カテゴリーアーカイブ:社会の見方

都市の魅力、ニューヨークと東京

2013年12月12日   岡本全勝

12月10日の朝日新聞オピニオン欄、「NYから見る、おもてなし ニューヨーク市観光局CEOに聞く」から。
「ニューヨークには、国外から年1100万人が訪れます。人々が街にもたらすものは何ですか」という問に対して。
・・観光客が市経済に与える影響は巨額です。直接の消費だけで年370億ドル(約3兆8千億円)にもなるし、経済波及効果は550億ドルにもなります。雇用の面では37万人分の職が生み出される。金融産業などと比べると規模は劣りますが、成長スピードは最も速い・・
「東京も日本全体も観光客誘致に力を入れていますが、セールスポイントは何だと思いますか」という問には。
・・私は10回以上、日本を訪れていますが、素晴らしい地域がたくさんある。京都の和風旅館などは、畳の部屋が美しすぎて、快適で外に出たくなくなるほどでした。また東京は信じられないほど活動的でエネルギーに満ちている一方で、その中心に皇居があることに象徴されるように優雅さや美しさも兼ね備えている。まるで二つの世界を持っているようで、非常に興味深い都市です・・
「何度も来るリピーターを作るにはどうしたらいいでしょう」という問には。
・・ニューヨークを例に挙げれば、魅力の一つは、常に変化し続けていることです。美術館は常に新しい展示を試み、ブロードウェーのミュージカルも演目が変わり続ける。レストランやホテルも入れ替わりが激しい。だから、何度もこの街を訪れる多くの人たちがいるのです。
一度は訪れてみたいと思う魅力的な地域は世界各地にある。でも、例えばインドのタージマハルに一度行ったら、頭の中のチェックシートに「済」マークを入れるでしょう。しかし、あなたは決してニューヨークを「済」にはできない・・

アジアの復活と日本の貢献

2013年12月9日   岡本全勝

12月6日の日経新聞経済教室、キショール・マブバニさん(シンガポール、リー・クアンユー公共政策大学院長)の「アジア中間層、17億人に」から。
・・アジアについて、日本がぜひ知っておくべき重要な数字が一つある。今日、アジア全域で所得が一定水準以上の中間層は合計約5億人だが、2020年までに、現在の3.5倍の17.5億人になると見込まれることだ。これは世界史上かつてない現象であり、日本の将来にも重大な影響を与えるだろう・・
アジアの中間層はなぜ爆発的に増えているだろうか。ある意味で、これは驚くべきことではない。アジアの繁栄の「復活」は、ごく自然な成り行きである。
西暦元年から1820年までは、世界の二大経済大国といえば常に中国とインド、すなわちアジアの国だった。欧州、続いて米国が台頭したのは、この200年のことに過ぎない・・
ただし(アジアの)復活の時期は、いくつかの偶然の要素が重なった結果である。中でも重要なのは、日本がアジア国家として初めて近代化に成功したことだ。アジア諸国は日本に礼状を書くべきだと拙著の中で強調したのは、このためである。日本の近代化の成功で、アジア各国ではあとに続く気運が高まった。日本の成功がなかったら、アジアの大半は、先進国の仲間入りを果たした国がまだ一つもないアフリカ、アラブ、中南米のようになっていただろう・・

落とし物と届け出

2013年11月29日   岡本全勝

昨日、オリンピック誘致の際に、「日本では年間3千万ドルも落とした金が戻る」という説明に諸外国が驚いたと書いたら、今朝の朝日新聞に、次のような記事が載っていました。
東京の警視庁に確認すると、昨年1年間で、29億8千万円が都内の警察署に届けられ、このうち21億6千万円が持ち主に戻ったとのことです。ただし、落としたとして届け出たのは84億1千万円です。それでも、3割は戻っているのです。

外国に対する日本の売り

2013年11月28日   岡本全勝

講談社のPR誌『本』2013年12月号、高木徹さんの「国際メディア情報戦」「日本のハンディと資産」から。
ブエノスアイレスで開かれたIOC総会の場で、2020年の東京オリンピック開催を勝ち取りました。日本のプレゼンテーションの中で、IOC委員や海外のメディアにとって、最も印象に残ったエピソードは何かです。
・・私は「オモテナシ」ではないと考えている。それは、その後に語られた「東京では、現金を落としてもかえってくる」という話、それも1年で3千万ドル以上と具体的に強調したことだったのではないだろうか。
これは、あの場にいた日本人以外の人々にとって、驚天動地のことだったに違いない。私も世界のさまざまな国で取材し番組を作ってきたが、そんな国はどこにもない。特に日本ほどの経済規模を持つ大国では考えられないことだ。日本社会が他国と比較して飛び抜けて安全で平和なことは、いまや数少なくなった日本の「売り」の最大のポイントの一つだ・・
ただし、高木さんは、日本のハンディについても書いておられます。

いろいろな職場に導入できるカイゼン

2013年11月26日   岡本全勝

11月23日の朝日新聞経済欄に、「病院もカイゼン」という記事が載っていました。
「トヨタ生産方式」は、各現場で仕事の無駄を省くカイゼンを積み重ね、効率の良い生産や経営を目指すものです。これが、医療現場に導入されているのだそうです。
記事に出てきた病院では、患者が入院してきて手術をするまで(病室に案内されてから、説明を受け、術前処置が終わるまで)の待ち時間を、平均163分から26分に短縮しました。すごいですね。また、救命救急センターの6つの処置室ごとに、ばらばらだった注射針やチューブなどの置き場所を、物品ごとの名前を書いた2つの箱に入れ整理しました。これで在庫が一目でわかるようになりました。
まだまだ、他の分野でも、カイゼンを導入できそうです。