カテゴリーアーカイブ:人生の達人

テレワークの課題、企業調査

2022年1月3日   岡本全勝

12月29日の朝日新聞経済面に「テレワークの課題は?利点は? 主要100社調査」が載っていました。
・・・テレワークの利点と課題が、主要100社を対象にした朝日新聞のアンケートで浮かび上がった。多くの企業が「従業員の負担軽減につながった」とする一方で「コミュニケーションの希薄化」に悩んでいる。オンラインでの対話を進めたり、どこで働くかの判断を社員に委ねたり。働き方の模索が続く。

調査は11月後半に実施しテレワークの利点と課題を複数挙げてもらった。
その結果、利点では「通勤の負担軽減」(96社)、「ワーク・ライフ・バランスの向上」(85社)が目立った。「不要な業務や会議が洗い出された」という回答も48社あった・・・
・・・ 一方の課題は「社内コミュニケーションの希薄化」を挙げる企業が多く、86社にのぼった。
住友ゴム工業の山本悟社長は「新入社員や転入者などへの教育は在宅勤務では難しい」。三井物産の堀健一社長も「他部署などとの偶発性の高いコミュニケーションはオンラインでは難易度が高い」と話した・・・

・・・テレワークはコロナ下で急速に広がった。昨年4月に、政府が「出勤者の7割削減」を経済界に求めたことが一因だ。経団連は今年11月、一律の要請は経済活動を妨げるなどとして「7割」の目標を見直すよう提言。政府はこれに応じ、数値目標を撤廃した。
働き方評論家で千葉商科大准教授の常見陽平さんは「働き方の傍流だったテレワークが、コロナ禍で一気に主流になった。十分な議論は重ねられていないし、問題が出てくるのは当然。実際どうだったのかを検証すべき時期にきている」と指摘する。
その上で「テレワークも出社も、うまく交ざればいい。交ぜ方を各社、各部門、各個人でいかにコントロールできるかということが論点だ」と話す・・・

優秀なデータサイエンティストの共通点

2021年12月27日   岡本全勝

12月20日の日経新聞1面コラム「春秋」に、興味深い話が紹介されていました。

・・・「21世紀、最も魅力的な職業」。10年近く前、米ビジネス誌がそう呼んだ仕事がデータサイエンティストだ。IT(情報技術)の普及で集まる膨大な数字を解析し、確かな判断へ経営者を導く。ここに優秀な人材を得られるかどうかで企業の命運は大きく変わるという。
成長中の動画配信会社、米ネットフリックスもデータ分析の部署がある。新規採用候補者の中で最適な人材をどう選ぶか。ヒントを得ようと、すでに在籍する社員で特に優秀な人たちの共通点を探す・・・

答えは、音楽をこよなく愛する点でした。
論理的思考が軸になる業務だからこそ、創造性や感受性が発想の差を生むのだそうです。

3年を見通す経営

2021年12月26日   岡本全勝

12月22日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」、志藤昭彦・ヨロズ会長の「3年手帳」から。
・・・3年間のスケジュールを書ける手帳が重宝している。最近は、日本能率協会マネジメントセンター(東京・中央)の「NOLTY」ブランドで3年連用のタイプを使っている。経営を担う中で最も重要なもののひとつは「3年先」を見通す力だ。社長になってから身にしみて感じている。
1998年6月に社長に就任したが、早々に経営危機を迎えてしまった・・・
・・・日産リバイバルプランは3年間で20%の調達コストの削減も示した。当社からすれば2割値引きで利益がごっそりなくなるが、最大顧客の危機だから協力せざるを得ない。2002年3月期から2期連続で最終赤字になったが、私は3年先の黒字転換を考えていた・・・

・・・04年3月期には最終損益が19億円の黒字に転じた。会社経営において「3年」という時間軸が重要であることを身をもって経験した。一般に企業の中期経営計画も3年間でつくることが多い。3年は会社が変わるために必要な年月ともいえるのではないか。
3年連用手帳は1年ごとに繰り返す「年中行事」を把握しやすく、月単位のスケジュールを組みやすい。3年先を見通す経営のために、この手帳は欠かせない・・・

