カテゴリーアーカイブ:歴史

関ヶ原で西軍が勝っていたら

2022年8月3日   岡本全勝

井上章一先生が、その著書「関西人の正体」(2016年、朝日文庫)の40ページ以下で、次のような話を展開しておられます。

1600年の関ヶ原の合戦で、石田三成にもう少し人望があれば、西軍が勝っていた。すると、上方(京都と大阪)が日本の中心であり続け、NHKのアナウンサーも関西弁を話したはずだ。
浪速の商人とそれが支える政権は鎖国をせず、海外に雄飛を続ける。18世紀には西から来たイギリスと覇を競い、インド洋で衝突する。もしそこで日本が勝っていたら、大阪が世界の経済の中心となり、関西弁が世界の共通語になっていたはずだ。
イギリスの中学校で、「かんにん」「ほんまかいな」という会話を教えていたはずだ。

ほんまに、そうですなあ。えらい残念なことですわ。私も東京に出てこんで、関西で暮らしていたやろうに。
NHKの天気予報で「明日は雨です」と伝えるアナウンサーに向かって、「アメ(強・弱)とちゃう、アメ(弱・強)や。アクセントが違うてるで」と叫ばんでもよかったのに。

『信長が見た戦国京都』

2022年7月27日   岡本全勝

河内将芳著『信長が見た戦国京都』(2020年、法蔵館文庫)を紹介します。
私たちは、京都の街並みというと、平安京を基礎にして碁盤の目のような町ができあがり、建物は建て変わっても、今日まで続いているように思ってしまいます。平安京の西側・右京は早々と荒れてしまったとは聞きますが、あまり想像ができません。

この本は、織田信長が初めて上洛したとき(1559年)に、京の町はどのような姿になっていたかから始まります。平安京から、鎌倉時代、室町時代、そして応仁の乱以降、どのような変遷を経たかを描きます。
平安京が衰退したあと、応仁の乱などが京の町の縮小に輪をかけます。上京と下京の小さな町、現在の上京区と下京区よりはるかに小さな町が、自衛のための門や堀などを持ってできあがります。
度重なる焼き打ちなどにも遭いますが、復興します。それだけの財力と住民の組織があったのです。そして、それらに支えられた日蓮宗の大寺院が建ち並んでいました。建築だけを見ていては、なぜそのような町ができたのかは分かりません。政治、経済、地域、社会から見た中世の京都です。良く分析した良著です。

なぜ、信長は本能寺に泊まったか。武装集団を泊めるだけの宿泊施設はなく、信長は自分の居城を京都に持ちません。多くの武士は、上洛して民家を借り上げ(接収)したり、大きな施設であった寺を借ります。相手にとっては迷惑な話です。逆らえば、えらい目に遭います。金で解決するか、言うことを聞くかです。

ゴルバチョフ大統領の役割

2022年7月17日   岡本全勝

6月23日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」亀山郁夫・名古屋外国語大学学長の「教養なくして人動かず」から。亀山さんはロシア文学者です。

――現代において外国語を学ぶ意義を教えてください。
「私たちが判断に迷わず、嘘か真実かを見分ける能力を身に付けるためにも、外国語・外国文化の学びは不可欠です。将来的には英語に加えてもう一言語という能力が求められると思います。どれほどの高性能の自動翻訳機も、胸の中の外国語ほどの価値はありません。自動翻訳機では文化を知ることができないからです。文化を知るとは、歴史を知り、歴史の根底に潜むメンタリティーのコアを把握することです。言語を学ぶことなしには絶対に理解できない精神性、異なるメンタリティーというものがあるのです」

「世界は単一的なグローバル化の流れの中で順調に進んでいるように見えるが、それとは関係ない個々のうめきが世界中にあふれていることを知らなければいけません。それを知るのが外国語学です。日本に何十万人という学生がいるなら、何百人かは、一人ひとりがひとつの国の運命を見守っていくことが必要じゃないでしょうか。私がロシアを見守るなら、ある学生はカンボジアかもしれない。それが全部アメリカと英語の勉強で終わってしまうのは悲しむべきことです」

――ロシアの歴史上の人物で、模範となるリーダーはいますか。
「ゴルバチョフ元ソ連大統領です。彼には国民の良識を信じるオプチミズムがあった。ゴルバチョフはソ連を崩壊させましたが、本当はその役割は他の人に任せて、その後の国づくりのところで登場すべきだった。彼はヨーロッパの家という思想を持っていて、ヨーロッパの中にあるべきロシアを位置づけしようとしていた。そうすれば歴史はいまと違っていたかもしれません」

スマートフォンでの交際相手探し

2022年6月23日   岡本全勝

6月3日の朝日新聞夕刊、「スマホで素敵な出会い?」から。
・・・スマホのマッチングアプリが、交際相手を見つける手段の一つとして使われる時代になっている。ただ、その使い方に悩む人も。トラブルも絶えず、マイナスイメージがつきまとう。活用法について、アプリ専門家の伊藤早紀さん(31)に聞いた・・・

・・・そもそも出会いの場といえば、学校や職場、サークル、合コンなどが定番とされる。そこで実際に一定の時間を過ごし、相手の表情やしぐさ、考えを知り、自分と性格が合うかどうかなどを判断してきた。
ただ、マッチングアプリでのとっかかりは、主に顔写真とプロフィル。伊藤さんは「『現実世界』での出会い方とアプリでの出会い方が同じだと思っていると、良い出会いはありません。アプリの使い方を知らないといけません」と言う。
コツはあるのか。例えば、笑顔でないキメ顔で、自己紹介が数行ほどの短いプロフィルの男性はどうか。伊藤さんはバッサリと斬る。「アプリの世界では、女性は月に100人からアプローチを受けています。いい加減なプロフィルで出会えるわけがありません」

アプリの利用者は男性が多く、女性が少ない。単純に男女比率からみれば、女性のほうが優位な立場にある。伊藤さんによると、女性側は男性を減点方式で評価しがちだという。例えば、アプリで知り合った後、実際に男性と会っても「エスコートが下手だった」などとマイナス評価をつけるという。
こんな例が続けば、アプリから遠ざかる。そのミスマッチを少なくしようと目指すのが、伊藤さんの仕事だ・・・
詳しくは原文をお読みください。

キーウ大公ウォロディーミル1世

2022年5月27日   岡本全勝

日経新聞連載、佐藤賢一さんの「王の綽名」、5月14日は「聖大公キーウ大公」でした。
スラブの王様は、なじみが薄いです。今回の王様、キーウ大公ウォロディーミル1世(在位978~1015年)は、ノルマン人が作った国を、今のウクライナやロシアを含む大国に広げた王様です。

詳しくは原文を読んでいただくとして。ウクライナ大統領ゼレンスキーさんの名前はウォロディーミル、ロシア大統領のプーチンさんの名前もウラジミールで、この王様から来ているのだそうです。