カテゴリーアーカイブ:社会

孤独とともに発展したコンビニ

2025年1月29日   岡本全勝

2024年12月8日の日経新聞日曜版に「「家庭」を商品化したセブンイレブン50年 孤独を伴って」が載っていました(これも古い記事ですが、速報性とは関係ないので許してください)。

・・・・セブンイレブンが日本に登場して今年で50年を迎えた。小さなスーパーなのか、新しいよろず屋なのか、誕生間もない頃はなんとも形容しがたい「異形の商店」だったが、2万店を超える巨大チェーンに成長。その影響力は世界にも及び、ついにカナダの同業と創業家による数兆円規模の買収合戦にまで発展した。

改めてセブンとは何だったのか? なにがここまで消費者、ビジネス界を魅了しているのか?
歴史を振り返ると、日本の家庭生活に深く入り込むと同時に「日本型個人社会」の発達がセブンやファミリーマート、ローソンなどコンビニエンスストアを世界に類のない小売業に育ててきたように思える。

1号店がオープンした1974年はダイエー主導の流通革命が進行し始めた頃だ。それは価格革命だった。大量仕入れ・大量販売で食品からテレビまで物価を下げ、夫婦と子供ふたり家族を主な顧客層として「経済の民主化」を推し進めた。
しかしセブンは違う。価格ではなく、「便利さ」と「習慣」に着目したのだ。例えば専業主婦という言葉が定着したのは高度成長期で、仕事が忙しい夫とこれを支える妻という「分業」が効率的だったからだ。まるで家庭の「原風景」にも見えた専業主婦型モデルだが、実は70年代には変化しつつあった。
分業化は落ち着き、女性の就業率は上昇していく。例えば1978年には「結婚しない女」という映画がヒット。女性の自立をテーマとした内容で、まさに意識と行動変化を映していた。セブンの創業者である鈴木敏文氏の口癖はまさに「社会の変化を捉える」。今の社会の半歩先にこそ、コンビニの潜在的なニーズがあると確信していた。
とは言いながらも、実はセブンも最初は品ぞろえに困惑していた。親会社のイトーヨーカ堂で若い顧客が買っていそうなものを置いたり、日本は生もの需要が多いのでスーパー的に生鮮品を置いたり、試行錯誤が続いた。購買経験を見ているうちにようやくコンセプトが定まった。「調理する必要のある生鮮品は不要で、調理しなくていい食品を柱にする」
まさに「家庭の商品化」こそがセブンおよびコンビニの成長源となったわけだ。鈴木氏はこんな発言をしている。「おにぎりやお弁当は日本人の誰もが食べるものだからこそ、大きな潜在的需要が生まれる。良い材料を使い、徹底的に味を追求して、家庭でつくるものと差別化していけば、必ず支持される」・・・

ここまで日本型コンビニが成長した背景には、おひとり様社会の成熟化も無視できない。博報堂生活総合研究所は年初に個の時代の幸福をテーマとしたイベント「ひとりマグマ」を開催し、日本の「ひとり」史を披露している。コンビニが誕生してきた1970年代は「ひとりなんてありえない」時代と位置づけていたが、2010年以降は「ひとりでも気にならない」時代と見立てる。
ひとりマグマでは「肌感覚だが、日本はファストフード店やコンビニなど世界で最も『ひとりになれる』施設が多い国だと思う」(大室産業医事務所の大室正志代表)という識者の声も紹介している。とりわけコンビニが成長してきた1990年代以降、企業や家族などの集団秩序は崩れつつある。

そもそも日本は内向きな国民性だ。ひとりで楽しめる数々の武器を手にして、縛りの強い共同体から解放された「超・個人社会」が日本で育まれているのではないだろうか。コンビニはそんな日本型個人主義と共鳴しつつ、世界でも類のない産業に変貌した。まさにコ(個)ンビニ。飽和化しつつも社会とさらに融和しながら、「異形」の小売りとして存在感を増していく気がしてならない。もちろん孤独という社会問題をはらみながらのことだが・・・
一人で過ごすクリスマス?

一人で過ごすクリスマス?

2025年1月28日   岡本全勝

2024年12月21日の日経新聞夕刊1面に「クリスマス「ひとり」が最高! 食も旅も自分ファースト」が載っていました(古くてすみません)。

・・・クリスマスをあえて「ひとり」で楽しむことを提案する動きが目立つようになってきた。外食や旅行、持ち帰りのケーキなどジャンルも様々だ。近年はお店や観光地をひとりで訪れる「おひとりさま消費」が定着しつつある。家族や友人と過ごす人も多い季節だが、自分のペースで満喫したい人の心をとらえている。

12月上旬の午後、横浜市中心部のホテルにあるレストラン「RISTORANTE E'VOLTA -Unico Polo―」へ、ひとり客が続々と入っていった。お目当てはクリスマスシーズン限定、おひとりさまを対象にしたアフタヌーンティーだ・・・

