カテゴリーアーカイブ:生き様

組織を作り動かす2

2021年9月3日   岡本全勝

組織を作り動かす」の続きです。

私は、過去に新しい組織を作って、混成部隊で仕事をする経験がありました。省庁改革本部再チャレンジ室です。また、ほかの組織の失敗事例を見てきました。
取り組むべき課題を整理し、職員を集めることも重要なのですが、その組織を動かすことはもっと難しいです。

各分野に精通した職員を、それぞれの省庁から呼び集めます。方向性さえ統一すれば、それぞれの分野については彼らに任せればよいのです。ところが、彼らの間での、仕事の進め方を共通にすることが難しいのです。
職員たちに何をしなければならないかを理解させ、どのように仕事を進めるかを考えてもらい、上司に判断を仰ぐものと自分で判断するものとの線引きを作り、そして上司の指示を待たずに課題に取り組むようにしなければなりません。
ところが、各省ではそれが文書決裁規定に定められ、慣習ができています。そして各省において、この慣習は異なるのです。「これは誰に相談するか」「どのように起案して決裁を回すか」などです。それを一からつくる必要があるのです。
知らない職員同士が、異なった社風で仕事をすると、放っておくと、歯車がかみ合いません。これを軌道に乗せる、みんなで助け合い、同じ目標に進む、そして誰に相談すればよいかをわかるようにすることが、重要なのです。

大震災で支援本部の運営が比較的うまく行ったのには、それ以外の条件もあります。
まず、被災地で困っている大勢の被災者がいて対応を急ぐ必要があったこと、少々の間違いや混乱があっても対策を急いだことです。前例はなく、根回しをしている時間がありません。
また対応を急ぐために、決裁も簡略化しました。職員から参事官に相談し、直ちに統括官に上げて判断する。難しいものは毎日の大臣たちを入れた幹部会議で決定するという、まことに簡素な意思決定過程でした。
記録には残しましたが、このような知恵と経験は、どのように後輩たちに引き継ぐのがよいのでしょうか。

組織を作り動かす

2021年9月1日   岡本全勝

先日、ある研究者から取材を受けました。東日本大震災被災者支援本部と復興庁での仕事、特に組織を作って運営することについてです。改めて、自分のした仕事を振り返ることができました。

被災者支援本部でしなければならなかったことは、次の通り。
取り組むべき課題を整理する、それに応じて各省から人を集める、課題の変化に応じて班を再編し人を増やす。意思決定過程を作る。幹部が判断することと、部下職員に任せる案件の線引きを作る。そして、状況の変化に応じて、それぞれが自己変革することを組み込む。後には、民間からも職員派遣を求め、期間職員を採用をする。
そこには、取り組むべき課題の整理、それに応じた班編制と人集め、さらに意思決定過程を作ることが含まれています。1番目は企画課の仕事、2番目は人事課の仕事、3番目は文書課の仕事と慣習の部分と言ったらよいでしょうか。

この点については、『東日本大震災 復興が日本を変える』にも書きましたが、山下哲夫執筆「政府の被災者生活支援チームの活動経過と組織運営の経験」(季刊『行政管理研究』2011年12月号)に詳しく記録と分析がされています。山下君(現・総務省総務審議官)は、後に行政管理局長、内閣人事局人事政策統括官を務めた、組織の専門家です

内閣官房などで、これまでもたくさんの本部とその事務局が作られ、そのたびに各省から職員が集められ仕事をしました。これまでにない課題に取り組む、新しい組織を作る、混成部隊を運営することは、けっこう難しいのです。
さらに、大震災では現地の状況がどんどん変化し、それに応じて仕事も組織も変える必要がありました。毎週、職員を増やし、席替えをしていました。

新しい組織を作ることも難しいのですが、その組織を動かすことはもっと困難であり重要です。あらためて、そのことを思い出しました。
私は防災の専門家でなく、組織を作って動かす職人だったのです。自治体現場を知り、各省を知り、官邸を知り、与野党幹部を知っていた。それが私がこの仕事を遂行できた理由です。私が最初に呼び集めた、山下哲夫君も福井仁史君も、霞が関での組織運営のできる人材でした。

私は、被災者生活支援本部と復興庁では、この点についてうまくできたと自負しています。一つには参画してくれた職員の多くが不満を持たず取り組んでくれたこと、もう一つは一定の成果を出せたことです。もちろん、全員が満足できたわけではなく、対応が満点だったわけではありません。この項続く

8月も終わり

2021年8月31日   岡本全勝

今日は8月31日、8月も終わりです。わが家のアサガオは、今頃になって、大きな花をたくさん咲かせています。
猛暑が続き、まだ夏は終わりそうにありませんが、カレンダーは待ってくれません。

多くの子どもにとっては、夏休みが終わります。コロナで、海や山にも行けなかったのでしょうね。これで2年続きです。このような状態が来年以降も続くのだとしたら、何らかの対策を考えなければならないでしょう。

社会人にとっては、4月から5か月が経ちました。あと一月で、1年の半分です。
年度初めに立てた計画は、順調に進んでいますか。多くの職場では、半期の業績評価がされます。それに向けて、前半の追い込みと、後半の計画を立てる必要があります。
仕事を進めるこつは、「いつまでに何をするか」という計画と、その評価です。のんべんだらりと仕事をしていては、いかに忙しくしていても、結果は伴いません(明るい公務員講座)。
「毎日暑くて」「在宅勤務ではねえ」「毎日雑務が忙しくて」といった言い訳は同情しますが、仕事は待ってくれませんよ。計画通りに進んでいなかったり、予想外のことで悩んでいるなら、早く上司に相談しましょう。

懐かしい本

2021年8月28日   岡本全勝

社会の意図した変化と意図しない変化」の続きにもなります。

3か月ほど前に、あることから、丸山真男先生が「自然と作為」を論じておられたことを思い出しました。まず、本棚から『日本政治思想史研究』(1952年、東京大学出版会)を引っ張り出しました。私の持っているのは、1973年発行の第19刷りです。活字も古い書体です。パラフィン紙がかかっていて、箱に入っています。当時の専門書は、そうだったですよね。
箱に、1200円と書かれています。現在は、3960円だそうです。1973年の大卒初任給は6万円余り。現在は20万円ですから、ほぼ同じように3倍以上になっています。

本棚からすぐに出てきたことを、褒めてやりたいです。
当時は、東大法学部生が読まなければならない本の一つでした。黄色い傍線が引かれています。ところどころにメモ用紙が挟まっていて、私の字で難しいラテン語などの意味が書いてありました。江戸時代の思想が対象で、知識のない当時は、悪戦苦闘した記憶があります。
今回読むと、内容はほとんど覚えていませんでしたが、比較的容易に読めました。

アサガオがたくさん咲きました。

2021年8月26日   岡本全勝

今年のアサガオは生育が遅く、最初に花が咲いたのが8月7日でした。
その後、ぽつぽつと咲いてはいたのですが、しばらく咲きませんでした。ようやく、小さなつぼみが、たくさんできました。

そして、先日からいくつも花を咲かせ始めました。赤や青の大きな花です。
去年と一昨年に取った種を撒いたので、貧弱になるかと思ったら、意外と大きかったです。
しばらく、楽しむことができそうです。めでたしめでたし。
でも、これからでは、子どもの夏休みの絵日記には間に合いませんね。