。初めて出会った人たちが、議論します。司会者、論点整理担当、記録、発表担当、質疑応答担当などを、自分たちで決めていかなければなりません。そして進行を管理する人がいないと、前に進みません。その過程が重要なのです。成功でした。「2023年