カテゴリーアーカイブ:人生の達人

ゴーン社長の人材育成講座、2

2016年7月28日   岡本全勝

昨日の続きです。「危ない会社こそ好機だ」 (2016年3月9日)から。
・・・私もミドルマネジメントにいたことがある。極めて重要な経験だった。ミドルには上司、部下の中間にいる。リーダーの意思決定も知り、部下とともに現場も知る立場だ。やりがいのある仕事であり、いい経験になる。上司との関係で、嫌な思いをすることもあるだろうが、そのほうが勉強になることがある。
実はある上司は私を信頼してくれなかった。信頼してくれれば、もっと貢献できたのにと思った。しかし学ぶことも多かった・・・
・・・ミドルにとって危機の会社は素晴らしいチャンスだ。好調な会社だと違いを出せないが、苦しいからこそ、違いを生み出して、目立つことができる。だからこそ厳しい企業に入るべきだ。自分の力を示すチャンスだ。確かにリスクはあるが、そこでワクワクすべきだ・・・

・・・99年当時の日産は客観的な指標がなかった。信じがたいことだが、会社を示す指標がなかったわけだ。正確な従業員数を把握するのにすら2カ月もかかった。CFO(最高財務責任者)もいなかった。車種別の利益率など分からなかった。数字がないから何も見えない。唯一の手段は現場に行くしかなかった。
現在の日産は極めて健全な企業になった。車ごと、市場ごとで詳細な数値が分かっている。ただ、どのように従業員が思っているか、戦略を理解しているか、モチベーションはどうか、を知るためには現場に行く必要がある・・・
この言葉のとおり、現場に行ってみないとわからない、それもじっくり見ないとわからないものです。現場には、工事現場など仕事の現場・課題の状況と、職員の様子という組織・職場の雰囲気の、2つのものがあります。この項続く。

危機的状況の際の対応、ゴーン社長

2016年7月27日   岡本全勝

日経新聞電子版「リーダーに戦略を聞く」、カルロス・ゴーン(日産社長)の発言「グローバル人材育成講座」(2016年3月8日)から。
・・・1999年の日産自動車は深刻な危機に陥っていた。危機的状況にあると、どのような優先順位でそこから脱却するかにある。10年後ではない。いま火事が起きている。どうやってこの状況をコントロールして脱出するかを考える。当時、どうやってこの火事を抑えるか、源はどこか、どうやって家を建て直すかを考えた。
15年後、20年後どうするかは考えていなかった。基本的な健全な会社に戻すこと。明確なビジョンはしっかりあったわけではない。本当に大丈夫か?ただ、それだけだ・・・危機的状況では明日を考えない。いまどうするか。その後、緊急事態がおわって、明日を思う・・・
東日本大震災直後に、その対応に当たったものとして、同感です。もちろん、漠然とした将来への見通しを持ちつつですが。

・・・スーパーマンは経営者にいない。マネジメントの重要なカギは学びのプロセス。学んで結果を出すことの繰り返しだ。成果をだせばパフォーマンスで評価される。リーダーは実績のみで評価される。無理だとおもわれる実績をだすと、すごい、優れているとの評価になる。
私にも弱点はある。説得力がないとか、間違った人選をしたなど、失敗は少なくない。優れたマネジャーは客観的に自分の中で、弱点を見極める人だ・・・
詳しくは、原文をお読みください。この項続く。

忙しいことは良いことだ

2016年7月22日   岡本全勝

今週も、忙しい1週間が終わりました。4日しかなかったのに、へとへとです。ところで、昼も忙しいのですが、夜がいけません。さまざまなお誘いの上に、かつての同僚や部下が、「慰労会をしましょう」と声をかけてくれます。「当分埋まっているから駄目や」と返事したら、ある元部下から、次のような返事が来ました。
「了解いたしました。お忙しそうで、安心いたしました。笑」と。私が暇にしている姿を、想像できないそうです。「こら!」

職員管理、部下の不祥事

2016年7月21日   岡本全勝

読売新聞7月20日の解説欄「スポーツ選手の賭博 問題点は」、小林至・元福岡ソフトバンクホークス取締役の発言から。
・・・プロ野球選手は球団の従業員ではなく、あくまで個人事業主だ。球団と選手の関係は、雇用契約ではなく請負契約になる。一般企業ですら従業員の私生活に口出ししにくくなっている昨今、球団が選手の生活態度を指導するのは相当難しい・・・
・・・巨人は今年3月、一連の責任を取ってオーナーらが辞任した。多くの人は「当然」と受け止めただろうが、球団と選手の関係を考えると、率直なところ、「そこまでする必要はなかったのではないか」という感想を持っている。
逆に、契約に厳密な米国であれば球団が選手に対して損害賠償を請求してもおかしくない。賭博行為が発覚して出場停止処分を受けたアメリカンフットボール選手に対し、チームが報酬の返還を求めた事例もある・・・
日本航空の副操縦士が泥酔して、飛行機が欠航した事件がありました。これも考えさせられる事案です。
機長と副操縦士が、乗務終了後に飲食店で飲酒し、副操縦士が機長を殴るなどの暴行を加えました。副操縦士が、職務質問中に警察官を平手で殴ったため、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕されました。代わりの人員を手配できなかったため、翌朝の便が欠航になったのです。日本航空は運航規程で、「乗務開始の12時間前以降は飲酒をしてはならない」と定めていて、機長と副操縦士の両方が規程に違反していました。
さらに、問題を起こした副操縦士は、2010年11月にもサンフランシスコで飲酒による問題を起こし、その後「社内管理」及び「断酒」の条件付きで、いわゆる「操縦免許」の一部とも言える航空身体検査証明を受けていました。しかし、その後飲酒を再開し、航空身体検査証明を更新する際も、「断酒を継続している」と、うそをついていたとのことです。
この場合、職員管理に落ち度があり、欠航した会社がお詫びし責任を取るとして、会社はこの副操縦士に対し、損害賠償を求めることはできるのでしょうか。会社は、この副操縦士にだまされていたのですから。
職員が犯罪や不祥事を起こした場合、組織はどこまで責任を負うのか。難しいですよね。「二度とこのようなことを起こさないように、指導して参ります」と、記者会見でお詫びします。努力はしなければならないのですが、根絶は難しいです。大手企業の会社員や公務員だけでなく、人を教える教員も、違法行為を取り締まる警察官も、事件を起こします。このような事件を報道する報道機関の職員も、事件を起こします。
それぞれの組織は、かなりの研修をしています。そして、事件を起こす人も、立派な大人です。どこまでが、組織の責任なのでしょうか。

サイバー消防隊

2016年7月21日   岡本全勝

「CSIRT(シーサート)」って、ご存じですか。別名、サイバー消防隊、コンピュータがサイバー攻撃に遭った際に、被害を食い止める組織です。サイバー攻撃を火災(放火)とみて、それに対する消防隊です。読売新聞7月20日、「被害拡大防止に必要なサイバー消防隊」をお読みください。
標的型サイバー攻撃が、ひどくなっています。大会社も官庁も被害に遭い、大量の情報が流出する事件が起きています。感染を100%防ぐのは、不可能とみられています。次々と新手のウイルスが出てくるのです。すると、放火されたら、なるべく早く消し止め、「延焼」を食い止めることが重要です。公共の消防隊のほか、各事務所も自衛消防隊が必要です。幹部だけでも、職員だけでも、うまくいかなかった例が紹介されています。組織管理者には、必読です。