カテゴリーアーカイブ:著作と講演

連載「公共を創る」第221回

2025年5月8日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第221回「政府の役割の再定義ー成熟国家への転換期における苦悩」が、発行されました。

政治の役割として、目指す国家像を示すことを説明しています。
国家像を議論する際の共通基盤の第三は、成熟国家になって見えてきた課題への対処です。
かつて豊かさを達成し、ジャパン・アズ・ナンバーワンと「慢心」しました。しかし実際には、豊かさを達成しただけでは、すべての問題が解決したわけではありませんでした。豊かさと平等を達成したと思っていましたが、そうでない人たちもいました。
そして、新しい不安が生まれました。豊かさとの引き換えに不足感と不安が生じ、豊かさ故に新たに不足感と不安が生じたのです。それとともに、国民の意識や社会の仕組みが、現実の変化に追い付いていない問題もあります。過渡期の悩みですが、行く先がよく見えていません。

日本列島に住む人は、弥生時代以来、村で支え合って生きてきました。家族や親族、地域社会に縛られつつ、一方で守られて安心を得ることができました。村から離れて、家族形態だけでなく職業や住む場所も、個人が選ぶことができるようになった社会で生きているのは、初めてなのです。束縛はなくなったのですが、どうやって生きていけばいいのか自分で考えなければなりません。しかし、まだほんの数世代の経験しかないのです。

連載「公共を創る」6年

2025年4月26日   岡本全勝

公共を創る」の連載が丸6年になり、7年目に入りました。
第1回は、2019年4月25日でした。今年4月17日で第220回になりました。よく6年も続いたものです。月に3回(当初は毎週)、毎回の紙面では4ページ、文字数にして6800字余りです。自分で自分を褒めてやりたいです。いつも同じことを言っていますね。
資料提供など協力をいただいた、たくさんの人に感謝します。右筆さんの毎回の厳しい朱入れがなければ、できませんでした。

こんなに長くかかるはずでは、なかったのですが。全体構想では、もう少しで完結する予定です。「連載「公共を創る」5年

と書いたら、肝冷斎に「石の上にも6年」と評価(?)されました。

立命館大学講義

2025年4月25日   岡本全勝

今日4月25日は、立命館大学法学部「公務行政セミナー」の講師に行ってきました。昨年に引き続き、4回目になります。立命館大学法学部は、公務員育成に力を入れています。約100人の学生が熱心に聞いてくれました。男女比はほぼ半分ずつです。質問も適確なものでした。

私の役割は、私の公務員経験をお話しすることです。私は官僚としては、少々変わった経験をさせてもらいました。それぞれに大変でしたが、やりがいのある仕事でした。学生には、通じたかな。
あわせて、仕事で悩まない方法や、新聞の読み方など、公務員になる準備も話しました。
一人でも多くの学生が、公務員を目指してくれるとうれしいです。

ベトナム国戦略的幹部研修

2025年4月22日   岡本全勝

今日4月22日は、政策研究大学院大学での、ベトナム政府の国戦略的幹部研修講師に行ってきました。今回の対象者は地方政府幹部で、私の講義は「リーダーシップと危機管理」です。19人の方が、熱心に聞いてくださいました。

十分な質疑の時間を取ったのですが、次々と鋭い質問が出て、予定時間を超過しました。予測はできなかったのか、予算確保の方法、塩害に遭った農地の復旧、がれき片付け、保健の問題など。地方政府でそれぞれの分野に責任を持っている人ならではの、質問がありました。
的確な質問が出ると、うれしいですね。私の話が理解されているということですから。

ベトナム政府は、大胆な行政改革に取り組んでいるとのことです。中央省庁の統合と、地方行政単位の統合です。後者は、「省・郡・社」の3層構造から「省・市」と「社」の2層構造に移行し、63ある省と中央直轄市を34(28省+6市)に再編します​。なかなか大胆な行政改革です。
人口は約1億人、面積は約33万平方キロ。日本と似た状況ですから、驚くことではないでしょう。ところで、職員の配置転換、削減はどのようにするのでしょうか。