講義や講演後の質問

2021年12月23日   岡本全勝

講義や講演の際に思うことです。
終わりに、質問の時間を取ります。そのときに、適確な質問が出るとうれしいです。「おお、よく聞いてくれて、理解しているなあ」とです。時に、私が直ちに答えられないような質問もあります。これは、私にとっても勉強になります。
時間を超過して、いったん閉講して質問者に残ってもらう場合もあります。これは(後の予定がないなら)うれしいことです。
逆に、何も質問が出ないと、がっかりします。「この人たちは、私の話を理解してくれたのだろうか」とです。

座席の埋まり方も、気になります。広い会場で後ろの席から埋まっていて、前の席に人が座っていないことがあります。
「こんなよい話を聞きに来たのに、なんで後ろに座るのか」と、腹立たしくなります。

学校の授業にあっては、先生が指導してはどうでしょうか。
・講義や講演について、質疑応答の時間があれば、質問するべき、あるいは感想を述べるべきであること。
・講義中には、「もし指名されたらどのような質問をするか、意見を述べるか」を考えながら聞くこと。
・講師は、講義中も、どの聴衆が良く効いているか、顔と表情を見ていること。適確な質問をした学生には、良い評価を与えること。
・採用面接なら、うつむいている学生や何も質問しない学生より、しっかり聞いて質問する学生を採用すること。

新しい試みに反対する人、後押しする人、実現する人4

2021年12月22日   岡本全勝

新しい試みに反対する人、後押しする人、実現する人3」の続きです。
不思議なのは、明治の官僚、終戦直後から経済発展期の官僚は、進取の気風を持っていたことです。先進国に遅れた日本が追いつくために、敗戦で荒廃した日本を立て直すために、新しいことに次々と挑戦しました。それが、いつの間にか現状維持派に変質したのです。
たぶん、先進国に追いついたと思ったときから、制度を輸入し完成させたと思ったときから、この変質が進んだのだと思います。この問題を「制度を所管するのか、問題を所管するのか。」で解説したことがあります。

官僚志望者が減っていること、東大卒業生の優秀な人たちが官僚を選ばなくなっているとのことです。それは官庁にとっては困ったことですが、日本社会にとって喜ばしいことかもしれません。
現状維持だけなら、優秀な職員は不要です。新しいことに挑戦したい若者は、それが活かせる職場に行くべきです。他方で、優秀な職員を採用したいなら、官庁も彼らが能力を発揮できる職場に変える必要があります。

さて、どのようにしたら、改革派(変えてみよう派)を主流にすることができるか。
一つには、政治主導がその役割を果たすことでしょう。改革の方向を示し、官僚に案を考えさせ、一緒にそれを実現させる子とっです。
もう一つは、役所の上司たちが、改革の気風への転換を進めることでしょう。「このままでは、国民に評価されない」という危機意識を持つことです。改革案の問題点を指摘するのは必要ですが、そこで終わるのではなく、どうしたら改革案が実現するか、一緒になって考えてください。

マスメディアには、「日本は一流国でなくなった。官僚や公務員も改革を進めるべきだ」と、改革をあおってほしいです。
そして、少々の失敗にも、温かい目で見守ってください。新しい挑戦で問題が出ても、それを批判するのではなく、「その問題点を解決して、改革を実現せよ」と応援してください。最初から完璧な改革案はありません。それを求めていると、先送りになって、改革は進みません。
戦後日本の革新勢力と呼ばれた人や言論人は、「憲法を守れ」から始まって、現状維持派が多かったようです。このねじれも、現状維持を支援しています。そこから脱皮してほしいです。

もちろん、何でも改革すればよいという訳ではありません。すると、霞が関にとっても、日本社会にとっても、何を誰がどのように変えていくか。それを提示し議論する必要があるのでしょう。
しかし何にもまして、役所の前例踏襲の気風と先送りする体質は変えないと、官僚機構は社会の変化に遅れ、国民からの評価はさらに下がるでしょう。
この項、ひとまず終わり。