例えば欧州のクリスマスマーケットを巡るツアーでは「女性ひとり参加限定」コースに注目が集まった。クリスマスイブの24日、当日の25日を海外に滞在する日程にしたおひとりさまプランは初めて。定員20人ほどで夏休み前から受け付けを始めると、想定を上回るペースで予約が入り、約1カ月で完売した。その後もキャンセル待ちを希望する客の問い合わせが相次いだという。
ひとりで気兼ねなく楽しめるよう、移動中のバスの座席が相席にならないように配置し、食事を取る際は団体客と離れた席を確保した。担当者は「ひとりで思い切り楽しみたい人に支持されたのではないか。おひとりさま限定にすることで、参加のハードルを下げられた」と説明する・・・

こうした動きは新型コロナウイルス禍もあって広がりを見せたようだ。博報堂生活総合研究所(東京・港)主席研究員の内浜大輔さんは「『ひとり』で過ごすことに対する価値観が変わってきたのではないか」と指摘する。
同研究所の調査では「みんなで過ごすよりもひとりで過ごすことの方が好き」と答える人の割合が1993年から2023年までの30年間で10ポイント以上上昇し、半数を超えた。ひとり行動は珍しくなくなり、楽しみ方が多様化。SNSなどで「いつでも誰かとつながれる」状況になったのも背景にあるとみる・・・

よく読むと、一人で過ごすのではなく、一人でサービスを利用するということなのですよね。
本当に一人で過ごすのは、家で一人で過ごすことでしょう。いずれにしても、さみしいと思うのは私だけでしょうか。

国内モスク、150か所

2025年1月24日   岡本全勝

1月11日の日経新聞に「国内モスク、25年で10倍」が載っていました。

・・・国内でモスクが増えている。2024年6月時点で全国のモスクは約150カ所と、25年でおよそ10倍になった。日本の人手不足を背景に在日イスラム教徒は増え続け、身近な存在となっている・・・

推計では、在日イスラム教徒はおよそ35万人、人口の350人に1人となります。35万人と言えば、和歌山市や奈良市の人口です。1990年には3万人弱、2005年では10万人ですから、急増しています。
ハラルフードの飲食店も増えています。学校給食も、対応しなければなりません。

ペットボトル、円柱から角形へ

2025年1月23日   岡本全勝

1月16日の朝日新聞に「ペットボトル、○形→□形 物流対策、形状を見直し」が載っていました。

・・・飲料メーカーの間で、ペットボトルを円柱形(丸形)から角柱形(角形)に変えるなどスリム化して、効率的に運べるようにする動きが広がっている。トラック運転手の残業時間が規制された「2024年問題」などで輸送力が減ることへの対策だ。ただ、ボトルのデザインは売り上げにも影響するため、判断に悩むメーカーもある。

サントリー食品インターナショナルは昨年2~5月、「サントリー烏龍(ウーロン)茶OTPP」「グリーンダカラ」「緑茶 伊右衛門 濃い味」の3商品について、600ミリリットル入りのペットボトルを丸形から角形に変えた。
ボトルの幅は丸形は7~7・2センチだったが、角形は6・4センチと細く、隙間なく詰められるため、24本入り段ボールの体積を約2割小さくできた。輸送時に使うパレット(台)に載せられる段ボールは35箱から45箱になり、トラック1台に積める数も増えた。
昨春には「サントリー天然水」の1リットル入りボトルも丸形から角形に変えた。これらの結果、輸送に必要なトラック台数を1割削減できたという・・・

国際成人力調査、日本は一流

2025年1月21日   岡本全勝

2024年12月11日の各紙が、「国際成人力調査」の結果を報道していました(遅くなってすみません)。朝日新聞「「成人力」日本トップ水準、だけど 思考・解決力、OECD調査

・・・経済協力開発機構(OECD)が10日、成人の社会生活スキルをはかる「国際成人力調査」(PIAAC〈ピアック〉)の結果を公表した。日本は全3分野で1~2位。3分野中2分野で1位だった前回に引き続き、世界トップ水準を維持した。
PIAACは2011~12年に初めて行われ、今回が2回目。22~23年に31カ国・地域の約16万人が参加し、日本は無作為抽出された5165人が、タブレット端末で解答した。3分野は、(1)読解力(2)数的思考力(3)状況の変化に応じた問題解決能力。

日本の分野別の平均得点(500点満点)は、「読解力」が289点(OECD平均260点)で2位、「数的思考力」が291点(同263点)で2位、「問題解決能力」は276点(同251点)でフィンランドと並んで1位だった。フィンランドは全3分野で1位だった。
OECDの分析では、参加国・地域の大半で10年前より「読解力」が横ばいか低下していた。日本も約10人に1人が基礎的読解力が足りていないと指摘。また日本を含む多くの国で、10年前より、親の学歴に比例して読解力の差が広がっているとした。

OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、日本について「高学歴の労働者でも『職場で必要とされる具体的なスキルが足りない』と考える人が多い」と指摘。リスキリング(学び直し)の必要性を主張した・・・
この項続く