先月、このページで国立公文書館を紹介しました(2月23日)。月刊「東京人」4月号が、国立公文書館を特集しています。良い企画ですね。雑誌にとっても、公文書館にとっても。
このような施設は、展示品を見ただけでは、その展示物のもつ意味がわからないのです。解説が必要です。
カテゴリーアーカイブ:社会の見方
経済を支える社会資本
3月6日の日経新聞オピニオン欄、ファイナンシャルタイムズ、マーティン・ウルフさんの「インド、経済大国への課題」から。インドが経済発展を続けていること、さらなる発展が期待できることを指摘した後に。
・・・だが、白書は他の新興国との違いも明らかにした。民間部門の活用や土地所有権の保護が不十分なこと、特に教育と医療分野の国の制度の不備、非効率な所得再分配の3点だ。これはインドの民主化に経済発展が追いついていないことが原因だと白書は述べている。
重要な課題が長期的には3つ、短期的には1つある。
長期的課題の1つは教育だ。教育は州が責任を持つもので、モディ政権は各州が改革を競い合う「競争的連邦主義」を打ち出している。しかし、教育に関してはこの施策がまだ十分機能していない。
2つ目は環境だ。今後50年にかけ、実質GDPは5倍に拡大する可能性がある。都市化も急速に進み、人口集中が進む。インドは化石燃料の利用を大幅に増やさずに発展していく必要がある。
3つ目は外部環境だ。無理のない条件で試算すると、世界のGDPに占めるインドの財・サービスの輸出の割合は、現在の0.6%から10年間で倍増する。ただし、先進国で現在、起きている反グローバル化の動きを考えると、スムーズにはいかないかもしれない・・・
経済、そして経済発展を考えるとき、経済取引の世界で考えているだけでは、理解できません。それを支えるさまざまな社会の仕組み、国民の意識、慣行があるのです。その点では、近代経済学は視野が狭いと思います。原文をお読みください。
ホワイトハウスの記者会見に出席しない
3月7日の日経新聞オピニオン欄「トランプ氏VSメディア」、ジョン・ミクルスウェイト、米ブルームバーグニュース編集長の発言から。
・・・過去の大統領も一部のメディアを嫌い、不安定な関係にあった。トランプ氏だけが特別ではない・・・ただ、これまでにない異例なことが起きた。ホワイトハウスで開催された記者懇談で一部の記者が排除されたのだ。ブルームバーグの記者はそうした状況を知らずに参加したが、今後こうしたことがあれば、出席しないと決断した。公共の利益に反すると思うからだ・・・
「あえて参加し、情報を得たり、その場で意見を述べたりする道もあるのでは」という問いに。
・・・白か黒かすっきり割り切れる問題ではなく、逆の考え方もあり得る。ブルームバーグの顧客にも「内部で何が起きているか知りたい」という人がいるかもしれない。しかし、情報の流れをオープンに保つことが公共の利益にかなうと思う。何ら抗議せずに参加すれば、さらに悪いことが起きる・・・
原文をお読みください。
SNSで分断される社会
「フィルターバブル」という言葉を、ご存じですか。2月24日の読売新聞解説欄「SNSで分断される社会」で取り上げられていました。ネット上のサイトが、利用者の好みに合わせて情報をフィルターにかけて選別することで、利用者は自分と異なる意見から隔離され、自らが作った泡(バブル)の中に閉じこもることです。
ここでの「バブル」は、バブル経済のように実態なく膨らみ、いずれはじけ飛ぶ「泡」ではありません。他者を排除する壁です。ウィキペディアにも載っています。
ジョシュアベントン、ハーバード大学ニーマン・ラボ所長の発言から。
・・・フィルターバブルはSNSの本質的な問題だ。とりわけフェイスブック(FB)は、次から次へと表示される情報に利用者の関心を長時間引きつけるようにできている。米国では、FBの1日の平均利用時間は50分に上る。睡眠、食事の時間を除く生活の大きな部分をFBが占めている。
FBなどはさらに、似た考えの者同士を引き合わせることで人を一定の方向に過激化させる傾向がある。それがトランプ大統領を誕生させ、イスラム過激派組織「イスラム国」も勧誘にSNSを効果的に使っている・・・
指摘の通りです。スマートフォンには、しきりにそれを見たくなる、また画面から離れられなくなり長時間費やすという、「中毒」があります。横に置いておくと、仕事にしろ勉強にしろ、注意が集中できなくなります。
さらに、この記事が指摘しているように、思考と思想が限定されるのです。幅広い見方や異なる意見を、知らず知らずのうちに排除してしまいます。SNSは人とつながるための道具なのですが、逆に狭い世界に閉じこもり、広い人とのつながりを拒否してしまいます。逆説的なできごとです。これは、困ったことです。原文をお読みください。
自動販売機の省エネ
2月28日の朝日新聞夕刊「エコ」は、自動販売機の省エネでした。詳しくは、本文を読んでいただくとして、驚きますよ。
近年の自販機は、1991年に比べて、消費電力が70%以上少なくなっているのです。どうして、そんなことができるか。技術の進歩はすごいですね。
もっとも、こんな機械が街角や道路脇に立っているのは、世界広しといえど、日本くらいだそうです。通常は、お金と飲み物が入っている機械、誰も見ていない、という条件ですから、賊に襲われてしまいます。日本は、安全な国ですねえ。